今年の誕生日に娘達がプレゼントしてくれた本。
私の仕事机の後ろに、いつも手の届くところにあります。
お話の主人公は「家」。
一軒の古い家が静かに淡々と、100年の間に見てきた人々の姿を語ります。
「いままでの暮らし方を継がない。それが新しい世代だ」という一節に、ドキッとした。
「継がなかった」のは、私たちの世代ではなかったか?と、ふと思う。
最後のページにはこのようにある。
「けれども、つねに、わたしは、わが身に感じている。
なくなったものの本当の護り手は、日の光と、そして雨だ、と。」
開くたびに、いろいろなことを想い、心が静まる。
そんな一冊だ。
絵:ロベルト・インノチェンティ(1040年生まれ イタリア、フィレンツェ在住)
作:J.パトリック・ルイス(1042年生まれ アメリカ、オハイオ州在住)
訳:長田 弘(1039年、福島市生まれ)
講談社