めげないで無理をするというのも、いかがなものか? と思える年に恥ずかしながらなってしまった。^^ 若い頃は、かなり無理をしたが、それでも若さに後押しされ、なんとかやり終えられたものだ。古い話で恐縮だが、第二次大戦の終戦を知らず、ジャングル奥地に潜(ひそ)んで生活された小野田元陸軍少尉は、何十年もジャングルの過酷な環境にめげず、救出された方である。小野田氏の場合は、無理してもめげない強靭(きょうじん)な精神力があったから可能だったのだろう。私なんか、小一時間で音(ね)を上げるに違いない。^^
とある、どこにでもありそうな家庭である。
「お父さん、大丈夫ですかぁ~? 無理されず、修理に出した方が…」
とまでは言っては見たものの、こう! と思ったらやり遂げずにはいられない夫の性格を知る妻は、それ以上は深追いせず、台所へと撤収した。夫は、俺はめげんぞっ! という強い決意で傷んだ製品と格闘していた。格闘するのは勝手だが、無理なものは無理で、妻が言ったとおり、修理に出した方がいいように思われた。そして格闘から数時間が経過したとき、傷んだ製品は見るも無残な姿に変貌(へんぼう)を遂げていた。こうなっては修理は無理で、ただの粗大ゴミと化したその製品の寿命は尽きたのである。
めげないのは立派だが、続けて成功させる自信がなければ、めげた方がいいのかも知れない。^^
完