夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

ヘッドフォンアンプ導入~その2

2017-03-25 18:56:10 | オーディオ


P-200の配送は代引だったため曜日時間指定でお願いしたところ、配送待ちで寒い倉庫に寝かされたらしく、
クール便で届けられたとおもうほどキンキンに冷えた状態で我が家に到着しました。
さわると金属の筐体が長く触っていられないほど冷えており、結露必至だったので、しばらく室温の低い寝室で放置。
付属の電源ケーブルだけ暖かい部屋においていたら、電源ケーブルが結露しましたwww

外観をチェックしましたが、天板の大傷はあらかじめ写真で分かっていたので、まあよし。
天板は見えないようにセッティングするつもりなので、特に問題ありません。
気になっていたフロントパネルは、確かに正面から見れば傷はわかりますが、斜め上から見るとそれほど気になるほどでもなかったので一安心。
結露の心配をしなくてすむ程度に本体が温まったところで、PC部屋に入れて仮置きで接続してみました。
電源ケーブルは付属のものを使用せずに、ミニアンプの電源用にとりあえず使用していたSilverDragonのものを使用。
P-200付属ケーブルはミニアンプの電源用に回しました。
P-200の付属の電源ケーブルはそれなりの太さですが、結構柔らかく取り回しはよさそうなです。
ただし、ラックスマン製品の多くに付属している純正のJPA-10000という電源ケーブルではなく、汎用品のようです。
JPA-10000のプラグとインレットにあるラックスマンのマークがなく、プラグのブレードも真鍮でした。

BabyfaceとATH-2000ZをP-200に接続して、ドキドキしながら音出し。
うむ、Babyfaceのヘッドフォン端子と大差ない。
というか輸送直後ということもあり音が安定していない感じがしたので、P-200の電源を入れっぱなしにして翌日確認。

なんかBabyfaceのヘッドフォン端子のときと出てくる音の傾向が変わってしまいました。
非常に滑らかで繊細な音になりましたが、ATH-2000Zの特徴である高音の伸びがなくなってしまった。
Babyfaceのヘッドフォン端子接続の時に若干感じていた高音の刺激成分は一切感じなくなったのはいいのですが、ATH-2000Zの持ち味が生かされていません。
一番の問題はボーカルが奥引っ込んで前に出てこない。空間の広がりはよくなるどころか、むしろ狭く感じる。
これはまずい。P-200とATH-2000Zの相性悪いのか、俺はやっちまったのか。
一瞬考えて、とりあえず電源ケーブルを交換してみました。
今までPC用に使っていたshima2372の電源ケーブルをP-200に接続し、PCにはSilverDragonでは長さが足りないので、P-200の付属ケーブルを回しました。

改めて音をチェック。音が激変といっていいほど変わりました。
Babyfaceのヘッドフォン端子に接続したときと同傾向ですが、低音はしっかり駆動されているらしく、さらに締まってタイトな方向に変化しました。
問題のボーカルが埋もれず、ちゃんと前に出てきたので一安心。高音の伸びも復活しました。
そういえばSilverDragonの線材は細線をたくさん使った構造だったような気がする。
確認すると使っていたSilverDragon Power cable は、直径14mm 極細素線 0.12mm×224本という構造でした。
こういう素線に極細の線材をたくさん使っているの電源ケーブルは音が繊細でおとなしくなる傾向っていうのを何かで読んだ気がする。
まさにそんな方向の音の変わり方でした。対してshima2372の方はベルデンの19364のはずです。
芯線の構成までは分かりませんが、見た感じそんな細い素線ではないようです。
電源ケーブル一本でこれほどまでに音が変わるなんて、P-200恐ろしい子!
P-200用の電源ケーブルはshima2372に変更し、SilverDragonは元通りミニアンプの電源用になりました。

さて、P-200用の電源ケーブルが一応決まったところでセッティング。
P-200はフルサイズではないもののB4サイズなので、それなりに場所をとります。
P-200をPCモニター台にして、P-200に直接モニターを載せてしまおうかと思ったのですが、
P-200の発熱も多少気になるので、PCモニター台を導入して、その下にP-200を収めることにしました。
モニター台はサンワサプライのMR-LC102というのが棚板の高さが調節できて、大きさもちょうどよさそう。
実際セッティングをしてみると、デスクの幅が少々足りず、モニター台の棚板とミニアンプ用の電源が干渉してデスクからはみ出してしまうので、
モニター台とスピーカースタンドの両方の下に自作インシュレーターを挟んで高さを調整しうまく収まりました。
スピーカースタンドの天板下にちょうどモニター台の脚が入れることができたので、奥行きも足りました。
そうして、いままでPCデスクに散らばっていた周辺機器をうまいこと並べなおしたのが、下の状態。


