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2019年に起こること

2019年01月07日 | 政治・経済

年始に政治経済のお話をしませんでしたが、今年の世界情勢の動向について、やはり気になりますので、今日は国際関係アナリスト・北野幸伯さんのメルマガからお伝えします。

 

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全世界のRPE者の皆さま、こんにちは! 北野です。

2019年は、どんな年になるのでしょうか?

そんなことは、わかりません。

しかし、「大きな流れ」はある程度わかります。

 

▼米中関係を軸にまわる世界

これまでの流れを振り返ってみましょう。 

08年、リーマンショックから世界的危機が起こり、アメリカ一極世界が崩壊

09年、米中二極時代スタート、しかしその関係は、「昇る中国、沈むアメリカ」

10年、尖閣中国漁船衝突事件。アメリカ弱体化で、中国が本性を現す

11年、東日本大震災

12年、尖閣国有化

 中国が、ロシア、韓国に「反日統一共同戦線戦略」を提案

 (●全国民必読、完全証拠はこちら。↓

  http://rpejournal.com/rosianokoe.pdf  )

 

13年、中国、日本孤立化に成功。総理の靖国参拝をきっかけに、世界的日本バッシングが起こる

14年、クリミア併合でロシアが孤立。これで、安倍政権は、救われた

15年、AIIB件。アメリカの同盟国群が、ことごとく裏切り、中国主導AIIB参加

16年、反中のトランプが大統領選で勝利

17年、トランプ就任するも、北朝鮮問題で反中にはなれず

18年、米中覇権戦争勃発

 

こんな感じになります。

流れをみると、08年以降、米中二極時代がはじまった。

その関係は、「昇る中国、沈むアメリカ」。

 

実際、世界は08年以降、「米中を軸に」まわっていたのです。

しかし、オバマは1期目、「100年に1度の大不況」を克服するのに忙しかった。

2期目は余裕がでてきた。ですが、「敵視する相手」は、

2013年、「右翼」安倍政権や、シリアアサド政権

2014年、クリミアを併合したプーチン・ロシアやIS中国以外の国にむいていた。

 

2015年、AIIB件で、オバマはついに目覚めます。

ようやく、「アメリカの真の大敵は中国だ!」と悟った。

そして、この年、オバマは反撃に出た。

 

中国はみるみる追いつめられ、15年、16年、この国の経済は、ひどく悪かったのです。

(高橋洋一先生は、15年は-3%程度だったとおっしゃっています。)

 

2016年、反中のトランプが大統領になった。

それで、「ついに米中覇権戦争がはじまるか!?」と思われた。

しかし彼が大統領に就任した2017年、「米中覇権戦争」は起こりませんでした。

 

理由は、北朝鮮が大暴れした年だったからです。

2018年、ついに米中戦争がはじまりました。

ただの貿易戦争ではなく、覇権をかけた戦いです。

 

▼米中覇権戦争の形態

というわけで、

2019年に何が起こるか?」というのは、「米中覇権戦争で何が起こるか?」と同じ意味である。

 

で、何が起こるの?

「米中覇権戦争」とはいいますが、両国とも、相手を壊滅させるだけの核兵器を保有している。

それで「戦闘」にはなりにくい。

 

結局、

・相手国を「悪魔化」させるための「情報戦」

・相手国を「孤立化」させるための「外交戦」

・相手国経済を破滅させるための「経済戦」

がビシバシと行われることになるでしょう。

 

情報戦では、アメリカが圧倒的に有利です。

なんといっても中国は、人権完全無視の一党独裁国家。

チベットの民を大虐殺し、今もウイグル人100万人を強制収容している。

アメリカは、「事実を大さわぎする」だけで、中国を「悪魔化」できます。

 

外交戦。

これは、実に悩ましい。

トランプさんは、かなり外交が下手です。

それで、本来アメリカの「強い味方」であるはずの欧州が「反トランプ」で、中国、ロシアに接近するという情けない結果になっている。

 

経済戦争。

これは、もうはじまっていますね。

 

▼日本の受ける恩恵と損失

米中覇権戦争時代、日本はどうなのでしょうか?

「よいニュース」と「悪いニュース」があります。

よいニュースは、「安全保障面」。

 

中国は、

・ロシア、韓国に「反日統一共同戦線をつくろう!」と提案した

・中国は、「日本には、尖閣だけでなく、【沖縄】の領有権もない!!!」と宣言している

・中国は、【アメリカ】も「反日統一共同戦線に入れるべき!」と主張している

そして、実際日本を破滅させるためのアクションをつづけてきた。

 

ここでは詳述しませんが、超ディーテールを知りたい方は、こちらをご一読ください。

●中国に勝つ日本の大戦略 北野幸伯

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ところが、「反日で共闘するはず」のアメリカは、今や中国を「最大の敵」と定めた。

これは、「安保面」で見れば、日本にとって「メデタイこと」に違いありません。

 

わかりやすく書きます。

以前=中国は、アメリカと組んで日本をつぶそうとしてきた

今=アメリカは、中国をつぶそうとしている

アメリカは、「日本に沖縄の領有権はない!」と宣言している超反日国家中国を征伐しようとしている。

 

どう考えても、日本の国益です。

しかし、「大きな副作用」も覚悟しなければなりません。

米中覇権戦争の主戦場は、「経済戦争」である。

 

アメリカは、中国経済を破壊しようとしている。

実際に、中国経済が破壊されれば、当然日本経済も打撃を受けます。

こんなご時世、日本では、消費税率が8%から10%に引き上げられようとしている。

 

是非やめていただきたい。

米中覇権戦争の副作用で、景気については悲観的にならざるを得ません。

 

皆さん、去年から何度も警告していますが、今年も用心を怠らず、危機に備えましょう。

 

▼日本のリスク

さて、中国は12年、「日本を破滅させる」と決意し、熱心に取り組んできた。

ところが、今はアメリカが「中国を叩きつぶす!」と決意している。

中国は、あらゆる手段を使って、「アメリカ懐柔」を試みることでしょう。

 

一方で、アメリカ以外の国々にも接近し、「アメリカ孤立化」をはかるに違いありません。

実際、強気すぎるトランプのおかげで、中ロ、中欧関係は良好なのです。

 

そして、中国のターゲットになるのが、「平和ボケ」「お人好し」「善良すぎる」日本です。

日本には、「主体的な意志」が欠如している。

相手が「嫌いだ!」というと、「まあまあ、仲良くしましょう!」となだめる。

相手が「好きだ!」といえば、「私も好きです!」と応じる。

 

アメリカに追いつめられた中国が、ちゃっかり日本に接近してきた。

日本の政治家は、「背景」「裏で起こっていること」を知らないので、大歓迎してしまう。

別に、中国との関係をわざわざ悪化させる必要はありませんが、

常に、「同盟国アメリカの方が中国より大事」ということを、

「アメリカ側にわかるように」しておく必要がある。

 

日本はかつて、愚かにもナチスドイツを同盟国に選び、破滅しました。

今回も、「米中戦争勃発と同時に中国に接近する」という、非常に愚かな動きをしています。

日本の政治家は、なにも考えず、ただ「中国が関係改善を望んできたから」と思っていることでしょう。

 

しかし、アメリカから見たら、「バリバリ狡猾な動き」にみえることを理解しておく必要があります。

 

安倍総理、2次大戦時の教訓を活かし、同じ過ちを繰り返さないよう、お願いします。

 

---owari---

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