夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

JPLAYその1

2017-06-24 08:09:01 | オーディオ


デスクトップ周りのオーディオ環境が整い、とても快適かつ幸せな気分で音楽を楽しんでおりますが、そこで気になることがあります。
PCオーディオと呼ばれるものを始めてしばらく経ちますが、その入り口、プレーヤーソフトというものです。
最初に買ったFOSTEXのHP-A3を導入した時に、いろいろとプレーヤーソフトを試して、
Wave File Player for Experimental(WAV専用)とLilith(ASIO)の併用になって現在まで使用しております。
DACは変わらずBabyfaceのままですが、ヘッドフォンを更新し、ヘッドフォンアンプを導入したことに合わせて、
改めてプレーヤーソフトを見直してみることにしました。

Macの場合、AmarraやAudirvana Plusという有料ド定番ソフトがあるわけですが、Windowsの場合これに匹敵するものが見当たりません。
現在使用しているプレーヤーソフトを選んだときは無料のものから選びましたが、今回は無料にこだわらず、有料のものも含めて考えてみたいと思います。

選ぶ基準としては、音質最優先。便利なものは無料のソフトを併用して補うようにしているので、とにかく音がいいこと。
現在使用しているWave File Player for Experimentalは、WAV専用でASIOにもWASAPIにも対応しておりません。
WAVデータをメインメモリーに展開して再生するため曲中のスキップのできないとっても不便なソフトです。
でも、なぜか音はいいんですよね。32bitOSがメインだった時代に開発されたものですが、64bitでも動くのでWindows7になっても継続して使っています。
でも、Wave File Playerは現在開発が止まっている状況で、今後も期待できないでしょう。
それにいまはDACがPCM専用のため問題ありませんが、将来的にはDSD対応のDACにする予定があるので、プレーヤーソフトもDSD対応のものを選んでおきたいです。
DSD対応でWave File Player for Experimental以上の音が確保できるもの、そんなソフトがほしいです。

それで、試用できるものは実際に使って聴いてみました。

まずは、いまだに定番foobar2000
以前聴いたものからすると相当バージョンが上がっていますが、現在の環境で改めて聴いてみます。試聴ファイルはCDリッピングのWAVです。
音質は以前と変わらず、デジタルっぽい硬い音。ヘッドフォンを変えたせいでその硬さが強調されていしまいます。

次にPlay Pcm Win
PCM専用ですがこれも昔からある定番ソフトです。
PCM専用ということでWave File Player for Experimentalとの比較になりますが、これはなかなかいい音がします。
Wave File Player for Experimentalもそうですが、データをRAMに展開して再生するタイプの方が音がよく感じます。
しかし、Wave File Player for Experimentalと比較すると音の鮮度に少し劣るというか、若干くすんだ感じでおとなしめの音です。
ダイナミックな感じに欠ける印象は以前と変わらず。

HQ Player。これも以前からありますが、有料だったので試聴すらしたことがありませんが、現在も試用版はないようですね。
現在はDSD対応になってます。相変わらずなかかの価格です。さすがに試用しないと買えません。

MediaMonkey
これも比較低昔からあるソフトです。有料ですが無料版もあります。UIもこなれており、使いやすいとは思いますが、
特別音質優先というわけでもないので、以前も選択肢に入りませんでしたが、現在もそれは変わっていませんでした。

JRiver Media Center
これは比較的新しいですかね。UIがよく、対応フォーマットも多いようです。
特に音にこだわったソフトというわけでもないようですが、音もよいという評判で、有料ですが使用者の多いソフトだそうです。

なんかこれといって決め手に欠くものばかりです。以前と状況があまり変わっておらず、DSD対応になったこともあって未だにfoobar2000を使っている人が多いですね。

いろいろと調べていたら、引っかかったのがJPLAYというソフト。
比較的よくチェックしている吉田苑というショップでも使い始めたようです。
有料ですが、試用版もあります。ソフトの名前にJがつくので日本製かと思いきやヨーロッパ製(ってどこ?)ですが日本語の公式ホームページもあるのはいいことですね。
試用版もあるのでとりあえずインストールして使ってみることにしました。

