夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

年金青年の私が、今読んでみたい本は・・。

2009-09-17 23:15:07 | 定年後の思い
私は東京郊外の調布市に住む年金生活5年生の64歳の身であるが、
読書が何よりの趣味であり、日頃の大半は何かと本を読んでいる。

遅ればせながら高校生になると、突然に読書に目覚めて、
小説、随筆、ノンフェクション、歴史書、そして月刊雑誌などを読んだりしている。

購入する時は、新聞の出版社の広告の掲載を眺めたり、
或いは本屋で偶然に見て購入したりすることが圧倒的に多いのである。

ここ数日、ぜひとも読んでみたいと思っている新書本の二冊がある。

今月の10日に発売された総合月刊誌の『文藝春秋』10月号を読み終える頃、
文藝春秋の新刊の案内のページに於いて、『文春新書』のコーナーがあり、
この中で特に魅せられた二冊の本があった。


ひとつは梯 久美子・著の『昭和の遺書 ~55人の魂の記録~』である。
そして、《遺書でたどる昭和史》と明記されている。

http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166607136


もうひとつの本は、徳岡孝夫・著の『完本 紳士と淑女 ~1980─2009~』で、
《雑誌「諸君!」の巻頭を飾ってきた辛口名物コラムの筆者が遂に正体を明かした。
まさに文章の真髄がここにある。》
と記載されている。

http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166607167


この二冊の著作者に関しては、つたない私の読書歴の中で感銘を受けた人で、
今回の内容は魅了させられそうなので、読んで見たいと思ったのである。

尚、この二冊は文春新書の9月新刊なので、9月17日発売と明示されているので、
本日は雑用が不意にあったので、無念ながら一日遅れとなるが、
私は明日に駅前の本屋に出かけて買い求める予定をしている。




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改めて幼年期、心に秘めた歌は『水色のワルツ』と『芸者ワルツ』・・。 

2009-09-17 09:04:06 | 音 楽
私は東京郊外の調布市に住む年金生活5年生の64歳の身であるが、
今朝、歯を磨き、顔を洗い終えた後、何気なしに鼻歌を唄っていた・・。


♪君に逢ううれしさの 胸に深く
 水色のハンカチを ひそめる習慣(ならわし)が

【 『水色のワルツ』 作詞・藤浦 洸、作曲・高木東六、唄・二葉あき子 】


このような歌を唄いながら、居間に戻り、初秋の朝のやわらかな陽射しを見つめていたら、
亡くなった母のことを想い出した・・。


10年少し前に亡くなったのであるが、私の幼年期の昭和27年の小学2年なる秋の頃、
母は家の裏にある井戸のポンプを手でこぎながら、バケツに満たそうとしていた。
風呂桶に入れるために、つるべ落としのたそがれ時だった。


♪あなたのリードで 島田もゆれる
 チーク・ダンスの なやましさ
 みだれる裾も はずかしうれし
 芸者ワルツは 思い出ワルツ

【 『芸者ワルツ』 作詞・西條 八十、作曲・古賀政男、唄・神楽坂はん子 】


母が小声で唄っていた。

私は長兄、次兄に続いて生まれた三男であり、
農家の跡取りは万全となり、今度は女の子と祖父、父などは期待していたらしく、
この頃の私は何かしら期待されていないように幼年心で感じて折、
可愛げのない屈折した子供であった。

母の唄っている歌を聴きながら、華やかさの中に悲しみも感じていたが、
♪みだれる裾も はずかしうれし、
聴いたりすると子供心に色っぽい感じをしたりしていた。


母の実家は、明治の中頃、国内有数のある企業の創設に関わった都心に住む富豪であるが、
跡継ぎの肝要のこの家の長兄が結婚前に遊び果てていた時、
ある人気のではじめた芸者との交遊との結果、母が生まれた。

この頃の風潮として当然ながらある程度の富豪の家としては、
家柄の名誉に関わる問題となったので、母は里子に出された。

親戚の家をワンクッションして戸籍の経路を薄れさせた後、
私の実家に貰われてきたのは、一歳前で大正10年であった。

私の祖父は、農家を程々手広くしていて、使用人、小作人を使って折、
男4人、女も4人の子を設けていた。


母は祖父の子供と一緒に幼年期、少女期を過ごした。

母の実家からは、いくばくかの金銭、品物が絶えず送られてきて折、
祖父としても母を粗末には出来なかったが、
母の級友の何人かは上級の中等高校に行ったのに、母は家の何かと便利のように手伝いとして使われた。

