夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

フロクのアンプ(その3)

2011-12-25 15:25:15 | オーディオ
ついに届きました。Stereo誌2011年1月号。
くるみ表紙から雑誌本体と付録の箱を取り外しました。
付録の入った外箱はこんな感じ


箱を開けてみると、入ってますね。


基盤自体は、完成品です。LUXMANとStereoのロゴが基板にちゃんと入っています。


ACアダプターにもLUXMANのロゴが。なかなか細かいです。


とりあえず音を出すために、足を付けました。作業時間1分半。
透明のカバーは、埃よけにもならないので付けませんでした。


さて、セッティングですがこちらの方が大変でした。
まず、リビングにあるNS-10MMTをスタントごとパソコン部屋に移動。
スピーカースタンドは、床に座って聴く位置でセッティングしていたため高さが低いので、
高さを一番高い位置まで調整しました。
NS-10MMTを取り付けてみると、床からツイーターまでが105cmと、
PC用の椅子に座ってちょうどいい高さになりました。
一本足のスタンドなので、PCデスクにピッタリ寄せるとデスクトップに若干スピーカーがかかるので、
デスクトップからBOSEのMediaMateⅡを取っ払い、
パソコンの位置を少々中央よりのずらすと、ちょうどいい感じ。
やはり無理やりデスクトップにスピーカーを置くよりは、スタンドを使った方がいいようです。
ただ、ミニタワーのPCは少々高さが邪魔になるので、次のPCは横型の方がいいですね。

さて、アンプとスピーカーをつなぐスピーカーケーブルですが、
GX100の前に使っていたVictorのSX-LC3の付属のスピーカーケーブルが余っていたので、それを使用します。
このケーブル、外観からするとどうもBeldenの9708だと思われるので、取っておいたのです。


片チャンネル3mと長かったので、半分にしました。
アンプのターミナルがプッシュ式なのですが、本体が軽すぎるため結線が少々難しい。
なんとか押し込みましたが、ちょっと太めのケーブルはつなぐのが難しいかもしれません。
RCAケーブルは、AudioQuestのG-SnakeというAudioQuestの中では最もベースシックなケーブルです。
Babyfaceからのアナログ出力は、純正のブレイクアウトケーブルのPhone端子から変換アダプターを使ってRCAに変換してします。
RCAの端子はほとんど剛性がないので、端子を抑えながら慎重に挿しこみました。
プレーヤーソフトはWaveFilePlayerExperimental、USBケーブルはAudioQuestのCabon、DACはBabyfaceといつもの使用機器です。

さて、ようやく音出し。
Babyface側の音量はいつもヘッドホン出力のときのデフォルト音量にして、
LXA-OT1のボリュームを徐々に上げていきます。
カチッと手応えがあってオレンジ色のLEDが光り電源が入りました。
最初は音が鳴らないと思ったのですが、やはりかなりボリュームを右に回さないと適正な音量にならないので、Babyface側の音量を上げて調整しました。

聴いたソースはいつものカーペンターズ「40/40」。
やはり、ここは歌物から。
いや、鳴らす前は、もしかしてMediaMateⅡに負けたらどうしようとか思っていたんですが、
そんな考えはまさに杞憂。
Babyfaceを導入してからはガラッと良く鳴るようになったMediaMateⅡですが、
LXA-OT1とNS-10MMTの組み合わせとでは比較になりません。
明日にでもMediaMateⅡをリサイクルショップに売り飛ばしてきます。

音量が小さいと物足りない感じがするのですが、ある程度の音量に達するとこれがイイんです。
定位がピタリと決まり、カレンがデスクトップ上で歌っているよう。
もちろん広大なfレンジというわけにはいきませんが、楽器の質感などはいつも聴いているHD595の音にかなり近いです。
さらにいろいろとソースを替えて聴いてみましたが、カーペンターズのときはあまり気にならなかったのですが、やはり懸念していたように低音は不足気味のため、曲によってはハイ上がりになってしまい、
ちょっと薄っぺらな音になってしまいます。
ウッドベースのソロ曲も聴いてみましたが、細かい音は比較的聞こえるものの、
低音派でない私でも、もうちょっと低音の量感が欲しいなという感じになります。
スピーカーがリアバスレフなのでもう少しスピーカーを壁に近づければいいのですが、
スピーカースタンドのベースが邪魔になって、30cmより近づけることができません。
イコライザーも使えないのでこれは諦めるしかないですね。

