◆安保法案の成立、海外メディアはどう報じた?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=10183
集団的自衛権の限定的な行使を可能にする安保法制が可決・成立した。
これを受け、中国外務省の洪磊副報道局長は18日、「日本が国内外の正義の声に耳を傾け、歴史の教訓をくみ取って平和路線を維持するよう求める」と、歴史問題を引き合いに出して、日本を批判した。
日本と対立する中国が日本を非難するのは、想定内の反応である。一方、その他の外国では、どのような見方をしているのか。
◎諸外国から見た安保法制への見方
海外メディアの多くは、安保法制の賛成と反対の両論を汲み取った形で報道している。しかしその報じ方には、それぞれの国の国益も見受けられる。
アメリカのロイター通信は、今回の法案が日本国内の反対派デモの中で可決されたことに触れ、「日本がアメリカの戦争に巻き込まれる」という反対派の声を紹介。同時に、日本が先の法案を通した理由として、軍拡を続ける中国や北朝鮮をはじめとする、日本をとり巻く安全保障の環境が悪化しているためだと説明した。
さらに続けて、中国と対立を深めているアメリカ政府としては、アジア太平洋の安全を守るために日本の助力を必要としており、安保法制を支持している点も報じた。
また、アラブ首長国連邦のガルフ・ニュースは、世界に対する脅威はテロリズムが原因であるため、「日本は大国として、国際社会と協力してイスラム国などのテロ組織と戦う義務がある」とし、「安保法制を推進すべきだ」と主張している。現在の中東での混乱を振り返れば、中東独自の事情が反映された視点だと言える。
だが総じて言えるのは、多くの海外メディアが、日本の安全保障上の役割の拡大に期待しているという点である。
◎「戦争は嫌だ」では平和は守れない
戦争したくないのは、誰でも同じである。しかし、日本の国益を考慮した場合、国防力の強化は差し迫った問題だ。日本周辺には、明らかに侵略的意図を持った国々が存在し、こちらが手を出さなくても、戦争の火の粉が降りかかってくる可能性は十分ある。
国際社会の紛争や戦争を抑止することは、日本の国益や世界正義に適う場合がある。最悪の事態に備えるためにも、日本は、より一層の国力の強化だけでなく、国防力に見合った独自の政治力や外交力が求められている。(中)
【関連記事】
2015年9月18日付本欄 安保法案可決へ 国民は反対ありきの野党にうんざりしていた?
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2015年9月17日付本欄 安保法案の成立に向けての攻防が過熱 民意が絶対ではない
http://the-liberty.com/article.php?item_id=10174
2015年9月号記事 「安保法制はなぜ必要か」を国民に説明すべき - 「憲法守って国滅ぶ」では本末転倒 - The Liberty Opinion 6
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9926
◆ロシアがシリア介入を強化 やはりアサド政権の退陣は必要
http://the-liberty.com/article.php?item_id=10182
泥沼化するシリア内戦をめぐり、ロシアは、シリアの親露派政権・アサド大統領への軍事支援として、同地に戦車や戦闘機を配備した。
介入の背景には、イスラム過激派組織「イスラム国」などの攻撃により、弱体化が進むアサド政権を支援する狙いがある。またロシアとしても、イスラム国による自国でのテロを警戒しており、イスラム国の掃討を最優先課題にしている点もある。
ロシアのプーチン大統領は、15日に行われた旧ソ連国が参加した安全保障機構の会議で「シリアの政権と軍が参加しなければ、テロリストを排除できない」と述べ、イスラム国の掃討には、アサド政権の協力が必要との考えを示している(19日付読売新聞)。
これに対しアメリカは、ロシアが介入を強化すれば、シリアの内戦が激化し、イスラム国の掃討にも悪影響が出ると懸念している。
カーター米国防長官とショイグ露国防相は、18日に電話会談を実施。そこでカーター氏は、「イスラム国とアサド政権の交代は同時に追求しなければならない目的だ」との見解も伝え、ロシアを牽制している。
◎プーチン大統領の本音は平和裡でのアサド政権の交代を望む!?
