こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

図書館は「駅前」が最適なのだろうか?

2018-06-23 17:37:59 | 図書館問題
当初予算で「図書館の駅前への移転を視野に入れ・・・」と言われた。半年前に策定された「公共施設適正配置計画」から、はずれて。


5月末、予算計上されていた整備方針を検討調査するための費用の、ほぼ全額を上限として、整備方針・計画を企画提案する事業者が公募された。

「まる投げ???」と、驚いた。しかも、わずか1週間の公募。そののちスケジュールや費用概算、基本コンセプトまで、図書館だけでなく「読書量日本一をめざす取り組み」まで含む企画提案書まで、週末をはさんで5日間。

一体、どんな企業が、こんな仕事をできるのだろう???「仕様書」を読んで、ますます驚いた。



「駅前への移転を前提として・・・」と募集にあたって公開された「仕様書」にはあった。


「視野に入れ・・・」から「前提として・・・」。その過程で、市民の意見は一度も問われていない。


図書館は教育機関であり、その管理運営は教育委員会の役割だ。


教育委員会での、協議と意志決定はあったのか?

「非公式な意見交換の場」で教育委員の皆さんの意見を聞いたとのこと。

教育委員会としての意志決定は今後「しかるべき時期」に。


質問するにあたって、改めて「図書館法」という法律の全文を読んだ。


戦後、憲法と教育基本法の下で、国民が主人公となる新しい国を築いていくことに情熱を傾けた人々のことを想う。

「知識」を国民共有の財産として広め、伝える。その要として図書館が位置付けられたのだということの重みを感じる。


この法律の目的)
第一条 この法律は、社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)の精神に基き、図書館の設置及び運営に関して必要な事項を定め、その健全な発達を図り、もつて国民の教育と文化の発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「図書館」とは、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設で、地方公共団体、日本赤十字社又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の法人が設置するもの(学校に附属する図書館又は図書室を除く。)をいう。



ところで、質疑のやり取りの中で、「図書館の蔵書を全て、駅前に移転することは想定していない。」という答弁があった。

建設の当初から図書館を組み入れて設計された施設ではなく、商業施設を図書館に転用するために、その重さに耐え得るリフォームが可能なのかどうか?

素人考えながら、どう考えても疑問で質問した。

今の図書館の蔵書が23万冊。そのうち、開架(市民がいつでも閲覧できる状態で置かれている。)図書は約8万冊。

それ以外は、閉架書庫に保管され、求めに応じて閲覧できる。


図書館は「無料の貸本屋」ではない。

資料を収集、保管し、整理し「こういうことが知りたい」と言う利用者の求めに応じて提供する役割がある。


日本図書館協会が全国の図書館の現状分析から提案している「達成すべき基準」に照らせば、現状の23万冊も7割弱の水準だ。その3分の1しか置くことのできない駅前「図書館」が、果たして「利便性が高い」と言えるのだろうか。
コメント (4)
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