ヘッドフォンハンガーに掛けたヘッドフォンがスピーカーにかかっていたので、自作インシュレーターの余りとCクランプを使って回避。
モニター台にモニターを載せるとモニターの画面が高くなりすぎるかなと思っていたのですが、
たまたま新しくしたばかりのEIZOのモニターが画面の高さを調節できるタイプだったので、
ギリギリまで低くすると今までの高さと大差なく首が痛くならなくて済みそう。
今まで奥にあって電源のオンオフがやりづらかったBabyface用電源も手前に持ってこれたし、
Babyface接続しているBus-Power ProもBabyfaceと直線的に並べることができて配線がかなりすっきりしました。
モニターの画面がスピーカーにかかっているのは今までと同じですが、ウーハーにギリギリかからない位置にできたのでその点もよかったです。
PC用の外付けHDDはモニター裏からPC上へお引越し。これで使い勝手がよくなりました。

このセッティングをして改めて気付いた点がひとつ。
ヘッドフォンとスピーカーのボリュームはそれぞれヘッドフォンアンプとミニアンプ側で調整するので、
Babyfaceは固定でいいのですが、出力がスピーカー用のライン出力のみとなります。
今まではBabyface のセレクトボタンでヘッドフォンとスピーカーの出力を切り替えて使っていました。
その切り替えが不要になったのはよかったのですが、ヘッドフォン使用時にサブウーハーから音が出てしまうのです。
P-200のスルーアウト端子はP-200の電源オンでオフでも機能します。
普段はサブウーハーのボリュームを絞っておいて、スピーカー使用時だけボリュームを調整すればよいのですが、
サブウーハーのボリュームがサブウーハー本体の裏側にあり、ボリューム調整が面倒です。
そもそもサブウーハーを導入したのがスピーカーをLS-K731に変える前で、
スピーカーをLS-K731に替えたら、サブウーハーなしでも十分低音が出るようになったので、正直サブウーハーの必要性はあまり感じていなかったのです。
接点とボリュームが1つ増えることもあり、サブウーハーを外すことにしました。

Babyface+P-200+ATH-2000Zという組み合わせになってしばらく聴き込んだのでその総括をすると、「効果はあったが限定的」という感じでしょうか。
電源ケーブルをshima2372を変えてからは、Babyface直挿しと同傾向音色になったものの、低音の制動力が増し、より低音が引き締まる傾向になったのと、
やや空間に広がりが出たかなという程度で、劇的な効果は得られていません。

その原因を考えてみたのですが、BabyfaceはすでにBusPower-Pro+フィデリクスACアダプターを導入済みで電源が強化されていたことに加え、
Babyfaceのヘッドフォン端子の出来がよかったのだと思います。ATH-2000Zがインピーダンスが40オームと低く、鳴らしやすいということもあると思います。
もしP-200を新品で買っていたら、コストパフォーマンスとしては大失敗ですが、
中古で新品の半分以下の値段で手に入れているので、まあなんとか納得できるレベルになっています。
ボリュームにかすかにガリがありますが、使用にはほとんど支障ないレベルなのでこのまま使用を続けます。

ヘッドフォンアンプ導入~その1

2017-03-19 15:54:44 | オーディオ
さて、ATH-2000Z用のヘッドフォンアンプ選びです。
普通にいくと試聴の時に好印象だった同じオーテクのAT-HA5000となるのですが、
このアンプ自分としては機能的に支障があります。
何かというとスルーアウト端子がないのです。ヘッドフォンほど使用頻度は高くないものの、
デスクトップ用のスピーカーもあるので、これに接続できないと困るのです。

今までは

DAC:Babyface(ヘッドフォン端子) → ヘッドフォン:HD595
 ↓(ラインアウト)
サブウーハー:PM-SUBmini2
 ↓(スルーアウト端子)
ミニアンプ:LXA-OT1 → スピーカー:LS-K731

というという構成でしたが、Babyfaceのヘッドフォン端子を使わないことになるため、

DAC:Babyface
 ↓(ラインアウト)
ヘッドフォンアンプ(ヘッドフォン端子) → ヘッドフォン:ATH-2000Z
↓(スルーアウト端子)
サブウーハー:PM-SUBmini2
 ↓(スルーアウト端子)
ミニアンプ:LXA-OT1 → スピーカー:LS-K731