諸外国からの批判もあるプーチン大統領であるが、国民の虐殺するアサド政権の存続を望んでいるのだろうか。
大川隆法・幸福の科学総裁は2014年4月、プーチン大統領の守護霊を呼び出し、その本心を探っていた。同大統領の守護霊は、アメリカはシリア問題について「よく分かっていない」と指摘。アサド政権下で十数万人のシリア国民の犠牲者が出ていることに対しては、次のように述べた。
「アメリカが空爆して死ぬのは、いったい誰なんだ? シリア人なんだろ。少なくとも、アメリカが空爆して殺そうとしているのは、昔の日本で言えば、幕府軍のほうだ。それを空爆することになるわけだから。維新の勢力が『正義の旗印のもとに革命を起こす』って言うのなら仕方がないところはあるけれども、その見通しが立たないうちに、ゲリラやテロをやるだけで幕府の方を攻撃するというのは、気をつけないと、国を取られてしまうことになる」
またプーチン大統領の守護霊は、アサド政権の存続についてこう述べている。
「ちゃんと平和裡に、合法的に、政権が替わるなら、それで構わないと思っています。だけど、それ以外の、そういう暴力的な手段とか、ゲリラやテロみたいなもので体制が崩れるようなことは、あんまりよろしくないと思います」
プーチン大統領の本心は、テロや他国の軍事介入による政権交代ではなく、アサド政権の交代を平和裡に進めることを望んでいるようだ。しかし、民間人を虐殺し、難民を生み出しているアサド政権のやり方を野放しにすることは許されない。アサド政権を退陣させる方向が正しい判断であろう。(泉)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『プーチン大統領の新・守護霊メッセージ』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1148
幸福の科学出版 『オバマ大統領の新・守護霊メッセージ』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1147
【関連記事】
2015年9月号記事 日本はロシアといかに付き合うべきか
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9948
2015年8月号記事 アメリカが対ロシア政策で軟化の兆し - ロシアを取り込み、中国包囲網をつくれ - The Liberty Opinion(Webバージョン)
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9818
◆安保法案可決へ 国民は反対ありきの野党にうんざりしていた?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=10179
参院の特別委員会で可決された安全保障関連法案について、自民などの与党は、18日の参院本会議で同法案の採決に踏み切る。本法案は賛成多数で成立する見通しだ。
中国の軍拡などの安全保障環境に対応するという意味では、本法案の成立は歓迎すべきことだ。しかし一方で、「良識の府」と称される参議院で、民主党などの野党側が暴力まがいの抵抗を見せた。参議院の看板に泥を塗る形となり、後味の悪いものとなった。
◎ダイブした民主党議員も
17日、参院の特別委員会で本法案が採決された際、民主党の小西洋之氏は、審議を阻止するため、鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ)委員長にめがけて、後方からダイブした。
同氏は自身のツイッターで「私は、本気で違憲立法を阻止するため、委員長の手元の議事次第を確保に行きました」としているが、目的のために手段を正当化する姿勢はいただけない。
これまでにも野党は、安保法案を「戦争法案」などとレッテル張りをし、国民の恐怖心を煽ってきた。そこには、来年の参議院選挙を見据えた国民へのアピールという面があることは想像に難くない。だが、果たして、その目論見はうまくいったのか。
◎野党の支持率上がらず
一連の騒動に先立ち、NHKは9月11日から13日にかけて世論調査を実施していた。
それによると、民主党の支持率は、8月の10.9%から9.8%に低下。同じく、法案に反対した共産党は4.2%から4.0%に、社民党も0.7%から0.6%に、それぞれ微減となった。
一方の自民党は34.3%から34.7%に微増。13日に開票された山形市長選でも、与党が推薦した佐藤孝弘氏が勝利している。
本法案が採決される以前に、国民は「反対のための反対」を繰り返す野党の姿勢に対して、うんざりしていたのではないか。
◎国会前で飛び出す暴言のオンパレード
さらに国会前で行われた安保反対デモにも問題があった。「良識」ある人であれば、その参加者から飛び出た発言が、いかに暴力的であり、安倍首相への個人攻撃であるかを理解するだろう。以下、問題発言を一部紹介する。
・「(安倍首相に対し)お前は人間じゃない」(法政大教授の山口二郎氏)
・「(安倍首相に対し)バカか、お前は」(学生団体「SEALDs」代表の奥田愛基氏)
・「権力者の頭にくぎを打つことが民主主義だとするならば、私たちは安倍の頭にくぎを打たなければならない」(作家の佐高信氏)
・「安倍晋三首相は史上最悪の首相だ」(社民党の吉田忠智党首)
いくら言論の自由が認められているとはいえ、何を言ってもいいというわけではない。一部の安保反対論者は、それぞれの意見を尊重するという善意に立つ「民主主義の精神」を冒涜している。野党陣営は、国民をミスリードしてきた言動を猛省すべきだ。(山本慧)
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