◎◎ きょうの国内市況(1月6日):株式、債券、為替市場
Bloomberg News
●TOPIX小反発、米上院決選投票で米長期金利上昇-生保や銀行高い
△△ 東京株式相場はTOPIX(東証株価指数)が小反発。米ジョージア州で開票作業が続いている連邦議会上院2議席の決選投票について、民主党が上院過半数を奪還するとの見方が広がり米国長期金利が上昇。これを受けて銀行や保険などの金融、商品市況高から石油・石炭製品や非鉄金属などの業種が買われた。日経平均株価は4日続落した
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¤¤¤⇨ セゾン投信運用部の瀬下哲雄運用部長は、米ジョージア州の上院議員決選投票は共和党が制すればサプライズはないが、民主党が2議席とも獲得すれば、「大規模財政政策が講じられ資金が市場に行き渡り、ドル安の要因になる」と話した。「1ドル=100円まで円高になってもおかしくない流れになっているので、日本株にとってはネガティブ要因になり得る」述べた。
- 東証33業種では鉱業、海運、石油・石炭製品、保険、鉄鋼、パルプ・紙、証券・商品先物などが上昇
- その他製品、電機、化学、精密機器、食料品、サービスは下落
●債券は下落、10年債入札結果弱めで売り圧力-米長期金利先高観も重し
債券相場は下落。この日に実施された10年債入札の結果が弱めと受け止められ、売り圧力が強まった。米ジョージア州上院議員決選投票の結果次第では米長期金利に上昇圧力が掛かる可能性があるとの見方も重しとなった。
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¤¤¤⇨ 岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 朝方は10年債入札を控え償還期間の3カ月延伸マジックで妙に強かったが、結果は市場予想通り無難の範囲内でやや弱め
- 米国の金利上昇懸念などもあり、長期金利ゼロ%が依然として意識されて積極的に上値を買うような環境ではな
- 米ジョージア州上院議員決選投票で民主党勝利の場合、財政拡大と景気回復期待で利回り曲線のスティープ(傾斜)化という流れが警戒されている
10年債入札
- 最低落札価格は100円77銭、市場予想は100円78銭
- 投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.40倍、前回3.42倍
- 小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は3銭、前回2銭
●ドル・円は102円台後半、米上院選結果や国内緊急事態宣言控え
⇨⇨⇨ 東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=102円台後半で推移。米ジョージア州の上院選決選投票結果の見極めと新型コロナウイルス感染拡大による日本政府の緊急事態宣言待ちで、相場は小動きだった。
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¤¤¤⇨ SMBC信託銀行の佐溝将司シニアマーケットアナリスト
- 米上院選決選投票の結果待ちで動きにくいが、為替市場ではリスクオフの動きが徐々に緩んできており、ドルや円が売られやすくなっている
- 仮に米民主党が2議席とも取っても、議事進行の妨害を防ぐのに必要な60議席には全然届かないため、バイデン次期政権は共和党の一部にも配慮した運営をせざるを得ない
- 日本での緊急事態宣言を巡る動きはリスクオフ・株安・円高材料になりやすい半面、数日前から出ている話なので、発令されてもドル・円の追加的な下げは限定的ではないか