ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

空の産業革命・ドローン(2)

2015-06-13 | Weblog
○ドローンは殺人兵器

 ドローンは本来、アメリカが多用する軍事用の大型無人機の呼称である。セスナ機ほどのサイズの長い翼を持つ飛行体がアメリカ本土の基地で遠隔操作され、イランやシリア、イエメンやパキスタン、コソボ、アフガニスタンなどでミサイル攻撃を繰り返してきた。パイロットのいない無人の殺人航空機である。
 米CIAによれば、前のブッシュ大統領の時代にイエメンとパキスタンで50回、オバマ大統領の1期目だけで400回以上の無人機による攻撃を行った。その結果3300人ものアルカイダやタリバンなどのテロリストを殺害した。
 国連人権理事会に2013年に提出された無人機ドローンによる攻撃の調査報告書によれば、パキスタンでは04年以降、330回の攻撃で少なくとも2200人が死亡。そのうち少なくとも400人の文民が殺害された。
 なおパキスタン外務省は、ドローンによる無実なパキスタン国民の推計死者数は約1500人であると抗議している。

 アメリカ以外でも軍事用ドローンを活用している国はいくつもある。たとえばイスラエルはレバノンとパレスチナで毎日のように飛ばしている。パレスチナのガザでは近年、たくさんの民間人がイスラエルのドローンによって殺害された。
 そんな訳で、わたしは民生用や産業用の無人飛行機をドローンと呼ぶことには抵抗がある。ドローンは軍が多用する偵察と攻撃用の殺人兵器である。
 なお民生用の小型無人機はほとんどが3基以上のプロペラを備えている。最も多いのは4基ローター(回転翼)だが、それらをマルチローター・コプターと呼ぶべきであろう。短縮して「マルチコプター」、あるいは小型無人機、民生用UAV(Unmanned Aerial Vehicle)などとわたしは原則として記す。
 民生用無人機の事故や事件をみた通り、亡くなったひとは幸いひとりもいない。ところが軍用ドローンで殺害されたひとは数千人にのぼる。
<2015年6月13日>

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