こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

「知られざる就学援助」

2011-11-28 20:46:33 | 読書


昨日まで手にとる余裕がなかった一冊を一気に読んだ。

「30歳で飲料会社勤務から学習塾講師への転身、35歳で会社設立、49歳で研究活動開始」(「あとがき」より)という筆者が修士論文としてまとめたものを、ほぼ原文のまま出版したという本。

「驚愕の市町村格差」というサブタイトルのように、「義務教育は無償」とする憲法のもとで「子どもの学習権」を保障する制度でありながら、国の財政措置が極めて不十分なことにより生じている市町村格差を、克明に検証している。
特に「準要保護を対象とする国庫補助金」廃止の前後、2004年と2007年の比較を様々な視点で、全国調査によって分析しているのは貴重な資料だ。

数年前に参加していた予算委員会で「給食費未納問題」を取り上げて、「お金を払って食べている子どものそばで、ただ食いしている子どもがいる」と言った議員があった。
聞いていて悲しかった。
そこは教室だ。街の食堂ではない。子どもたちが学び、育つ場だ。
どのような親でも、その子どもに罪はない。
子どもは親を選べないし、どの子にも教育を受ける権利がある。

筆者は「仮に、規範意識が欠如した親があるとすれば、その親の下に生まれた子どもにこそ、公的保障が与えられるべきではないか」と言う。

救貧対策ではなく「子ども学習権保障」としての就学援助制度に、国の財源保障が不可欠であることを事実の裏づけを持って明らかにしている。



著者;湯田伸一(進学教室「エデュコ」運営。東京大学大学院教育学研究科博士課程在籍)
学事出版
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1 コメント

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Unknown (ハリー)
2011-11-28 22:42:36
義務教育は、無料ですから、給食費なども含めて完全無料とすべきと思います
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