スピーカーが半休眠状態だったので、LXA-OT1の慣らしも兼ねて慣らしっぱなしにして1時間ほど放置。
その後聴いてみましたが、ちょっと音がほぐれてきた感じです。
試しに妻にも聞かせてみましたが、「明るい音でいい感じ」とのこと。
そのとおりで暗く引っ込んだ感じではなく、明るく前に出てくるようなイメージです。
しかも、けっこう音場感も悪くなく、音が中央に集まっている感じではなく、
狭いデスクトップ上には限定されますが、楽器がそれぞれキチンと分離して聞こえます。
ただ、やはりペア1万円程度のスピーカーなので、音に潤いがないというか、ちょっとカサついた感じがします。
ウーハーが紙コーンのせいですかね。
大昔に使っていたBOSEも301も似たような傾向にあったような記憶が。
デジタルっぽい感じの音ではなく、ちょっとアナログライクな音調です。
88dbのNS-10MMTをニアフィールドで聴くには十分な音量がとれます。
むしろ、ある程度低音が出てくる音量にしてしまうと、ちょっと賃貸住宅住まいの身としては近所迷惑にならないかそっちの方が心配です。

LXA-OT1とNS-10MMTの組み合わせで出てきた音は、予想以上に聴きやすく満足のできる音でした。
まあ、アンプから上流の機器にコストがかかっているとはいえ、
ある程度の解像度はありながら、安っぽいとげとげしい音になっていないのが何よりの美点かと思います。
問題は、アンプの外観。
むき出しだ。ネイキッドだ。
そういえば、池田工業製のアンプのケースというかベースというか、それが雑誌の発売と同時に発売されました。
気になる値段は…6980円!
LXA-OT1が約2.5台買えます。
LXA-OT1とセットで買う値段で、ケースに入った中華製デジタルアンプが2台買えます。
まさか5000円は超えないだろうと思っていた自分が甘かったです。
しかし、本当にずるいです。
アルミ削り出しで梨地仕上げシルバーアルマイト処理の非常にきれいな仕上げ。


結局静電シールドにはなりませんでしたが、電源ランプがきれいに見えるように配慮されたブルースモークのアクリルボンネット。


おっさんの購買欲を刺激するじゃありませんか。

それとは別に、真空管アンプを中心に扱っているショップがこのアンプベースの別注品を発売するとか。
それがこれ。


こちらはあまりそそられないな。
真空管アンプ好きにはいいのでしょうが、デジタルアンプに真空管アンプ風のボンネットをかぶせてもなーというのが正直な感想。
しかもお値段、雑誌とセットで(セットでしか販売しないそうです。)予価12500円!!
ということはケースだけで9800円!!!

付録の付いていた雑誌にはLXA-OT1の使いこなしのページもありましたが、
雑誌に紹介されているような金属製のケースは到底自作出来そうにないので、
素直に池田工業製の純正ケースというかベース「AmpBase」を注文してしまいました。
このアンプのフロクが好評ならば、来年の1月号にはきっと出力をアップしたLXA-OT2がフロクにつくに違いない。
そのときはこのAmpBaseが流用できるように基板の大きさは同じに違いない(希望的観測)。
そんな期待を込めながら。

何でもこのAmpBase、初回のロットはもうすでに完売とか。
いつになったら入手できるのでしょうか?

(つづく。)



フロクのアンプ(その2)

2011-12-18 06:12:48 | オーディオ
しばらくしたら付録の内容が明らかになりました。
付録のデジタルアンプの実物がこれ。


そうか、自作が必要だったのはアンプの基板の方ではなくケースの方なわけね。
アンプの自作をしたことがある人はスピーカーの自作をしたことがある人より
さらに2桁ぐらい数が少ない(と思う)ので、ボリュームも端子類もすでにセットされた状態で
ACアダプターまでちゃんと付属され、とりあえずスピーカーケーブルでつなげば音が鳴るという完成品の状態になっているのは、賢明な判断ですね。
ただ、基盤のままでは使えませんから、付属のカバーと足を取り付けた状態がこれ。


