東京の郊外は、小雨の降る朝を迎えている。
我家の前方は住宅街であるが、
斜め横のお宅の姫リンゴの花が咲いている。
たわわな白い花を咲いて折、樹高は7メトール前後で、
枝葉を空に向かい、伸ばしているようである。
私はこのお宅の住人とは、自治会が違うので、
余り交流はなく、逢えば挨拶を互いにする程度であった。
ご主人は私より10歳前後ご年配の身で、
娘さんが2人いたが、嫁いで折、
奥様と2人住まいである。
1週間前に私は遊歩道を散策していた時、
ご主人と偶然逢ったのである。
私は挨拶の言葉をかけた時、
ご主人は煙草を取り出して、
『長い間・・ご近所でお世話になりましたが・・』
と私に云った。
私も煙草に火を点(つ)けて、立ち話をしたのである。
ご主人の話に寄れば、
体力も衰えたので、庭の手入れもままならず、
4人住まいだった家の中の掃除も家内は大変なので、
この際、売却して都心の外れの2DKのマンションに引っ越すことにした、
と私に打ち明けられたのである。
私が実家の近い所に一軒屋を構えたのは、
30年近く前の時であり、既にご主人たちの家は、
和洋折衷のお洒落な家があった。
我家とはブロック塀で、最も境界線に近い処に、
姫リンゴの樹木を植えられたのは、
10数年前であった。
私は春の白い花、夏は枝葉を広げ、
秋になると可愛い小粒のリンゴがたわわに成り、
そして晩秋に落葉して、冬は主木と枝の裸樹となり、
私はめぐり季節の情景を享受させてくれたのである。
まもなく斜め前方にあるお宅も引っ越され、
多分、姫リンゴの情景も初夏まで整理される、
と思われる・・。
やがて私も、ご主人と同様に、庭の手入れも出来ない体力の衰え、
家内も程ほど広い室内の掃除も苦となり、
いずれは更に利便性のあるマンションで、
高齢になった時期を過ごすのだろうか、
と深く考え、そして思ったりしたのである。
我家の前方は住宅街であるが、
斜め横のお宅の姫リンゴの花が咲いている。
たわわな白い花を咲いて折、樹高は7メトール前後で、
枝葉を空に向かい、伸ばしているようである。
私はこのお宅の住人とは、自治会が違うので、
余り交流はなく、逢えば挨拶を互いにする程度であった。
ご主人は私より10歳前後ご年配の身で、
娘さんが2人いたが、嫁いで折、
奥様と2人住まいである。
1週間前に私は遊歩道を散策していた時、
ご主人と偶然逢ったのである。
私は挨拶の言葉をかけた時、
ご主人は煙草を取り出して、
『長い間・・ご近所でお世話になりましたが・・』
と私に云った。
私も煙草に火を点(つ)けて、立ち話をしたのである。
ご主人の話に寄れば、
体力も衰えたので、庭の手入れもままならず、
4人住まいだった家の中の掃除も家内は大変なので、
この際、売却して都心の外れの2DKのマンションに引っ越すことにした、
と私に打ち明けられたのである。
私が実家の近い所に一軒屋を構えたのは、
30年近く前の時であり、既にご主人たちの家は、
和洋折衷のお洒落な家があった。
我家とはブロック塀で、最も境界線に近い処に、
姫リンゴの樹木を植えられたのは、
10数年前であった。
私は春の白い花、夏は枝葉を広げ、
秋になると可愛い小粒のリンゴがたわわに成り、
そして晩秋に落葉して、冬は主木と枝の裸樹となり、
私はめぐり季節の情景を享受させてくれたのである。
まもなく斜め前方にあるお宅も引っ越され、
多分、姫リンゴの情景も初夏まで整理される、
と思われる・・。
やがて私も、ご主人と同様に、庭の手入れも出来ない体力の衰え、
家内も程ほど広い室内の掃除も苦となり、
いずれは更に利便性のあるマンションで、
高齢になった時期を過ごすのだろうか、
と深く考え、そして思ったりしたのである。