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my diary

リスクに対する考え方、変わっていると思われている人を排除しようという立場主義の罠

2025年02月16日 | 日記
 日本人は、昔から「水と空気と安全はタダ」と思っている人が多いと言ったのは誰だったのだろうか。しかし、今や、その常識が通じなくなってきつつあるようだ。老朽化した上・下水道による事故が多発しているし、能登半島地震などでもライフラインの復旧の遅れが、住民の生活環境や生命の維持に直結していることが認識されてきた。空気という面でも、花粉症で苦しんでいる人が増えて来たし、中国大陸からやってくる黄砂でPM2.5という有害な微粒子が問題となってから何年も経っている。安全面においても、闇バイト事件などで、何の罪もない高齢者宅が突然強盗に襲われる事件も多発しているし、家族や恋人間の殺傷事件も多発している。現代の日本においては、水も空気も安全も既にタダでは無くなっている。
 本田宗一郎の格言の一つに、「人生は見たり・聞いたり・試したりの3つの知恵でまとまっているが、多くの人は見たり・聞いたりばかりで一番重要な試したりをほとんどしない。」という言葉があるが、彼が言いたかったことの本質は、人は、知識を蓄えてばかりいても役に立たない、面白いと思って試すことが物事の進歩に結びついていると言いたかったのではなかろうか。日本人は、特に江戸時代以降、安定性、秩序、予測可能性ということに重きを置く社会性を持つようになり、御上の言うことに従順でリスクを取ることを避けがちな民族性を持つようになってきた。また、人よりも変わったと思われる人を集団でいじめの対象にして排除すれば、自分は安全という立場主義も蔓延している。未だに、学校でのいじめが無くならないのも、ホリエモンのように少し先を読んで派手な活躍をする人を、先回りして排除したような動きも、これに寄っているように考えられる。
 知識を貯め込むばかりでは役に立たない。人から変わっていると思われようが、自分が面白いと思い興味を持ったことに集中する。その際、人を説得できるように自分のやりたいことを表現することも大事であり、そもそも、そのことにより人の役に立とうとする信念も大切だろう。
 立場主義がひどくなると、前例重視、横並び、リスク回避という官僚のような人ばかりになってしまい、権力者の言うことに従って、自分の立場を守っていれば自分だけは大丈夫だという、日本型立場主義専制社会というべきものが成立してしまい、人口減少も更に進んで、やがて、日本は、大規模災害や外国からの侵略などなくとも、柔軟性を失うことによって自滅してしまいかねない。小松左京は「日本沈没」というSF小説を書いたが、何か、今の日本人は、集団で自滅に向かって行進しているハツカネズミのように思えてしまう。


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