うぅむ。
これでは静電シールドどころか埃よけにすらならない。
PCだとベアボーンキットというものがありますが、あれは一応ケースがあるわけで、
このむき出し感は、カウルを外したレーシングマシンというよりは、
しょっちゅういじくり回すのでケース開けっぱなしのマニアのPCのような状態です。
まあ、これがコストの限界なのでしょう。

さて、十分に安いとはいえ、機能的に不十分(ケースがない)なものを買う気にはちょっとなれません。
これなら例の中華製アンプの方がいいです。
そんなことで購入を躊躇しているときに、アンプの付録が付く前の号のステレオ誌を立ち読みしていると、
その付録アンプの試作品の試聴の様子が記事になっていました。
ケーブルの自作などをよくやっているオーディオ評論家が試聴をしており、
「音は3万円クラス」みたいな記事になっておりました。
来月号の宣伝記事ですから、話半分ですね。
それはいいとして、そのなかで雑誌が出るのと同時に付録アンプ用のケースが池田工業という会社から発売されるとありました。
この会社、耳慣れないので調べてみるといろいろ作っている会社なのですが、
コンシューマー用としてはこんなものを作っておりました。


その名も「iHorn」(「アイホルン」と読むらしい)。
iPhoneのスピーカーはあのサイズとしては結構よい音がするので、
こうしたスタンド兼用のメガホンみたいなものもなかなか面白いです。
超ミニミニのバックロードホーンですから。


さて、アンプ用のケースに話を戻すと、
そのケースの試作品の写真も載っていましたが、アルミ製でなかなかかっこいい。
ボリュームも付属のプラスチック製の交換用にアルミ製のノブがセットになっています。
ただカバーが透明のアクリル製なので、製品版ではぜひアルミ製になってほしいです。
試聴記事でも、やっぱりシールドケースの方がよいと書いてありました(当たり前だ)。

そこで気になるのは価格です。
iHornは、バックロードホーンの形状がかなり複雑なこともあって、結構いいお値段がします。
アンプのケースの場合、どう見ても足つきの四角い箱ですので、
この会社で出しているアルミ製のiPhoneスタンド(スタンド以外の機能なし)並みで
3000円ぐらいだとうれしいのですが。

このアルミ製のケースが出ると分かったので、安心して雑誌の予約を入れました。
音出しをして、よければケースを買えばいいです。
しかし、ここで肝心なことを思い出しました。
このアンプにつなぐスピーカーは?
GX100?ご冗談でしょう。
付録アンプの出力は5W+5Wです。
それこそ安くあげるのに自作も考えましたが、意外と安くならない。
自作は嫌いではありませんが、コスト的にメリットがないとあまり意味がないような。
アンプの問題があったのであまり真剣に考えていなかったデスクトップ用のパッシブスピーカーの候補をこの際考えてみました。

置き場所の制約があるので、フルレンジでもいいのでなるべく小さいものをと探しましたが、
評判がいいもので幅が15cm以下のものというのは、それほど多くありません。
それにアンプがそもそもおまけなので、値段的に釣り合わないとこのアンプにした意味がありません。
そうなるとサラウンド用かミニコンポ用のスピーカーから選ぶようになります。
ミニコンポ用だとデノンのSC-M37かケンウッドのLS-K711あたりでしょうか。
このあたりだとペア1万円程度で買えます。ほんとスピーカーを自作するのが嫌になる価格です。
もともとサラウンドのリア用ですが、ピュア用にも使えるクオリティのものとなると、
パイオニアのS-31B-LRか、最近出たDALIのZENSOR1あたりですかね。

