若冲画「石峰寺図」
若冲自身が描いた唯一の「石峰寺図」がある。ほかにも同寺石像群の若冲作品はあったであろうが、失われてしまっている。狩野博幸氏はこの絵の制作年を、寛政元年(一七八九)、すなわち大火の翌年であろうと推定しておられる。このころには、若冲は石峰寺門前に居を構えていたのだろう。
画をみると、立派な門が完成しているが扁額は白いままである。門の型、獣形仁王、「遊戯神通」の字は無いが真っ白の額など、いずれも興味深い。関心ある方は、画集でご覧ください。原画は京都国立博物館所蔵。
ところで最近、あらたな若冲画・石峰寺図が見つかった。カラーコピーをあるかたから見せていただいたが、驚いてしまった。門の扁額には「遊戯」と記されている。秋には一般公開されるそうだ。公表されたらお知らせしましょう。いまの時点では、マル秘情報です。
<2009年7月12日 南浦邦仁>