日本共産党泉大津市会議員団の「2020年度の予算と施策に対する重点要望」を、提出しました。
制度や状況が、めまぐるしく変わり、なかなか難しいところもあります。
市政全般を網羅したものではありませんが、議員団で検討して「これだけは」という27項目です。
自分の記録のためにも、ここにも残しておきます。
提出した文書、本文の部分です。
2022年度予算案に対し、市民の皆さんから寄せられる声に基づき、特に緊急・重要と考える項目について、以下、要望いたします。
1.新型コロナ感染抑止と日常生活回復のために、無症状感染者の把握を積極的にすすめること。
①PCR検査センターでの検査費用を無料にして、いつでも誰でも必要な場合には検査を受けられるようにし、無症状感染者の把握を行っていくこと。
②コロナ感染のクラスター発生予防として有効な高齢者施設等従事者への定期検査を、大阪府は休止しているが、実施するよう大阪府に求めるとともに、定期検査を実施できるよう市として手立てを取ること。
2.加入者の負担能力を超えた国民健康保険料が、大阪府の統一保険料によって連続して引き上げられ、減免基準も縮小された。保険料引き下げのため、とりわけ子育て世帯の負担減となる均等割りの廃止を含め、国・大阪府の財政負担を求め、市としても引き続き一般会計からの繰り入れを行うこと。
保険料減免制度を対象者へ分かりやすく周知すること。国保一部負担金減免制度は、「所得が減少した場合」だけでなく恒常的な低所得者への減免を実施すること。
3.子ども医療費助成の対象を入院・通院とも高校卒業までの拡充を、市長は選挙公約としてかかげた。公約実現に向けて、コロナ禍でいっそう大変になっている子育て世代対策としても、高校卒業までの実現に向けてスケジュールを示して早期に実現すること。
国に対しては制度実施を、大阪府に対しては就学以後の年齢への引き上げを求めること。
4.就学前施設の整備と施策について
① 子育て支援の拠点としての公の役割を果たす「就学前保育・教育施設整備計画」の公立幼稚園・保育所の廃止・民営化計画を保護者・職員等の参加のもとで見直すこと。
② 施設定員に空きがあるにも関わらず激増している保育所待機児童の解消のために、保育所・幼稚園・認定子ども園の正規職員の比率を高めること。採用にあたっては採用年齢を引き上げるとともに、現に働いている希望する臨職の正職採用を進めるなど緊急の手立てをとること。現場の負担軽減と労働条件の改善を行なうこと。
③ 休日保育、病児保育の実施に向け具体的に検討すること。病後児保育の拡充をすること。
④ 保育教育無償化の施策において、保護者負担の重い3歳未満への軽減策を国・府に働きかけるとともに市として必要な措置を講ずること。
5.「子どもの貧困」問題について
①子ども食堂や居場所に取り組む団体や学校などと協力をして、コロナ禍が2年以上にわたる中で、泉大津の子ども達の置かれている状況について実態調査を行なうこと。
②子どもの居場所づくり事業の検証を行い、行政がイニシアチブをとり市民との共同の事業として行なえるよう、子どもたちが歩いて行ける範囲の小学校区ごとに整備するなど必要な支援策を講ずること。
6.生活困窮者支援について
① コロナ禍が続く中で、いっそう生活困窮などから孤立している市民が増えている。
税や保険料、上下水道料金支払いでの滞納などの生活困窮状況を把握した場合は、市民生活応援窓口や生活福祉課へつなぎ、市民の生活再建のサポートを行なうことができるようにすること。
② 札幌市や野洲市が行っているのと同様のポスターやチラシを作成し、生活保護について広く知らせていくこと。生活保護の相談や申請にあたっては、扶養照会は義務ではないことを伝え、希望しない人には行わないこと。
③ 熱中症対策としてエアコンは必需品で、低所得世帯や障害のある方の世帯に対して設置のための助成金を出し、ためらわずにエアコン購入できるように支援すること。