さらに置く場所が問題です。
通常はスピーカーを液晶モニターの両脇に置きますが、
現在4:3の16インチの液晶モニターに脇に幅8cmのMediaMateⅡを置くのが精いっぱい。
次のPCの更新時期には10年近く使っている液晶モニターも併せて更新する予定なので、
サイズが23インチワイドになってしまい、液晶モニターの両脇に置くのはますます難しくなります。
そこで液晶モニターを手前において、奥にデスクトップ用のスピーカースタンドにスピーカーを乗せることも考えましたが、
液晶モニターにスピーカーがかぶってしまい、どうもうまくいかない。
PCデスク自体をもっと幅の広いものに変えればいいのですが、
現在使用中のPCデスクは結構気にいっているのと、
そもそもこの狭いたんす部屋兼PCルームにはこのPCデスク以上大きいものを置きようがない。
そうなると、デスクトップにスピーカーを置くのはあきらめて、
PCデスクの両脇にスリムなスピーカースタンドを置いて、そこにスピーカーを置くしかないようです。
普通のスピーカースタンドでは邪魔なので、1本脚のスタンドかなと思ったところで、ふと気がつきました。
そういえば、そんなスピーカーがすでに家にあるじゃないか、と。
居間でサラウンドリアに使っているヤマハのNS-10MMTです。


専用のスピーカースタンドに設置してあります。
このスピーカー、テンモニの愛称で親しまれたNS-10Mのミニ版かつシアター用です。
NS-10Mにはそのミニ版としてNS-10MMというスピーカーがありました。
NS-10MのサイズがW215 mm×H382 mm×D199mmというサイズですが、
NS-10MMのほうはW107mm×H191mm×D140mmと奥行き以外は、ちょうど半分のサイズです。
NS-10Mと同様に密閉式ですが、MMのほうは防磁型です。
最初のMはモニターのM、次のMはミニのMのようです。
NS-10Sにはいろいろと派生機種がありましたが、
その中にシアター用のNS-10MTという機種がありました。


TはTheaterのTのようです。
これはシアター用ということで、もちろん防磁型でしたが、
密閉式ではなくバスレフ式で、バスレフポートはフロントにありました。
さらにNS-10MMTはその名の示すように、NS-10MMをシアター用にしたもので
防磁型のNS-10MMをバスレフ型にしたものです。
パッシブ2WAYスピーカーとしては最小の部類に入るので、
さすがにバスレフポートはフロントに付けられず、リアについています。
奥行きは変わっていないので、ほんとうに無理やり穴をあけた感じですね。

このスピーカーは結婚した当時最初に組んだサラウンドシステム用に買ったものです。
定価はペアで18900円でしたが、実売はもっと安く1万円強で買った記憶があります。
現在ではこのサイズで2WAYスピーカーはさすがにないですね。
ヤマハでもこの価格帯のスピーカーを現在も販売していますが、
2WAYではなく、フルレンジ2発という構成になっています。
以前のシステムでは、AVアンプにオートキャブリレーション機能がなかったのと、
スピーカーに付属していたスピーカーケーブルがあまりにも細くて、どうも断線していたらしく、
ほとんど音量がとれていない状態で、スピーカーとしてほとんど役に立っていませんでした。
AVアンプを今のソニーに替えてからは、マイクを使ってのオートキャブリレーション機能と
AVアンプを替えたときにスピーカーケーブルもベルデンに替えたおかげで、
やっと音が出ているのが確認できるようになりました。
しかし、です。テレビがリビングにあるためサラウンドは稼働率が極端に低く、
月に1度使うかどうか、という状態にあります。
そんな買って10年まともに使われたことのないNS-10MMTをPCオーディオ用に使ったれ、ということです。
サラウンドリア用のスピーカーがなくなるので、5.1チャンネルではなく3.1チャンネルになりますが、
音楽ソフトを見ることがほとんどなので、もともとあまりリアスピーカーの役割は大きくないので、
ほとんど問題がありません。なにせ、追加費用はスピーカーについてはなし!

野望としては、もう少し広い部屋に住みかえられたなら、
現在テレビの脇にあるGX100をパソコン部屋に移動し、
完全なピュア用として使うつもりです。
そのときはちゃんとしたプリメインアンプでGX100を鳴らしてやるつもりです。
NS-10MMTはサラウンドリア用に戻してもいいですし、そのままサブ用で使ってもいいです。

それまでのつなぎとして、雑誌の付録のLXA-OT1というアンプで
NS-10MMTという2WAY最小クラスのスピーカーを鳴らすというのは、非常におもしろそうです。
少なくともMediaMateⅡよりはいいと思うのですが…
果たしてどうなるでしょうか?久しぶりにワクワクします。

(つづく。)


フロクのアンプ(その1)

