めげないで頑張ろうとする意気込みは大事だが、人生のような長丁場(ながちょうば)では、時と場合により、めげた方がいい場合だって起こる。超有名作家さんの雨ニモマケズ…は、今の加速度された世知辛い時代では考えもの・・ということになる。^^
とある官庁の財務課である。
「君ねっ! 予算要求書はまだ出来とらんのかっ!」
「はあ、すみません…。コロナの関係で原案が転びまして…」
「馬鹿なダジャレを言っとらんで、要求書、早急に頼むよっ! ヒアリングが迫っとるんだっ!!」
課長に叱責(しっせき)された課長補佐は、すっかり落ち込み、疲れもあってか気分は、かなりめげていた。加えて、『何が馬鹿だっ! 馬鹿はお前だろっ! こっちは徹夜でやってんだっ! そんなに受けよくして出世したけりゃ、自分でやれっ!!』と思える怒りが、沸々と沸いてくる。だが自分のデスクへ戻り、湯呑の冷えたお茶をひと口、啜(すす)ると、妙なもので、『まだ、この先、長丁場で何十年も勤めるんだった…』と、めげない心がめげる心を押し戻し、相手ゴールにミドル・シュートを、めげずに蹴(け)り込むのだった。
こうして財務課のこの課長補佐の耐えてめげない勤務の日々は続いていくのでした。^^
完