また生活保護世帯については、故障した場合などの買い替えに住宅維持費で対応できるようにするなど、熱中症から命と健康を守る手立てをうつこと。
7.高齢や障害などによって外出困難な人のための支援策として、自宅から目的地までの低
料金で安心して利用できる予約・乗合型タクシーなど送迎サービスを創設すること。
ふれあいバスは希望の多い逆回りの便をつくるなど、きめ細かなニーズに応じたコース設定の見直しを行うこと。
8.手話言語条例を関係団体などともよく協議をして策定すること。市役所や市立病院に手話の出来る職員を養成し配置をすること。
9.特別障害者手当給付事業はほとんど市民へ知らされていない。障害者手帳がなくても介護度によって受給要件があることなど分かりやすく広く制度を周知すること。
10.加齢性難聴による聞こえの問題は、社会参加がしにくくなるなど認知症への危険因子でもあり、孤立化を防止する観点からも補聴器購入補助事業を他市の事例などを参考に、専門機関の診断と合わせて実施をすること。
11.介護保険料減免基準の所得基準を引き上げ、資産要件を撤廃すること。利用者負担の軽減のための国の財政負担拡充を求め、市としても一般財源の繰り入れで独自の減免措置を講じること。特別養護老人ホーム入所を要介護3以上に限定せず、実情に応じた特例措置を利用者、事業者に周知徹底し、認定で軽度であっても、生活実態によっては施設入所ができるように市として働きかけること。
12.小中学校に関することについて
① 35人以下学級を小学校は5年間かけて国は実施をしていくとしているが、あまりにも遅い対応で、中学校まで拡充することも目指して大阪府にも要望していくこと。
② 市としては学年が上がった場合に学級数が減となり、1学級の児童数が急増する場合には独自の加配で対応すること。
③ 特別支援学級在籍児童が、それぞれの特性に応じた教育を支援学級・普通学級で受けられるよう十分な介助員の配置を行うこと。普通学級で授業を受ける場合にも学級定数の実質的な超過が生じないようにすること。
④ コロナ感染対策など教師の業務負担軽減のためにも支援員の配置を各校で進めること。
⑤ ひとり1台のタブレット端末活用にあたっては、個々の活用に大きな格差が起こらないよう児童生徒一人ひとり、保護者への丁寧な対応や教師への支援をすること。ハード面ソフト面で対応できるICT支援員の各学校への配置を進めること。活用にあたっては健康被害を起こさないための活用方法を学べる機会をつくり対策をとること。
13.就学援助の支給対象に、PTA会費・生徒会費・クラブ活動費を含めて保護者負担の軽減になるよう改善し、入学準備金の金額を実状に合わせて引き上げること。郵送による申請の受け付けは、コロナ対策としてだけではなく継続していくこと。
14.危険な通学路の安全対策について
① 通学路の安全が確保できるよう危険な個所へ配置をしている交通安全員の欠員の確保とさらに増員をすること。
② くすの木団地から忠岡方面の板原1、3丁目の信号までの虫取板原線の区間は、指定通学路になっているが、歩道もなく自動車などの通行量が多く、特に大型車が通行すると道幅いっぱいとなり、緑の通学路のラインを車両が超えるなど大変危険です。保護者からは朝の通学時間帯だけでも大型車両の通行を規制することが出来ないかという要望があり、大阪府に対して通学時間帯の大型車の通行規制の実施を要望し、児童の安全確保をすること。
15.学校給食について
① 中学校給食は、実施を検討されている全校生徒へのアンケートなどで改善をはかり、安心安全で美味しい給食になるようにすること。
② コロナ禍が続く中で子育て支援として、給食費無償化や一部補助を行なう自治体が全国で広がっている。本市においても子ども達が置かれている実情を鑑み、給食費無償化や一部補助、食材費を市が補助をして、保護者負担を増やすことなく給食の質の向上を目指すこと。