2011-12-17 09:44:18 | オーディオ
現在マイデスクトップに鎮座しているスピーカーはBoseのMediaMateⅡです。


使い始めてからもう7年になりますが、正直こいつには不満があります。
コンパクトなのはいいのですが、ボリュームにかなりガリがきています。
ときどきボリュームをガリガリ回してだましだまし使っております。
そのボリュームノブは買ったときからちゃんと接着されておらず、
不用意に扱うとポロっと取れてしまいます。
よほど買い換えようかと思いましたが、そもそもそれほど使用頻度が高くないのと
Babyfaceを導入してからというもの、出てくる音が劇的に改善したのでそのままになっています。
しかし、このスピーカーからこんな音が出るということは、
スピーカーを替えたらどうなるんだろうという気持ちはかなりあります。

愛用のPCデスクは幅が75cmしかないうえに、デスクトップPC派なので
スピーカーを置くスペースが限られているので、
スピーカーを置くとなるとコンパクトなスピーカーに限定されてしまいます。
MediaMateⅡに替わるアクティブスピーカーが何かないかと考えてみると、
やはり最初に挙がるのがBoseのM2ですね。


しかし、価格が少々お高いのと、もうBoseはいいかなという気持ちが強いのでパス。
オンキョーのスピーカーはどれも大きすぎる気がします。
フォステクスのPM0.4nもいいかなと思ったのですが、やはり少々大きいのと
スピーカーにそれぞれアンプを積んでいるので、専用のボリュームコントローラーを使わないと
音量調節がしづらいのが煩わしいところです。

そんな中JBLブランドからCAS-33というスピーカーが出ました。


JBLのアクティブスピーカーというと奇天烈な形状のものが多かったのですが、
これはオーソドックスな箱型です。
コンパクトだし、評判も結構いいようなので、買うならこれかなー、と考えておりました。

別にアクティブスピーカーにこだわっているわけではなく、
普通のパッシブスピーカーでもよいのですが(圧倒的に選択の幅が広がりますし)、
ネックとなるのがアンプ。
まさか通常のフルサイズのプリメインアンプを使うわけにはいかないので、
自ずとコンパクトなD級アンプが中心となってしまいます。
まず思いついたのが、NuForceのICON-AMPです。


デスクトップ用途に特化していますし、モデルチェンジをしてスピーカー端子が通常のスクリュー端子となり、
以前のように専用スピーカーケーブルを使わなくともよくなりました。パワーもアップ。
しかし、スピーカーの使用頻度を考えると少々値段が張ります。
ケンウッドのKAF-A55なら多少安いですが、大した変りがありません。
ムジカのアナログアンプにはかなり興味があるものの、価格がちょっと、ね。

メーカー製のアンプにばかり目がいっていて気がつかなかったのですが、
Tripath製のデジタルアンプICを使った中華製のデジタルアンプというのが売られていて
マニアの間で評判になっているらしいということを知りました。
調べてみると、5000円を切る価格で売られており、
ブラインドテストでは某高級アンプよりも評価が高かったという噂もあったりして。
このぐらいの価格なら、仮に失敗してもあまり惜しくないですね。
これにしてみようかな、と考えていた折、
ステレオという昔からあるオーディオ雑誌の広告を見ていたら、
なんと付録にラックスマンとの共同企画によるオリジナルデジタルアンプがつくらしいということを知りました。
雑誌の価格は2800円。
これには伏線があります。
昨年の夏、ステレオ誌にフォステクス製の6.5cmスピーカーユニットが付録でつきました。
ステレオ誌としては初めての試みだったようですが、これが大当たり。
ステレオ誌の売り上げ記録をたたき出したようです。
味を占めたステレオ誌は今年の夏も付録を付けました。
今年は完成品のスピーカーユニットではなく、8cmのスピーカーユニットキットでした。
完成品ではないものの、何か所かを付属のボンドで接着するだけ(この「だけ」がかなり曲者だったようですが)というものでした。
2匹目のドジョウはこれまた大当たりで、昨年売り上げ記録を上回ったとのこと。
もちろんユニットだけではスピーカーとしては使えませんので、
箱、エンクロージャーを自作することが前提となります。
スピーカーユニットを梱包していた段ボールが動作確認用のエンクロージャーになるという工夫もされていましたが、それはあくまで確認用。
ちゃんとしたエンクロージャーを自分で作らなければいけません。
しかし、スピーカーの自作なんて初めてという人が大部分でしたので、
自分でエンクロージャーの材料を調達するのもなかなか難しかったようです。
それで今年は、付録のユニット用のエンクロージャーキットを、ステレオ誌を出している音楽之友社がムック形式で発売しました。
作り方が詳しく載っている本というか雑誌がついていますが、値段は5000円とまずまずのお値段。
8000円弱でスピーカーがペアで作れますが、いまや2WAYのメーカー製のスピーカーがペア1万円ほどで手に入るご時世。
単にスピーカーが欲しいなら、買った方が効率的かも。
と思ったら、そのムック仕様のエンクロージャーの完成品をスピーカーユニットを作ったフォステクスがこっそりと売り出していたではありませんか!