という構成になるので、スルーアウト端子は必須になります。

そもそもヘッドフォンアンプの導入効果が未知数なうえに、DACの更新のことも考えるとであまり大枚はたくつもりもなく、
中古の導入を考えているのですが、AT-HA5000の中古は玉数が少ないうえに美品は結構なお値段がします。
ヘッドフォンアンプの条件としては、
●スルーアウト端子があること。
●デスクトップ使用なので大きさは控えめなもの。
●しばらくATH-2000Zを使う予定なのでアンバランス接続専用で可。
●駆動力が高く、アンプ自体のカラーレーションが少ないもの。
●中古で値段はなるべく安く。
てなところになります。

そうなると、ラックスマンのP-200一択となりました。
P-200は販売終了の状態。比較的中古の数はありますが、さすがはラックスマン、中古でも美品となるとかなりのお値段。
これなら新品買った方がいいよという感じのプライスタグがついています。
まめにネット上の中古を調べていたら、外観にかなり難ありのため比較的安めの中古品を発見。
でも、安めとはいえ、それなりのお値段です。とりあえず様子見をしていたら、値段がぐっと下がりました。
この価格ならと思えるところまで下がったので、中古ですが初ラックスマン購入となりました。
購入時に一応確認をしたところ、ボリュームのガリ等機能的な部分では問題なし。
フロントパネルの写真がなかったので傷の状態について聞くと、一見して分かる傷があるとかなり気になる回答。
ちょっとドキドキしながら商品の到着を待つことになりました。

ATH-A2000Zレビュー

2017-03-05 13:25:37 | オーディオ
さて、ATH-A2000Zの鳴らし込みもいい感じになってきたので、感想をまとめてみたいと思います。

まず、初めに挙げなければならないのは、やはりその解像度、分解能力の高さです。
正直今まで音の解像度ってピンとこない部分があったのですが、ようやく腑に落ちた感じです。
まさに「解像度が高い」と表現するにふさわしい鳴り方です。映像に例えると、DVDからブルーレイに変えた時に似ています。
今まで埋もれていた細かい音、特に楽器が鳴りやむまでの響き、残響、エコーのかかり方がとてもよく聴こえます。
空気感といったものがよく伝わって、平面的な鳴り方からより立体的になったという印象です。

今までずっと開放型ばかり使ってきたので、特にそう感じるのかもしれませんが、定位感も抜群です。
左右の鳴り分けが非常に優秀であるため、定位がぴったり決まります。
音数の多い曲でもそれぞれの楽器の音が混濁せず、綺麗に分離して聴こえてきます。
購入前に読んだATH-A2000Zのレビューの中にBABYMETALのファーストアルバムについて触れているものがあり、
そこではATH-A2000Zで聴くBABYMETALは音が混濁せず、楽器が綺麗に分離して聴こえるとありました。
またまた御冗談を、あのアルバムの音がそんなになるわけがないと思って、改めて聴いてみました。
なるほど、以前感じた強い混濁感はなくなり、綺麗にとまではいかないもののそれなりに分離して聴こえる。
音が混濁すると音が暗い感じを受けるのですが、混濁感が弱まったことで多少明るく聴こえることが分かったのが新たな発見。
ウェンブリーのライブCDでは、BOHさんのベースがはっきり聴こえる。ベースってホントに他の楽器の音に埋もれがちで、
特にメタルみたいな音数の多い音楽では特に聴き分けにくいものですが、それがこんなに明瞭に聴こえてくるとは。やっぱBOHさんベースうまいっす。

あと特筆すべきなのは、音場というか空間の広がり。密閉式とは思えないほどの広がり方です。
この点では今まで使っていたHD595を軽く凌駕します。特に左右の広がり方が広大で、
芸能山城組の「輪廻交響楽」の2曲目「第二章 散華」の冒頭がバイノーラル録音になっているのですが、
人の声が遙か彼方からゆっくり近づいてくるのがよくわかります。
その反面前後方法の広がり方はそれほどでもないので、ダミーヘッドのまわりを人が回りながら歌う回り方が円ではなく楕円になります。
まあ、この点はHD595ではほとんど横方向の線の動きにしかならなかったので、これでもかなりの驚きです。
上下方向の鳴り分けも優秀で、この楽器は上の方から鳴っている、この音は耳の高さで鳴っているといったことがはっきり表現されるようになりました。

