トランプは、1月20日に2期目の大統領を就任して以来、やりたい放題の政策を乱発している。その政策は、バイデンの分かりづらい悪行と比べ、トランプの悪行の数々は実に分かりやすい。
トランプの悪行を挙げれば、枚挙にいとまがないが、それは、メキシコ・カナダに高関税で脅したことで明らかなように、高率の追加関税で世界中を脅し、意のままにすることから始まり、グリーンランドやパナマ運河の領有権を主張したのは、あたかも、世界はアメリカの所有物とでもするかのような振舞いである。
トランプはSNSで、カナダを「51番目の州」と表現し、ジャスティン・ トルドーを首相ではなく「知事」と呼んだ。それには、当のトルドーは、トランプが「カナダ併合し、膨大な資源を欲しがっている」と警戒を呼び掛けた。
さらには、地球温暖化を否定し、パリ協定離脱、WHO脱退等、国連中止で勧められた人類の危機対策をすべて破壊しようとしている。
アメリカ国内でも、多様性尊重政策のDEIを否定し、性別は男と女以外はないと、現に存在している性的マイノリティの存在を否定するなど、人権軽視は甚だしい。性的マイノリティは存在してはならない、と言うに等しい方針は、彼らに与える精神的苦痛は計り知れない。
その中でも、何といっても世界を驚かせたのは、アメリカによる「ガザの所有」である。ガザからパレスチナ人を消滅させることを目的にし、「イスラエルの邪魔者を皆殺しにして、生き残った者は、追い出してしまえ」と言っているに等しい。これには、国連アントニオ・グテーレス事務総長は、即座にethnic cleansing民族浄化という言葉を用いて非難した。民族浄化とは、特定の民族集団が武力を用いて他の民族集団を虐殺・迫害・追放して排除 することだが、まさにイスラエルが実行し、トランプのアメリカがそれを支援するということである。
それは勿論、イスラエルとパレスチナの2国家共存を否定しているが、永久に平和の芽を摘み取るばかりか、その周辺地域にも、とてつもない混乱を巻き起こすものだからだ。 ガーディアンは、「最悪の悪夢」として、エジプトとヨルダンの受け止め方を報じているが、周辺国は猛反対しているので、実現の見込みはない。
さらには、民族浄化を進めるイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフに逮捕状を出したICC国際刑事裁判所を制裁対象とする大統領令に署名した。これにも、一部の極右指導者を除き、ヨーロッパ諸国首脳を始め、世界中から非難の嵐が巻き起こっている。
アメリカに追随する日本政府は、世界の極右指導者並み
世界中の首脳が批判するトランプの言動を日本政府は、一切の批判を封印している。「ガザの所有」にも、林芳正官房長官は「発言の真意は分かりかねる」と曖昧に語るだけでである。このことは、 トランプを崇拝する一部の極右指導者の立場に近く、他の政府とは際立った違いを見せている。
2月6日、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、トランプに習いWHO脱退を表明した。ミレイは、トランプを崇拝する極右・新自由主義信奉者として名高いが、ネタニヤフも含め、ハンガリーのオルバン・ヴィクトル、イタリアのジョルジャ・メローニ など続々とトランプに秋波を送っている。これらの政治指導者側に日本政府は立っていると批判されても、何ら抗弁できないだろう。
2月7日、ネタニヤフの次に首脳会談を行った石破茂は、「神様から選ばれたとトランプ大統領は確信したに違いない」と銃撃写真で発言するなどトランプに忖度、称賛を繰り返した。共同声明では、中国を名指しで非難し、「日米関係の新たな黄金時代を追求する」と、かねてからの米日の一体化を確認したに過ぎない。
脅しの手段の関税につては、「米財政赤字の縮小に寄与する」「相互関税 」を発表する計画とし、先送りされただけで、何ら解決してはいない。
要するに、中国敵視を掲げ、米日安保体制を称賛し、さらなる軍事同盟の強化を約束しただけなのである。
結局石破茂は、アメリカの「黄金時代」に日本は貢献します、と頭を下げにいっただけである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます