水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

めげないユーモア短編集 (16)結果

2022年10月18日 00時00分00秒 | #小説

 オリンピックが近づいている。どのスポーツ選手だって、今以上の結果を望んでいることだろう。昨日、テレビ中継された日本陸上の三段跳びだが、ホップ→ステップ→ジャンプし、13m44で優勝した方にしても、自己最高記録が13m52なら、喜びも今一つだったに違いない。これが13m55跳んでの優勝なら、喜びも一入(ひとしお)だっただろう…と、勝手に解釈した次第だ。^^ 選手の方々は、過酷な練習にも耐え、日夜、めげずに結果を出そうと頑張っておられる訳だ。そういうことで、でもないが、皆さん、ここでオリンピックの上位入賞を目指す選手の方々に熱い拍手をっ!!^^
 とある剣道場である。師範と弟子が稽古を終え、汗を拭きながら話をしている。
「君は、なかなか結果が出ないねぇ~」
「はあ…」
「負けても負けても、めげないで練習している君の姿勢は、高く評価しとるんだよっ!」
「はいっ! 師範、有難うございますっ!」
「ああ、評価はしとるんだよっ! めけない評価は、ねっ! めげない評価はしとるんだが、結果の評価は、ね…」
 師範は、暗に君は勝てないな…と言いたげに弟子を垣間見た。弟子も、自分の実力が分かっているようで、敢えてそれ以上は話そうとはしなかった。
 めげないことで結果が出せるか? と問えば、必ずしもそうではないことが分かる。それでも、めげない人は結果を気にせず、めげることなく続けるのだろう。^^

                   完


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