フォステクスのネットショップでしか買えないようですが、価格はなんと1台1470円。
2台分でも3000円弱ですから、自作にこだわらない人にはとってもお得。
やはり人気のようで、初回分はすでに売り切れで入荷待ちのようです。

さて、スピーカーは出来たがスピーカーだけでは音は鳴らないので、
「アンプも欲しい」という要望が多かったのでしょう。
夏ではなく正月にアンプが雑誌の付録として付くようになった、そんな風に推測しています。

前置きが長くなりましたが、この広告を見て考えました。
いくら雑誌の付録なので安くできるとはいえ、雑誌込みで2800円とは安すぎます。
デジタルアンプICにはSTマイクロ社のTDA7491HVが選ばれましたが、
このデジタルアンプICを使ったアンプのキットが4000円ほどで売られています。
キットですのでもちろん自分で組み立てる必要があります。
部品数は少なくなっているとはいえ、当然はんだ付けは必要です。
もちろんケースはおろかボリューム、端子類は一切ありません。
同じ自作とはいっても、ボンド付けだけのスピーカーユニットキットとは訳が違うわけで、
一体どうなってどうなっているのだろう、まさかはんだ付けが必要なものを
雑誌の付録にするわけはないし、と思っていました。

(長くなったので、次回に続く。)


おでかけ試聴2011

2011-12-14 21:27:56 | オーディオ
年ぶりに東京へ行ってまいりました。
今回はコンサートを見るのが主な目的でしたが、
HD595に続くヘッドフォンの試聴も目的の1つでした。
候補となるヘッドフォンは目星をつけてあります。
HD595とは方向性の違うモニター系のヘッドフォンということで、
目にとまったのがAKGのK702です。


フラットな傾向の音でくせがないという評判。
某アニメの影響で有名になったK701の方はすでに生産終了。
クインシー・ジョーンズモデルは、さすがに高すぎるということで、
リケーブルの楽しみもあり、価格もぐっとこなれているK702の平行輸入品に狙いをつけました。
試聴してみて装着感がよかったらほぼ決まりかなと思っていましたが、
もう一つ気になるモデルが出てきました。
SHUREのSRH940です。


オープン型しか眼中になかったのですが、密閉型ではあるものの
本格的なモニター系の音らしいということで、こちらも候補に挙げることにしました。
価格は、正規品でも並行輸入品のK702と同程度。K702と同様にリケーブルが可能です。

さて、試聴はというと昨年訪れて気兼ねなく試聴できることが分かったヨドバシAkiba。
1年ぶりぐらいに行ってみると、ヘッドフォン売り場がかなり広がっているような気がします。
昨年試聴をした椅子に座って聴ける試聴ブースのほかに、
立って試聴するコーナーも出来ておりました。
そんな中にSHUREのSRH940を発見。
オーディオテクニカのヘッドフォンアップにつながれているようでしたが、
カバーに隠れていて詳細は分からず。音源も不明でした。
噂通り外観はプラスティッキーで安っぽいです。頭の大きさに合わせて調整をし、
音を出してみるとこれがびっくり。
解像度命!みたいな音が出てきました。情報量も多く、「鮮烈」という言葉がぴったりきます。
SRH940の音を聴いていたら、なんだかベルビア50で撮った写真が思い浮かんできました。
ベルビア50ってリバーサルフィルムです。
改めて富士フィルムのサイトでベルビア50のスペックを見てみましたが、
再現:イメージカラー
彩度:超高彩度
階調:硬調
シャープネス:極めて高い
RMS粒状度(数字が小さいほど高画質):9
とあり、ほんとSRH940の音のイメージとピッタリでした。
この傾向の音が好きな方にはたまらないと思います。
この実売価格でこの音が手に入るのですから、かなりリーズナブルかと思います。
しかし、手持ちのBabyfaceもどちらかというとストレート鮮烈系なので、
SRH940との組み合わせだと、とても仕事から帰ってきてまったり音楽を聴くというリスニング用途にはちょっと不向きなのかなと思います。

