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日本の極めて高度な戦略文化 

2019年01月08日 | 日本

今日も国際関係アナリスト・北野幸伯さんのメルマガからお伝えします。

 

――――――――――――

全世界のRPE者の皆さま、こんにちは! 北野です。

 

最近、日本人、特に世界を動かすスーパーエリートRPE読者の皆さん必読の書が出版されました。

 

世界最強の戦略家ルトワックさんの●日本4.0 エドワード・ルトワック

(詳細は→ https://amzn.to/2NZMjTr  )です。

 

翻訳は、日本一の地政学者・戦略家、神が日本につかわした再臨の諸葛孔明、奧山真司先生。

 

さて、この本、とても興味深い話からはじまります。

ルトワックさんは、しばしば、

「日本人は戦略下手だが、どうやったら戦略を効率よく学ぶことができるか?」

と質問されるのだそうです。

 

「日本人は、戦略下手????」

 

そうでしょう。

でなければ、アメリカ、イギリス、ソ連、中国を同時に敵にまわし、勝てない無謀な戦争はしなかったでしょう(1937年に日中戦争がはじまった時、中国は米英ソから支援を受けていた)。

 

ところが、ルトワックさんは、意外な答えをします。

 

▼日本の高度な戦略文化

<私はそうした質問に適切な答えを持ち合わせていない。

 

なぜなら、私は、日本人が戦略下手どころか、極めて高度な戦略文化を持っていると考えているからだ。>

 

ええ~~、そもそも日本に「戦略文化」なんてあるのでしょうか??????????????

 

ルトワックさんはいいます。

<これは、この国の四百年の歴史を眺めてみればわかる。日本人は、つねにひとつの完全な戦略システムを作りあげてきた。

しかも、そのシステムが危機に直面するたびに、新たな包括的なシステムに更新してきたのである。>

 

(同上)

 

わけがわかりません。

ルトワックさんは、例をあげながら解説します。

 

▼日本1.0

<まず十七世紀のはじめ、徳川家康という最高レベルの戦略家があらわれ、江戸幕府という完全なシステムを構築した。

このシステムの凄いところは、内戦というものを完璧に封じこめたことだ。>

 

(同上)

 

いわれてみれば・・・・。

それまで日本は、100年以上つづく戦国時代だった。

徳川家康のおかげで、その後260年つづく平和な時代が到来した。

 

ちなみにルトワックさんは、家康をとても高く評価しています。

 

<もともと家康は「同盟」の論理を知り尽くした天才的な戦略家だった。

その対極にあるのは武田信玄である。

 

彼は完璧な戦術家であり、彼の軍団は戦国最強と謳われたが、天下を治めることはできなかった。

戦略は戦術に勝るのである。>

 

う~む。

私たちも、意識しないと「戦略観」を忘れ「戦術」に偏ってしまうので、要注意ですね。

 

いくら戦術が立派でも、戦略で負けるとどうしようもありません。

 

ルトワックさんは、家康が作った体制を「江戸システム」

「日本1.0」と呼びます。

 

さすが、世界最高の戦略家は、ネーミングもかっこいいですね!

 

▼日本2.0ルトワックさんは、倒幕後のシステムを

「明治システム」「日本2.0」と呼びます。

 

<黒船=西洋近代化という強大な勢力の挑戦を受け、日本人は「江戸システム」を捨て、

まったく新しいシステムを選択した。>

 

そして、今回も日本は、とてもうまくやったのです。

<もちろん近代化という問題に直面したのは日本だけではない。

 

しかし非ヨーロッパの国で、包括的な近代化を達成したのはやはり日本だけだったのだ。

 

まさに!

賢いご先祖さまたちのおかげで、日本は近代化を成し遂げ、植民地にならずにすんだ。

ありがたいことです。

 

▼日本3.0

では、戦後の日本にも戦略はあったのでしょうか?

 

ルトワックさんは、いいます。

1945年、日本はまた新しいシステムを発明した。この「戦後システム」の特徴は、

弱点を全て強みに変えた点にある。

 

たとえばアメリカは日本政府に帝国陸海軍の再建を禁じた。

これは近代国家としての存続を大いに危うくするものだったが、日本政府は

「では、これからは軍にカネをかけるのではなく、経済にカネを回そう」

と、経済を軸とするくにづくりに転進した。>

 

「アメリカが軍をもつことを禁止したから、仕方なくそうした」感じもしますが。

 

ルトワックさんは、「賢い日本人がそうした」と受け取っているのですね。

この「戦後システム= 日本3.0」の結果は、どうだったのでしょうか?

 

<この新システムによって、日本人は貧困の川を渡り、その対岸に位置する

「なんとか生活できる状態」をも越えて、世界でも有数の豊かさに至ったのである。>(同上)

 

この次、ルトワックさん、非常に重要なことをさりげなくいっています。

 

<この転換で重要なのは、日本が敗北を認めたことだった。>(同上)

 

これって、そんなに重要なのでしょうか?

 

ルトワックさんは、例をあげます。

<現代においても、敗北を認められない国々は少なくない。

 

たとえばパレスチナやアラブ諸国は、まだ1967年の第三次中東戦争で失ったヨルダン川西岸

を返してくれと要求している。

 

彼らが行き詰っているのは、実は過去の敗北に囚われ続けているからなのだ。>

 

(同上)

 

この部分、とても重要ですね。日本にも、いまだにいます。

「戦前はよかった。戦前に戻そう!」

という人たちが。

 

私も、戦前が全部悪かったとはいいません。

私の父もいいます。

「俺たちの子供だったころは、『修身』という授業があって,『何が善で何が悪なのか』徹底的に教え込まれた。

 

今の子供達は、教えられないから、何が善で、何が悪なのかわからないだろう」と。

しかし、全般的に見ると、私は「戦前回帰」に反対です。

 

それは、「善悪」の話ではなく、「戦前の体制で負けたから」です。

 

「負けた体制」に戻したら、今度は勝てるようになりますか?

そんな話は聞いたことがありません。

 

負けたら、負けた理由を分析し、勝てる体制に変えていくべきでしょう?

これは、「自虐史観」とは、全然関係のない話です。

 

私は、「日本が悪い国だから負けた」とは思いません。

ただ戦前の指導者、特に日ロ戦争後の指導者たちが

「負ける選択を繰り返してきた」から負けたのです。

 

このことは認め、今度は「勝てる選択」をしていかなければなりません。

 

▼日本4.0

このように、ルトワックさんの意見では、日本は、過去400年間、非常にうまく、戦略的に進んできた。

 

しかし、皆さんもご存知のように、

「戦後システム= 日本3.0」はいきづまっています。

 

では、どうすればいいのでしょうか?

 

「日本4.0」は、どうやってつくればいいのでしょうか?

それは、長くなりますので、こちらをご一読ください。

 

 

●日本4.0 エドワード・ルトワック

(詳細は→ https://amzn.to/2NZMjTr  )

全部わかります。

 

繰り返しますが、世界一の戦略家の教えを「800円+税」で学べるなど、ありえません。

迷うことなくゲットしてください。

 

PS

こちらの本には、「アメリカ没落後の戦略」も書かれています。

是非ご一読ください。

●中国に勝つ日本の大戦略 北野幸伯

(詳細は→ http://amzn.to/2iP6bXa  )

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---owari---

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