音色の傾向ですが、高音の硬さがとれだいぶ癖がなくなってきました。
高域側の伸びは素晴らしく、金属系の打楽器のリアルさにはハッととさせらせます。高域側が伸びていると音色は明るく感じるということ再認識。
そして自分にとって一番大事な中域、ボーカルの帯域ですが、ボーカルがしっかり前に出てきて、奥に引っ込んだ感じがありません。
これはとても大事。意外とボーカルが引っ込んで聞こえるものがあるんですよね。
そして、低音ですが、鳴らし始めに比べてとてもよく出るようになりました。個人的には量感はこれで十分。
よく引き締まった良質な低音です。分解能が高いため少々硬めに感じるときがあります。

高音にやや特徴があるものの、音のバランスがよく、聴く音楽のジャンルを選びません。
自分のような雑食で何でも聴くタイプにはこういったヘッドフォンでないと、
複数のヘッドフォンを使い分ける必要が出てきますが、これならこの1台で十分。
音の方向としては基本的には高解像度のクッキリ系。やわらかさや色気という要素は薄く、クッキリしていてクリーンな音です。
高解像度のクッキリ系だと高音質で録音の良い音源だと力を発揮するものの、
古い音源、録音のよくない音源だと、その粗を殊更強調してしまい、
とても聴いていられないというはよくあるパターンのですが、このATH-A2000Zは違うんです。
これにすると高音質の音源だと本当にすばらしいものがありますが、録音の悪い音源でもソコソコ聴けてしまいます。
マスターテープ由来のヒスノイズはがっちり聴こえますし、HD595ほど粗を隠して耳に優しくはありませんが、
音がきつくて長時間のリスニングには耐えられないということはありません。
このアルバムってこんなに音悪かったんだという発見もありましたが、それなりに楽しく聴けてしまうんです。

このヘッドフォンはアートモニターシリーズのひとつですが、まさにその名のとおりモニターとリスニングというのをかなり高い次元で両立しており、
この点がATH-A2000Zの最大の特徴であり、美点だと思います。
これが「次はバランス接続の開放型」と思っていた自分にこのヘッドフォンの購入を決断させた最大のポイントです。
推測ですが、それを可能としているのは、スイープシグナルを鳴らした時に分かった高域のピーク、高音域での絶妙な味付けかなと思っています。
ただ若干副作用があり、楽器によってはその音色がわずかに人工的に聴こえ、少し違和感を感じる場合があります。
最近輝&輝という津軽三味線デュオのアルバムを買ってみたのですが、肝腎の三味線の音に若干違和感を感じました。

高橋竹山の方は違和感はないので、T-TOCレコードの音の傾向のせいかもしれません。


音質以外の点について、個人的には音質と同じぐらい重要視している装着感については、
側圧はそれなりにあって、ヘッドフォンを付けるときはちょっときついなと思うのですが、しばらくするとほとんど気にならなくなります。
側圧がほとんどなく、ちょっと頭を動かすとすぐずれてしまうHD595ほど装着感はよくないものの、2時間くらいは問題なく使用できます。
重量は294グラムでギリギリ300gを切っています。このクラスとしてはかなり軽い方です。
これ以上重いといくら音がよくても、メインと機種として常用するにはちょっと辛いかな。
密閉式ですが、外の音は結構聞こえる方です。もうちょっと外の音を遮断してくれるとよかったのですが。

エージングの済んだATH-A2000Zには、ほぼ満足しているのですが、なんかちょっと違う。
そう、ヨドバシの店頭で試聴した音にはちょっと届いていないような気がする。
CDプレーヤーかDACかということはさて置き、やはり違いはヘッドフォンアンプの有無でしょうか。
インピーダンスが40オームとかなり鳴らしやすい方だと思いますが、ドライバー径は大きいので、低音の制動力に差が出ているような気がします。
あとは空間が今ひとつ広がらない感じ。ヘッドフォンアンプなしの環境で試聴した印象に近いです。
この辺は、ヘッドフォンの駆動力の差が現れる部分です。
Babyfaceのヘッドフォン端子の出来が分からないので何とも言えませんが、
ATH-A2000Zとは長い付き合いにありそうなので、これを鳴らし切る環境を整えておいた方がよさそうです。

ということで、ATH-A2000Z用のヘッドフォンアンプの導入を検討してみたいと思います。