「はじめに」より
たいへんな犠牲を生んだ地震、津波と原発災害の後、日本の社会全体が「人間の復興」と安全・安心の社会づくりに向けて大きな努力を開始した年としてなのか、あるいはたいへんな犠牲にもかかわらず、復興にも原発にも、その後の国づくりにも、さらに強く野放図な「資本の論理」が吹く荒れた最初の年なのか。
2011年に生きる私たちは、その重大な分岐点に生きていると思います。
「重大な分岐点」に立っているということの自覚、進むべき道の確かな選択眼、ともに進む仲間との連帯、歩く続ける意志と体力、それらを併せ持つことが求められているのだと思う。終章で「政治に強い市民になろう」と呼びかけ、「学び方」への具体的・実践的な手ほどきもしてくれている。
著者:石川康宏(神戸女学院大学文学部教授)
発行:自治体問題研究所