OSは64bitが必要。現在Windows7の64bitなので問題なし。公式ではWin7よりWin10の方を推奨しています。
DSD再生にはKernelStreaming対応のDACが必要なようですが、PCM再生についてはASIOでもWASAPIでもOKのようです。
PCを2台使ったデュアルPCモードの方が音がよいと書いてありますが、上さん用のノートPCは最近リサイクルに出してしまったばかりでPCが2台ないため、シングルPCモードでの使用となります。
インストール自体はあっさりと特に問題なく終了。セッティング項目はいろいろあるものの、とりあえずASIO接続でENGINEはClassicで聴いてみます。

JPLAYminiというインターフェイスが用意されているので、それで再生するようです。
その画面がこれ。


何ですか?この白いDOS窓は!

GUIが効かないので、操作は全てキーボード。
曲の選択はエクスプローラーでファイルが保存されているフォルダを開いて、右クリックでコピーしてクリップボードに展開させるとのこと。
今は2017年ですよね?音質最優先のためとはいえ機能を絞りすぎじゃないですか。表示はもちろん英語です。
ファイル名と曲時間は一応表示されますが、ファイル名に2バイト文字を使っていると当然のように文字化けします。
また、JPLAYの試用版、製品版との違いは曲再生中に音がいったん途切れるような仕様になっていることです。
3分30秒ごとに5秒ほど無音になります。ちょうどいい感じで聴いているところで中断されます。

UIにげんなりしながら、WAVを再生してみました。
確かに音はいいですね。Wave Player for Experimentalとほぼ同等の音がします。
ストレートで脚色なくのびのびとした印象です。JPLAYの方が音場型かなという感じです。

いちおう現在の環境で作動したので、今度はENGINEをXtreamに切り替えて聴いてみます。

驚きました。あっさりWave Player for Experimentalを超えた音が出てきました。
今までのプレーヤーソフトって音に関しては、正直言ってドングリの背くらべ、
ASIOまたはWASAPIに対応しているソフトが音質面で有利という程度で、あとは音の傾向の差でしかなかったような気がします。
その中で異色だったのが、Wave Player for Experimentalで、
ASIOにもWASAPIにも対応しておらず、DirectSoundというWindows標準の音声出力のしくみを使っているにもかかわらず音がよい。
メインメモリーにデータを展開して、時間軸の管理をしっかり行うというところが音がいいポイントなのかと勝手に推測していましたが、
とにかく聴いて音がよいと思ったので使っていました(不便ですけど)。

それをあっさり超えてきました。JPLAYのXtreamは。
何が違うか?まずその静けさ。一音一音にいわゆる附帯音というのが感じられず、デジタル臭さがきれいさっぱり洗い流された感じがします。
その効果として、細かい音、音の響き、残響音がこれまで以上にしっかり、つまり長い間聴こえるようになりました。
それと音場表現。空間がふたまわりぐらい広がって感じるとともに、楽器の位置がより正確になり分けられているようになりました。
横方向への広がりもすごいのですが、縦方向、奥行き後方の違いがよくわかるようになりました。
特に奥行き方向は、今までほとんど感じられなかったものが、しっかりとこの楽器は前、この楽器はもっと少し後ろでちょっと高めの右寄りというのが感じられるようになりました。
例の芸能山城組「輪廻交響楽」の2曲目「散華」で試してみると、思わず「やばい」という言葉が漏れてしまうほど。
床を踏んでギィーと音がするところがあるんですけど、超リアルな音がヘッドフォンからかなり離れたところで鳴っているように聴こえてくるので、
ヘッドフォンの音なのか実際の音なのか区別がつかなくなってくる感覚さえ出てきます。
JPLAYの評価として、特に音場表現にすぐれるという意見が多いようですが、まさにそのとおりという感じです。
さらによいところは、音に変な色付けがされていないことです。
逆に言うと以前より録音状態の良し悪しが目立つようになりましたが、アコースティックな楽器を使った優秀録音を鳴らすと、これはちょっと後戻りできない感じがします。

しかし、Win7のシングルPCモードでこの音、公式が推奨しているデュアルPCモードでOSにWindows Server 2012 R2(Windows Server 2016には現在のところ未対応)だとどうなってしまうのか。
(つづく)