高齢のお母さんと、障害のある息子さん。夫さんは、若くして亡くなられ、遺族年金とご自身が永年、保険料を納めづづけた国民年金での暮らしです。
少しでも、暮らしに余裕が生まれるように、制度の活用を一緒に考えます。
こういう相談の最後に、いつからか私はお聞きするようになりました。
「ところで、一番楽しいのは、どんな時ですか?」
尋ねるには、少し勇気がいります。
「何もありません。」という答えが、かえってくるのが怖くて。
でも、ほとんどの方は、それまで辛い話をされていた時とは違う表情で、答えてくださいます。
この週末にお会いした方は、部屋の片隅のキルト刺繡の額を見上げながら、「手仕事が好き」と教えてくださいました。
手元のはさみも、鮮やかな配色の手作りのカバーに包まれていました。
ある方は「編み物をしていると時間を忘れる」
別の方は「植木に水やりをしているときが、ほっとする」
・・・と。
それぞれの、つつましい暮らしに欠けていた「安心」をとりもどすことができますように。