こんにちは! ただち恵子です

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指定管理者制度は自治体病院危機打開の切り札になるのか?

2013-02-02 21:23:15 | 社会保障


「地域医療と和泉市立病院の充実をめざす連絡会」主催の「和泉市立病院 指定管理者制度問題学習会」に参加させていただいた。

講師は元自治労連医療部会部会長 山本裕さん。
指定管理者導入を急ぐ自治体当局は「市の財政も、地域医療もこれでよくなる」とバラ色に描く。
和泉市もその例にもれず。
「広報いずみ2月号」に4ページをさいて特集した「魅力ある病院づくり」。それを読むと「指定管理者でいいことばっかり」のようだ。

講師は、すでに指定管理者制度で「公設民営」に経営形態を移行した多くの事例により、けっしてバラ色ではない事実を紹介した。
医師、看護師等の確保困難が続き、医療水準を維持できないなど。
全国自治体病院経営の困難の背景には、医師確保ができないことがある。泉大津市立病院でも、一時期産婦人科医師の撤退で「出産のできない病院」になり、内科医師の大量退職で病床稼働率の大幅な低下となった。
医師・間技師不足の根源には、長年の医療政策で養成を抑制したきたことがあるのだから、その問題が「指定管理者」になったからと言って解決するわけではない。


参加された市民からも、病院で働く職員からも「市立病院は市民の財産。市民の意見も聞かずに、勝手に決めるのは許せない」という声があがった。


泉大津市立病院も市の財政負担のあり方をめぐって様々な議論がある。議会の一部には、市の財政問題の視点から「早く指定管理者制度を」と主張する意見もあった。
そういうなかで、昨年10月の決算委員会で前市長は委員の質問に答えて「今年度中に指定管理者導入に向けた結論を出す」と答弁した。
和泉市立病院の場合、正規職員約300人、非正規職員150人。その処遇は大きな問題だが、一旦退職金を支払うために、総額約20億円を要するという。
そんなお金はどこにもない。市の借金で、後年度の一般会計の負担となる。
泉大津市立病院にも同様の問題があるはず。ところが、そういった問題についても何ら解明もなく、財政的にも、医療活動の面からも、メリット、デメリットの検証もなくいきなり市長の「指定管理」の宣言だった。

そして「病院問題で議員総会を開く」と予告されていたその日に、自らの辞職を議題とする臨時議会を召集。
「病院の経営問題」は、その他の多くの課題とともに新市長に引き継がれることとなった。
新しく就任した伊藤市長は「民間活力の導入を考えるにしても、その前にやることがある。まず、全職員の徹底した話し合いを。そして多くの市民の納得のうえに、病院のありかたを考えていきたい。」と、選挙中の個人演説会で話された。

性急に結論を出すのではなく、地域医療の抱える課題について検討、検証するなかで市立病院のあり方も考えていかなければならないと思う。






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