『視点を変える③』
(仕事上の失敗に耐える力も「人生の実力」である)ーー人生の早いうちに失敗すると、挫折への“免疫”がつく
極端な例かもしれませんが、ホームレスと言われるような人たちは、カラスと競争しながら、捨てられたものを食べたり、野外で寝たりして、意外にたくましく生きています。
その一方で、大企業の社長や部長などでは、自分の会社が潰れそうになると、自殺する人が出たりします。ホームレスと言われる人たちと比べれば、天国と地獄ほども立場が違うはずなのに、良い立場にある人のほうが、かえって死を選んでしまうのです。
また、東京大学法学部を優秀な成績で卒業し、財務省(旧大蔵省)に入っても、出世競争に敗れて人生に悲観し、自殺してしまう人もいます。
「どちらが人生の勝者で、どちらが敗者か」ということを考えたとき、途中までは「優秀だ」とほめられても、やがてポンと飛び降りて死ぬような人生を選びたくはないでしょう。そういう人生は情けないと言わざるをえません。
自殺にまで至らない場合でも、やはり、仕事上の失敗はあります。そして、それに耐える力というものが、それぞれの人にあるのです。「失敗や困難に、どれぐらい耐えられるか」ということも、やはり、人生の実力なのです。
いつも、周りの人から、「蝶よ、花よ」という感じでほめられたり尊敬されたりしなければいけないと思っている人には、簡単に挫折がやってきます。
しかし、一方で、ヒラメやカレイのように、体の色を変え、砂の色に自分を似せながら、海の底を這うような人生を、苦労して送ってきた人たちは、別な意味での広い目で世間を見て、世間の標準値をよく知っていることがあります。そういう人のほうが、だんだんたくましくなって、困難に負けずに生きていく場合もあるのです。
認められない時代、不遇の時代、失意の時代を、わりと人生の早いうちに経験した人のほうが、“免疫力”がつき、強くなっていくわけです。
そういう点から考えると、「学生は受験などで大変だな」とは思いつつも、「思い切って挑戦して、落ちてもいいよ」と言ってあげたくなるところもあります。
早めに失敗しておくと、免疫がついてきます。「世の中は、それほど甘くない」ということが分かれば良いのです。これは、本当に良いことです。「世の中は、自分の都合では動かないのだ」ということを知ることで、考え方が引き締まっていくのです。
そして、将来、自分の思うようにならないことがあっても、「まだまだ道はある」と考えられる根性がついてくるようなところがあります。
「幸せになるためには、この条件を満たさなければならない」と思うような人が多いのですが、こうした考え方には問題があると思います。
---owari---
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