それぞれの動物たちが、懸命に生き、そして子どもを守る。
命がけの営みに、たくさんの「なぜ?」を問いかける。
21の物語の全てを読み終わるまえに、誰かにこの本を知らせたくてたまらなくなった。そんな1冊だった。
著者、ドリアン助川さんは、映画「じんじん」の政策委員会が編んだ絵本「クロコダイルとイルカ」の作者として記憶にあった。
本書との出会いは、「しんぶん赤旗」の書評欄だった。
書評を書いてくださったのは中村桂子さん(JT生命誌研究館名誉館長)。
書評の一部を引用させていただきます。
動物たちについての深い知識と愛情とが ないまぜになった、柔らかで美しくユーモアのある文からは、彼らの声がそのまま聞こえてくる。隣で読んでいる長女の「なぜどのお話もこんなに哀しいのかしら」というつぶやきに、「生きているからじゃない」と答えながら、著者にお礼を言っていた。常に真剣に考え、時に悩みながら誠実に生きている動物の声を、ヒトという仲間として聞き取ってくださってありがとうございますと。
この1冊に出会わせてくださった評者、中村さんに心からの「ありがとうございます」を。
著者;ドリアン助川
出版社;集英社