今の歳で云うと、13歳であり、祖父は村役場の要職を兼ねていたので、
書生のようなことも手伝い、田畑も駆りだされていた。


後年、私が高校生になった時、感じたのであるが生前の母の筆跡は綺麗な部類に入っている。

この時、母の級友であったひとりが都会議員となった折、
『あの方・・あたしの小学校の同級生なの・・
家柄も良かったけど・・大学まで行けたのだから、幸せな方・・』
と母は私に言った。

私は母が上級の学校、少なくとも中等高校、希望が叶えられたら大学の勉学をしたかった、
と私は母の思いが初めて解かった。

母の尋常小学校の卒業しかない学歴を私達子供の前で、
ため息をついたのを私は忘れない・・。


母は祖父の子供達に負い目とひけ目の中で過ごされたと思うが、
祖父からしてみれば、母の実家から多くの金銭の贈り物で田畑、金融資産を増やしたことも事実である。

こうした環境の中で、祖父の子供の跡取りの長兄と母が17歳になった時、結婚した。
母は義理の弟、妹と共に家の屋根の下で生活を共にするのだから、
何かと大変だった、と私は後年になると思ったりした。

後年、母は看病の末、亡くなった父の弟、父の妹の婚姻などで、冠婚葬祭は色々あって、
親族、親戚の交際は、何かと気配りが・・と私に語ったことがある。


昭和28年になると、前の年から肝臓を悪化させ、寝たり起きたりした父は、
42歳の若さで亡くなった。

祖父も跡継ぎの父が亡くなり、落胆の度合いも進み、
二ヵ月後に亡くなった。

どの農家も同じと思われるが、一家の大黒柱が農作物のノウハウを把握しているので、
母と父の妹の二十歳前後の未婚のふたり、そして長兄は小学6年で一番下の妹6歳の5人兄妹が残されたので、
家は急速に没落なり、生活は困窮となった。


このような時、春のお彼岸の近い日に、母の実家の方が心配をされて家に来た・・。

母からしてみれば、実の父の正規な奥方になった人であり、
家柄も気品を秘めた人柄であったが、思いやりのある人であった。
この方が実の父の妹を同行してきた。

このうら若き方は映画スターのようなツーピース姿でハイヒール、帽子と容姿で、
私は小学3年の身であったが、まぶしかった。
そして、あれが東京のお嬢さんかよ、と子供心でも直感した。

この人は、幼稚園の頃から、人力車、その後は自動車でお手伝いさんが同行し、
送り迎えをされてきたと聞いたいたからである。

私は子供心に困窮した家庭を身に染み付いていたので、
何かしら差し上げるものとして、母に懇願して、
日本水仙を10本前後を取ってきて、母に手渡した。

『何も差し上げられなく・・御免なさい・・』
と母は義理にあたる妹に言った。
『お義姉(ねえ)さん・・悪いわ・・』
とこの人は言った。

そして『この子・・センスが良いわ・・素敵よ・・ありがとう』
と私に言った。

私は汚れきった格好であったので、恥ずかしさが先にたち、
地面を見つめていた。

私にとっては、このお方を想いだすたびに、
『水色のワルツ』の都会風のうら若き女性の心情を思い浮かべる。

母は結婚後の労苦の時、鼻歌を唄いながらその時を過ごされたのだろう、
と思ったりした。

『水色のワルツ』も母にとって、よく唄った歌のひとつであるが、


♪みだれる裾も はずかしうれし

【 『芸者ワルツ』 作詞・西條 八十、作曲・古賀政男、唄・神楽坂はん子 】


私にとっては色っぽさもさることながら、少し物悲しく聴こえたのも確かである。

この歌のふたつは、私にとっては血は水より濃い、と古人より云われているが、
切り離せない心に秘めたひとつの歌となっている。


私は亡くなった母をときおり想いだす時、
何故かしら『水色のワルツ』が心の片隅に蘇(よみが)り、心の中で唄ったりしている。

♪月影の細路(ほそみち)を 歩きながら
 水色のハンカチに 包んだ囁(ささや)きが
 いつのまにか 夜露(つゆ)にぬれて
 心の窓をとじて 忍び泣くのよ

【 『水色のワルツ』 作詞・藤浦 洸、作曲・高木東六、唄・二葉あき子 】


私は心の中で唄いながら、年齢を重ねた64歳の身でありながら、
いつも胸が熱くなったりている・・。



http://www.youtube.com/watch?v=SbnQK7XPclo
【 『水色のワルツ』 作詞・藤浦 洸、作曲・高木東六、唄・二葉あき子 】


http://www.youtube.com/watch?v=zODbc1zfnHA
【 『芸者ワルツ』 作詞・西條 八十、作曲・古賀政男、唄・神楽坂はん子 】


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