16.喫煙は本人の健康のためにならないばかりか、受動喫煙での影響による健康被害が科学的にも明らかになっている。受動喫煙防止の観点から、人や子どもたちがより多く集まる駅や公園周辺、通学路などを指定して路上喫煙禁止条例の制定を行なうこと。
17.大津川緑地の指定エリアを河口部までの下流域や、板原公園橋から上流の槇尾川河川敷や牛滝川河川敷にも拡充し、将来にわたるまちづくりの観点からさらに市民の憩いの場となるよう大阪府と協議を進めること。市の緑地指定以外の河川敷、堤防敷や堤防上の管理、
除草など適切な管理と河川内の堆積土砂撤去についても大阪府に求めること。
また式内町から板原公園橋までの堤防上の道路を自動二輪車が通行する事案が散見される。通行禁止の標識を設置して、安全を確保するよう大阪府に要望すること。
18.小規模事業者支援について
地域循環型の市内経済の活性化をするために小規模事業者に対しての支援を行うこと。
①とりわけコロナ禍が続く中で、市内事業者への影響について、事業者対象にアンケートなどを実施し実態を把握すること。国や大阪府の支援の対象外の減収5割以下の市内事業者への支援策を講ずること。
②事業継続、事業継承に必要な機器や店舗改装などへの支援を行うことや、小規模修繕工事登録制度をつくるなどして市内の小規模事業者を守ること。
19.テクスピア大阪の貸室・ホールの利用料は、市が補助金を出している団体や後援している団体に対しては75%の減免によって、旧市民会館の利用料との均衡が図られているが、それ以外の市内在住・在勤者については50%の減免とすることによって、「市民会館の代替施設」としての位置づけと相反し、市民の中に2倍の料金格差が生じている。速やかに改めること。
20.公共施設適正配置計画、教育、生涯学習施設について
「教育施設再配置計画」策定は、利用者、市民の要望、意見が反映されるように十分な配慮を行いながら、「公共施設適正配置計画」の見直しと一体で進めること。
21.市民活動支援センターに合併された「にんじんサロン」は、男女共同参画推進条例を進める観点から、団体とも協議してあり方を再検討すること。
22.市の政策決定への市民参画を形骸化することのないように、パブリックコメントは事前に市民説明会を開催し、充分な期間をとって行う事。市民アンケート、ワークショップ、パブリックコメントで出された意見を、施策に反映できるように、それぞれを適切な時期に実施すること。
23.情報漏洩のリスクが伴うマイナンバーカードの市独自の利用拡大を行わないこと。
各種書類にマイナンバーを記載しなくても不利益にならないことを市民に知らせ、またマイナンバーカードの発行を希望しない市民が行政サービス等で不利益にならないようにすること。
24.性の多様性について、社会教育、学校教育の中で学び、考える機会を多く設け、同性カップルの権利を保障するパートナーシップ条例を制定すること。
各種申請書の不必要な性別記入欄の廃止をさらに進めるなど、性的マイノリティの方々への配慮ある行政を推進すること。
25.非核平和都市宣言に基づく市民参加の施策、事業を拡充し市のホームページに反映させること。平和首長会議の一員として、核兵器禁止条約への署名、批准を政府に求めること。
26.「気候非常事態宣言」「ゼロカーボンシティ」を表明した市として、2030年度までにCO2を2010年度比で50~60%削減する目標を明確にすることを国に求め、市として省エネ設備導入、資源リサイクル、再生可能エネルギーの活用などの施策を行政と市民の協働で推進すること。
27.新病院建設のための起債の前提条件である資金不足解消の「収支計画」、現病院の改修計画と財政計画は示されていない。新病院建設の設計・施工の事業者選定のプロセスも不透明で、行政への信頼を損ねるものであった。市民への説明、合意形成ぬきに強行されている「市立病院再編計画」は中止し、コロナ禍であらためて見直された公立病院の使命を果たすために、行政と病院が一体となって取り組む事を求める。