それから座って聴けるヘッドフォン試聴ブースに行くと、お目当てのAKGは先客がいたので、
そこが空くまで隣のゼンハイザーHD650を聴くことにしました。
この試聴ブースは、マランツのCDプレーヤーが音源で、試聴用のCDがジャンルごとにおいてあります。
たまたまSA-15S2に入っていたのが、藤田恵美のカモミールシリーズでした。
聴いてみると、やはりゼンハイザーの音です。
普段HD595を使っているせいか、安心できる音です。
ただそれほど音場が広い感じはしませんでしたが、十分気持のよい音です。

そうしているうちにAKGのブースが空いたので隣に移動して、お目当てのK702はないので
クインシ-・ジョーンズのシグネチャーモデルQ701を聴いてみました。


しかしヘッドフォンがつながれていたヘッドフォンセレクター(?)のボリュームがガリガリのひどい状態で、
とてもまともに試聴できる状態ではなかったのですが、我慢して試聴。
CDプレーヤーは同じマランツです。
先ほどのSRH940の印象が強烈過ぎて、地味な感じを受けますが、
端正ですっきりとした音です。評判通り低音は少なめ。
試聴用のCDの中にカーペンターズのベストを発見したので、CDをそれに入れ替えて試聴をしました。
聴きなれている曲で比べるとHD595との差がよくわかります。
聴きなれているはずの楽器の音がかなり違って聞こえます。
どちらが本物に近いのかという問いは、あまり意味を持たないと思いますが、
聴きやすいのはHD595のほう、細かいところまで聞こえるのはQ701のほうです。
リバーサルフィルムに例えると、プロビア100ってところでしょうか。
アスティアほどは軟調ではないと思います。ニュートラルな感じ。

試聴したのはQ701ですが、K702もほぼ同傾向という前提で考えると、
SRH940とK702の二択でBabyfaceと組み合わせるなら、やはりK702のほうでしょうか。
SRH940では確実に聴き疲れをしそうです。
ヘッドフォンの装着感もかなり良好。側圧はむしろHD595の方があるくらいです。
ヘッドバンドは頭に載せる位置を工夫すればほとんど気にならないでしょう。
ただ93dbというヘッドフォンとしては超低能率であるため、
ヘッドフォンアンプを使わずに音量がとれるかちょっと心配ではあります。
ちなみにHD595は112db、300ΩというハイインピーダンスのHD650でさえ103db。
インピーダンスは62Ωなのに、なんでK702はこんなに能率が低いのでしょう。
試聴のときもかなりボリュームを右に回さないと音量がとれませんでした。

AKGでもう一つ気になっているのは、K550なのですが、
こちらは試聴ブースにはありませんでした。


密閉式でハウジングが回転したりするところはSRH940を意識したようなつくりで、
価格もほとんど同じです。
写真で見る限りは、仕上げは圧倒的にK550のほうがよさげです。
これも実物が確認できる良かったのですが残念です。

この日のヘッドフォン試聴はこれにて終了。
本当の狙いは、HD650よりももう少し現代的な音になったHD650の後継機なのですが、
HD800が出てしまったので、なかなか出ないようですね。
とかいってHD598のときのように、買ったとたんに後継機が出たらショックです。
まあ、メーカーが違うので持っていて損はないでしょうが、
ヘッドフォンを複数所有するとしても、ゆったりリスニング用とがっちりモニター用の2台あれば個人的には十分です。

さて、K702をどこで買いましょうか?