本などでプロの職人さんの作品を見るとその美しさに惚れ惚れします。
木の肌合いや年輪を生かすため表面にニスや塗料を施さない無垢の仕上げになっているものもたくさんありますが、中には漆(うるし)で仕上げているものもあります。

上の写真は、私が木のカトラリーをつくるようになったきっかけになった本です。
私は、この本の中で紹介された漆仕上げの匙(さじ)に魅かれ、東京へ行く機会があった時に国立にあった工房を訪ねたことがありました。
お店を兼ねた工房は昔の駄菓子屋さんのような懐かしい雰囲気でした。
屋号は ”匙屋” そのまんまです。
壁には、本に載っていた漆仕上げの匙が幾つも並んでいました。
わざわざ国立まで来たのでお匙を1本購入して帰りました。
それが、下の写真の匙です。

表面に迷いのない鑿の削り跡が残る私のお気に入りの匙です。
漆が剥がれてしまわないか心配で、1回使ってあとは仕舞い込んだまま… 時々、引出しから出しては撫でています。
漆はハードルが高く、なかなか手が出せません。
そこで、見つけたのが "漆調の塗料" です。

本物の漆のような上品さは出せませんが、黒や朱色は重厚感が出るように思います。

次は "象嵌” に挑戦です!