ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

謎の万歳(ばんざい)

2009-07-26 | Weblog
 TVでみましたが、つい先日の国会解散の瞬間、たくさんの議員たちが「万歳、万歳、万歳!」と、両手をあげて三唱していました。全員がクビになり、自民党不利な選挙戦に向かうこのときに、なぜ「万歳!」なのか? 謎の解散現象ともいわれています。
 万歳(ばんざい)の歴史を簡単ですが、調べてみました。事辞典に頼ることが多かったので、知ったかぶりをするのは恥ずかしいのですが…。

 まず言葉のルーツは、古代中国です。萬歳は一万年の意味。長久、とこしえです。それが、慶賀、歓呼の言葉になったといいます。
 古くは紀元前の周、そして戦国時代に記載されています。そして『韓非子』『史記』『漢書』などには「万歳千秋」とも記される。万歳は万年ですが、千秋は千年。鶴千年、亀万年。不老長寿の神仙思想も気になります。
 慶賀・歓呼の表現として「万歳」は一般に使われていたのですが、皇帝に向けて用いられた最初は、秦の始皇帝とのこと。
 また漢の武帝が崇山(すうざん)に登ったとき、「万歳を呼すこと三度」臣下は声を聞いた。この万歳の声は山神が皇帝にとなえたのだといっています。皇帝に拝謁、慶賀するときの万歳三唱(三称・山呼)は、漢の武帝の故事よりはじまるそうです。
 一説によると、武帝の故事は紀元前110年のこと、国家鎮護を崇山で祈ったとき、臣下たちが万歳の喚声をそろって一度だけあげた。それが山々に三度こだました。「万歳、万歳、万々歳」と聞こえたという。
 もともと一般に用いられていた「万歳」が、皇帝のみの専称となるのは、だいぶ時代が下って、宋代からとのこと。しかしその後、清朝では万歳の制はあったが、三呼・三称は失せたそうです。

 以上はほとんど平凡社刊『世界大百科事典』からの盗用抜粋のようなもの。穴があれば入りたい心境です。次回はもうすこし詳しく調べ、日本史や民俗学からみた日本の万歳、魂振り、万歳(まんざい)。そして天皇と万歳、国会と万歳などを書いてみたい思っています。あまり大風呂敷をひろげると、それこそお手上げのバンザイになってしまいそうですが…。
<2009年7月26日>
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