◆映画スター・ウォーズは「神話」だからヒットした【前編】
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映画スター・ウォーズの新作が12月に公開されます。宇宙映画全般への社会的関心も高まるかもしれません。
同シリーズの初回は1977年に公開されました。その内容を簡単に紹介すると、
「銀河系が帝国による圧政下にある中。へんぴな惑星に住む一介の農場手伝いの青年、ルーク・スカイウォーカーが、あるきかっけで宇宙に飛び出す。そして、「フォース」という不思議な力に目覚めながら、帝国の壊滅に身を投じていく」
この壮大な宇宙映画の監督が、ジョージ・ルーカスです。
彼はスター・ウォーズを「現代の神話」のつもりで世に送り出したといいます。実際に、この作品が生まれるまでの道のりや、作品に込められたメッセージには、人々の心をつかむ、宗教的な教訓が散りばめられています。
交通事故で、死にかける
ルーカスは高校時代、カーレースや女性遊びに夢中な不良少年でした。
しかしあるとき、猛スピードで他の車に衝突し、車は5回転。木に衝突し、幹にめりこみました。普通なら、運転手は即死でしょう。
しかし、彼は車から投げ出されたことで、一命を取り留めました。奇跡的に、シートベルトが根元からちぎれたのです。
病院でチューブにつながれながら、意識を取り戻したルーカスは、「自分がこの世に存在している理由を、一生かけてでも探してやろう」と決意しました。
そして自分の感情や直感について、深く考えるようになったといいます。その時、湧き上がってきた内なる声は「映画をつくりたい」というものでした。
この「内なる声を聞く」という感覚は、彼が後につくることになるスター・ウォーズのテーマにも通じていきます。
「映画? 気でも違ったのかい?」
ルーカスは人が変わったように勉強し、短大を経て、映画学校に入学。プロのフィルムメーカーになると宣言します。
しかし、その決意に対し周囲は忠告の言葉を投げかけます。
「気でも違ったのかい? ディズニーランドの切符売りにでもなるのが関の山さ」
父親さえ、大学で映画を学ぶ、"無駄な時間"と"無駄なお金"を良くは思いませんでした。
しかしルーカスは、「直感を信じる」ことを貫きます。
映画の勉強に、体を壊すほどに没頭。大学で映画を勉強しても、実際に映画監督ができることなどそうそうないと言われていた中、着々とその技術を磨いていきました。
1作目では「恐怖からの自由」を訴える
ルーカスは大学卒業し、晴れて映画監督になります。最初に手がけたのが『THX-1138』という映画でした。
その舞台は未来社会。コンピューターに支配された地下世界です。人間は男女とも髪をそり、同じ白い服を着て、性差も個性もない状態で、刑務所の中に住んでいます。その刑務所には、塀はありませんでしたが、恐怖心が塀の役割を果たしています。
主人公は、THX―1138という名前(番号)の人間。あるきっかけから、“人間性"に目覚め、脱獄を図ります。ジェットカーを盗み、地下トンネルを走り抜けます。様々な敵の追跡をくぐり抜け、地上に脱出。そこで初めて朝日を見て、凍りつくというストーリーです。
ルーカスがそこに込めたメッセージは次のようなものでした。
「現代社会は堕落している。人を現状に縛りつけているのは、得体の知れない恐怖だ」
酷評の嵐と失敗……
しかし試写会での評判は散々なものでした。その“冷たい"世界観に、評論家たちはルーカスを「SF狂の変人」「冷血漢」と批判します。
内容に衝撃を受けた映画スタジオは、監督であるルーカスからフィルムを取り上げてしまいました。そんなことは、映画界でも初めてだったとも言われます。
上映された映画は興業収入も充分ではなく、「赤字作品」となってしまいます。ルーカスや製作仲間も、30万ドルの負債を負ってしまいました。二年間もついやした処女作は、大失敗という結果に終わりました。
ルーカスは、「『世界を変えたい』と思うなら、社会がどんなに愚かなのかを描き出すだけではいけない。ポジティブなストーリーが必要だ」という教訓を得ます。
この発想が、後のスター・ウォーズにつながっていきます。(馬場光太郎)
(後編へ続く)
【関連サイト】
映画「UFO学園の秘密」公式サイト
http://laws-of-universe.hspicturesstudio.jp/
【関連書籍】
幸福の科学出版 『ザ・コンタクト』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1531
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