「分かりました…。今日も一日、頑張ろう~~!」
渋々、了解した到真(とうま)は、声を出して、両手の手首をブラブラと振り始めた。全員、がそれに従うようにブラブラと振る。水平のままだから、この場面を部外者が見れば、なんとも異様な光景なのだが、教室内の生徒達の顔は真剣だった。城水も幾らか遅れて手首を振った。
「はいっ! やめぇ~~!」
到真がふたたび掛け声をかけて手首を振るのを止めた。すると、全員が続き、ピタリと手首の振られる光景が消えた。到真は両腕を下ろした。
「終わりっ!」
そう言い終わると到真は着席し、全員が座った。城水は合わせるだけだった。
「あれっ? 先生…ここで出欠点呼でしょ?」
[ああ、そうだ…そうだったな。先生、今日は疲れてるんだ。ははは…]
城水は笑って暈(ぼか)した。男子も女子も教壇に立つ城水の顔をシラァ~とした顔で見つめた。城水は、こりゃ、拙(まず)いと思い、急いで首席簿を開けると点呼を始めた。
城水は、飛び来る弾(たま)を避(さ)けるような努力? でなんとか一日を凌(しの)いだ。帰りの駅に着いたときはすっかり疲れ、うたた寝で危うく乗り過ごすほどの睡魔に城水は襲われていた。城水は、飛び来る弾(たま)を避(さ)けるような努力? でなんとかその日を凌(しの)いだ。帰りの駅に着いたとき、うたた寝で危うく乗り過ごすほどの睡魔に城水は襲われていた。ふらつく足で駅を出た城水は、いつものように徒歩で展開していたのである。そこには、また有り得ない光景が城水の前に展開していたのである。駐車場に置かれた自分の車の前には、もう一人の自分が待っていた。クローン[1]だった。