10/25の投稿で、大阪維新の会の三橋弘幸府議と上野あつし市議に「大阪・関西万博における生物多様性配慮」を政治課題として取り上げて欲しいと説明に行く事について記載していました。
衆議院選挙が本日で終わるため、近々に説明に上がりますので、主旨についてまとめておきます。
夢洲は南港野鳥園とともに、生物多様性ホットスポットに指定されている場所です。
南港野鳥園も、過去には埋め立てが進む中、野鳥保護のために市民運動の盛り上りによって保護された場所です。夢洲でも、同じように埋め立て中に、形成された環境に生きものが再生し、また利用される場所になっているため、生物多様性ホットスポットとして指定されたものです。
この夢洲は、廃棄物の埋立て地ですが、本来はもっとゆっくりと廃棄物が埋め立てられる予定で、緑地重点地区にも指定されていました。しかし、万博やIRが決まって、廃棄物の埋立てではなく、土地造成の埋立てに変わり、この豊かな自然環境が壊され様としています。(既に壊された場所もあります。)
大阪自然環境保全協会(保全協会)は、この様な背景のもとに、2019年から夢洲の生きもの調査を行ってきました。その概要は、次の様にまとめられています。
→ 夢洲生きもの調査アルバム http://www.nature.or.jp/action/yumeshimamirai/photobook/
→ 動画「夢洲ー生きもの調査の記録からー」You Tube (約20分)https://www.youtube.com/watch?v=83sVGWqawmg
→ 自然の風景と生きものの写真「夢洲の12か月」http://nature.or.jp/action/yumeshimamirai/photobook/landscape.html
夢洲には、淡水池、塩水湿地をはじめ、様々な環境が形成され、カモ類やシギ・チドリ類が全国でも有数規模で飛来し、繁殖地にもなっています。猛禽類もたんくさん見られます。
また、これを支える植生(ヨシ原、干潟、海岸植物等)が豊かに再生されており、希少種も含まれています。こうした環境は、全国でも希少な場所と言えます。
現在、大阪・関西万博では博覧会協会が環境影響評価(アセス)・準備書(最終的な評価書の前段階)を作成して、公開縦覧(11/1まで)されており、意見受付け(11/15)が行われています。
この準備書において、妥当な調査、予測、評価が行われていると良いのですが、次の様に多くの問題あります。
→ 博覧会協会アセス準備書の問題点 http://www.nature.or.jp/assets/files/ACTION/yumeshima/20211028natuharaPP.pdf
・事業計画が具体的でなく、影響を受ける生きものの生息や生育の可能性が示されていません。
・調査方法では、現地調査方法が妥当ではなく、資料調査でも抜けている生き物があります。
・影響評価すべき重要種の選定でも、追加が必要です。確認場所や採餌、休息、繁殖場所の記述もありません。
・保全や創造のための措置では、海岸性植物、草地、裸地、湿地の保護が示されてなく、これらを利用する動物に配慮されているとは言えません。
・万博の後に続くIR事業との複合的影響が示されていません。コアジサシ(2021には夢洲で繁殖がみられている)の継続した繁殖可能な場所の確保が必要です。
・事後調査(評価書がまとまって以降の調査)は、工事着手前、工事期間中、開催期間中となっていますが、会場計画が固まっていない部分があるので、計画と連動した見直しが必要です。
等々。
大阪・関西万博の誘致に際しては、夢洲の生きものの現状について、全く配慮されていなかったと考えられます。
保全協会が、夢洲の現状や問題点について、これまで資料や意見を提出したに困惑している様にも見受けられます。
万博アセスは、会場設営と運営だけが対象であり、現状で進められている埋め立ては、過去の廃棄物埋め立てのアセスで完了しているとされて、生物多様性ホットスポットが埋め立てが進められている現状があります。
しかし、万博が決まってから、廃棄物の埋立てから、土地造成の埋め立てに目的が変わっている事が明らかなことから、現行の埋立ても含めて万博アセスの対象とすべきと考えます。
説明の主旨は、ここまでです。皆さんは、どう考えられますか。
博覧会協会のアセス準備書への意見受付けは、次の通りです。
↓↓↓
https://www.expo2025.or.jp/news/news-20211001-01/
今日は、ハロウィンなので、地元の鳳商店街に登場しているモンスターたちを載せておきます。
狼男、魔女、フランケン、ミイラ男かな。去年までは、見られなかった様に思います。