ふぶきの部屋

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さよなら美弥るりか

2019-06-09 07:00:00 | 宝塚コラム

 とうとう美弥るりかが宝塚を去る日が来るんだなあと思うと悲しくて。

これからの月組はどうなる?(鳳月杏がいるから大丈夫だって?)いやいや、美弥るりかの価値はそういうものではないのですよ。

激動の月組を安定に導いた美弥るりかの功績は大きいと思います。

 

 星組時代

89期。私は新人公演をみないのでその名前と顔の一致がなかな出来なかったのですが、「太王四神記Ⅱ」のスジニは娘役のように可愛らしかった。

小柄で目が大きくて美人で・・・とくれば娘役に対する賛辞だけれど彼女は男役だったのねーーという感じ。

入団した頃は湖月わたるトップ時代で、安蘭けいと柚希礼音ががっちり路線を確保。立樹遥と涼紫央が別格で固めるという形。

安蘭けい時代には柚希が2番手に台頭し、そこを上級生が脇を固める形。

そして柚希がトップになった頃には2番手に凰稀かなめが入って来る。

男役が乱立してて小柄で可愛い美弥にはなかなか役が回ってこなかったではないかと。新人公演主役は「ハプスブルクの宝剣」

そんな美弥に運命が変わるきっかけがあったとしたら紅ゆずるとの出会い、紅5の結成じゃないかと思います。

紅ゆずるの発案で結成された紅5の中で美弥は「流し目ビーム」が武器の紅ブラックという存在で5人の真ん中。BrilliantDreamを見る限りではこの中で美弥だけでなく紅自身もどんどん変わっていった印象。

美弥も得意不得意関係なく様々なことをやらされる過程において、男役として成長していったという感じ。

2010年「リラの壁の囚人たち」で美弥はギュンター・ハイマンというナチスを演じたが軍服がよく似合う、恐ろしく美しい、そして怖い軍人ではっと目を引くものを感じました。

それから2011年「メイちゃんの執事」ではヒロインの幼馴染の剣人を演じたのですが、原作から飛び出してきたのかという程ぴったりで可愛らしい、しかもやんちゃな男の子で主人公を食ってしまう力がありました。

さらにその年「めぐり逢いは再び」のアジス王子は、美弥の美しさを最高に引き出したコスチュームで求婚者たちの中でも群を抜いていたと思います。

このまま、星組で何とか路線に入るのか?と思っていたら2012年「天使のはしご」を最後に月組に組替え。

 

 月組時代

この月組への組替えは美弥ファンなら誰もがちょっと不安になったのではないかと思います。星と月ではムードが違うし、トップが・・・あの龍真咲だったんですから。

いきなりお披露目の「ロミオとジュリエット」を見た時は「ダメだこりゃ」と思ってしまいました。全然馴染んでいないし、そもそもマーキューシオっていうタイプでもない。

今更ですけどこの当時の月組は龍真咲の独裁体制。相手役の愛希れいかを気に入らない、下級生もちょっとびくびくものの頃で、そこで凪七瑠海や沙央くらまらと一緒に美弥がいるというのは、毛色が違い過ぎて馴染めないまま辞めてしまうんじゃないかと思った程です。

でも変化の兆しを感じたのは2013年「ルパン」のヘアフォード伯爵で、元々持っているノーブルさが異彩を放った公演でした。

そんな美弥るりかの名を知らしめた作品は「1789」のアルトワ伯。さすが小池先生!ともいうべきベストキャスティング。美弥るりかのアルトワ伯は誰よりもド派手な格好でサディスティックで俺様で、そのくせ失恋しちゃう可哀想な人でした。

この頃、凪七瑠海と沙央くらまの先行きが暗くなり、珠城りょうが台頭、朝美絢暁千星が次世代としてのし上がってくるなど戦国時代のような様相を呈していました。

舞音」で美弥が演じた役はセリフが一つもない「影」でしたが、無言でも誰よりも美しかった・・・それが彼女を救ったのでしょう。

凪七瑠海と沙央くらまが専科に移動して、実質的に2番手まで来た美弥は遅すぎたけど快進撃を繰り広げます。

2016年「NOBUNAGA」では美しすぎる秀吉を演じ、珠城りょうのプレお披露目「アーサー王伝説」では、妖しくも美しいモーガンで観客の視線をくぎ付けにし、「グランドホテル」のオットーでは、完璧にトップよりも目立つ素晴らしい演技を見せました。

2017年「All for one」のアラミスは美弥るりかだからこそ出来た、どこまでもナルシストな剣士でしたよね。舞台上の娘役達が「きゃーー!」って叫ぶ度に一緒に叫んでいたファンも多かったのでは?

つまり美弥るりかは美しくノーブルでナルシストで妖しいという立ち位置がきちんと出来た瞬間でした。

2018年「カンパニー」の高野はプライドが高いスターのバレエダンサー、「BADDY」では男か女かわからないけどそんなのどうでもいいと思わせる魅力的なスイートハート。

雨に唄えば」のコズモは徹底的に珠城りょうのサポートに回る頭のよさを発揮。

これで「エリザベート」のフランツ・ヨーゼフなら当然だよね・・・と思っていたところに休演。

それが直接の原因とは思わないけど、退団を考えるきっかけにはなったのかもしれないと思います。代役を演じた月城かなとと風間柚乃にとっては大きなチャンスになり、また次世代の台頭ということになりました。

美弥るりかにとって月組での役割はなんだったろうと考える時、まさにトップを支える縁の下の力持ちに他ならないと思いました。舞台では見えないけど裏方での美弥の調整力がどれ程組子たちを元気づけたかわからないし、下級生としてトップにたった珠城りょうにとっては欠かせない支えだったと思います。

役割を終えて今、美弥は自分が主役の世界に飛び立ちます。今度こそ自分の為に、自分自身の為に大きく羽ばたいてほしいと思います。

そしてこれだけ努力したのだから絶対に幸せになって欲しい。

 

コメント (7)
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