ブルメル「終戦から約6年、我々は部外者の新統合政府からの屈辱を必死に耐えてきた。だがその歴史は今日この時までである、我々は強権化する新統合政府に対し裁きを下す。我がシェルバン共和国は、現時点を持って新統合政府ならびにフェリバ連邦に対し宣戦を布告する!!!これは脅しではない、繰り返す脅しではない!!!」
ついに発令された宣戦布告。
この声明は新統合政府のみならず全銀河に衝撃を持って伝えられた。
「全軍、作戦開始の合図がなった。攻撃を開始せよ!!」
「命令は既に出ている各可変戦闘機部隊発進、陸戦機動部隊と陸戦隊を乗せた強襲揚陸艇は惑星ホリップへ降下せよ!陽動部隊正面へ!!」
シェルバン共和国国防軍第1機甲艦隊等は宣戦布告と同時に惑星ホリップに展開する新統合軍艦隊へ砲撃を開始した。
攻撃方法は斬新で囮部隊が最初にしかけ、その隙に新統合軍艦隊の両側面に主力艦隊をデ・フォールド。
いきなり両面に出現したシェルバン国防軍の艦隊に驚き混乱した隙を突いて砲撃で打撃を与えた。
艦載機として出されたSVF-11エンキドゥが出撃し、新統合軍が十分に出せないうちに空母を強襲する。
ゼン「遅いぞ新統合軍の雑魚め!!」
ゼンは愛機のSVF-12ハウンドを駆たり、新統合軍の可変戦闘機部隊を翻弄する。
一瞬でVF-11の小隊を殲滅する。
新統合軍の兵士たちはゼン達の活躍に恐怖した。
「怯むな!シェルバンの異星人風情だ!新統合軍の雄姿を見せるぞ!!」
VF-17ナイトメアに乗るベテランパイロットで編成された精鋭部隊がゼンに挑む。
この部隊は混乱の中にある新統合軍の中で纏まりのある部隊であり、シェルバン共和国の艦載機を次々に撃墜していた。
そこで狙いを定めたのがゼンである。
「隊長、あいつはエースです。」
「怯むな背後から狙え!戦場に置いて非人道的な卑怯以外の卑怯は正義だ!行け!!」
編隊は主力可変戦闘機部隊を潰しているゼンの後方へ回る。
主力部隊を囮にしてゼンを撃墜する気であり、既に隊長機がゼンにロックオンをした。
ーこれで勝った!!
隊長機は勝機の見えない戦いに敵に一矢報いるべくトリガーを引く。
狙いを定められている事に気がつかないゼン。
このまま行けば撃墜である。
「もらっ・・・・・・・」
ググォォオン
「たいちょ・・・・・・・・」グゴォン
突然、VF-17が隊長を順に爆発する。
隊員達は死んだ隊長の名を叫びきれずに次々に撃墜する。
ゼン「後方か・・・・・・サンがカバーしてくれたか。」
ゼンを狙っていた精鋭VF-17の編隊を撃墜したのはゼンの相棒サン。
敵を倒しつつゼンに危機が及んでいないか、敵の動きを監視していた。
既にVF-17の編隊がゼンを狙っている事を既に確認済みであり、攻撃準備が完了したためゼンが落される前に攻撃を実行した。
サンに殲滅された編隊同様にシェルバン共和国の強襲攻撃による混乱の中、まともに部隊を機能し善戦した部隊は数多くいたが。
主力部隊は壊滅、撃沈された艦が続出し戦線維持が難しくなり惑星ホリップ衛星軌道上からの退却が決定された。
シホ「友軍部隊、混乱して総崩れね·······」
新統合軍.シホ·ラカジーラ中尉
「既に損害率は60%と我が艦隊の過半数の被と戦線を維持できるだけの戦力はありません。」
シホ「我が艦隊だけじゃないわ、他の惑星のフェリバ軍の部隊も打撃を被ったらしいわ。」
惑星ホリップの強襲と同時に同盟国であるブルクッリン共和国や惑星ワイバーンが強襲されている。
ブルクッリン共和国は既にブルクッリン.ブリンガーが占領(共和国の政府機能は新統合領に移転亡命政権を樹立)、惑星ワイバーンはシェルバン・シェナス連合軍により激戦の末陥落した。
攻撃方法は惑星ホリップ同様に奇襲であった。
シホ「私達もここを放棄して惑星フォッケスかモルケーノに離脱しましょう。」
「隊長、敵機接近!速度マッハ4、数34機。」
シホ「大人しく退かせてくれる気がないのか・・・・・・・・・・各員、迎撃するよ!」
「2了解」 「3了解」 「4了解」 「5了解」
シホ率いる独立遊撃飛行隊スイティンガーフォッケスなどの飛行隊は主力部隊が退却が完了するまで殿のためシェルバン共和国の飛行隊を迎撃した。
シホが駆るVF-17DAディープアームズナイトメアはガトリングガンと追加装備の2装ビームパックでシェルバン共和国の可変戦闘機部隊をなぎ払う。
ゼン「あのパイロット中々の物だな、敵ながら天晴れ!ならば・・・・・・・・・」
シホ「前方34°敵!?エース機か!!」
ゼンはシホのVF-17DAに迫る、シホはバトロイドに変形し迎撃のポジションに就いた。
更にゼンの後ろにはサンがついて来て、1対2の攻防が始まる。
他の隊員を呼びたいが一般部隊の対処で精一杯、ここでなんとかしなければ・・・・・・・・
ドシュゥゥゥン ドシュゥゥゥゥン
ゼン「例のビームか・・・・・・・・・・・」
シホはビームでゼンとサンを迎撃する。
そしてファイター形態に戻り、高速で二人に向けてミサイルとガトリング砲を掃射する。
Uターンして同様の攻撃を繰り返す。
ゼン「落ちろ!!!」
ズダダダダダダダダ
ガコォン
シホ「きゃあ!!」
ゼンは攻撃してくるシホのVF-17DAの右翼にガンポッドの銃弾を撃ちこみ破壊する。
コントロールが麻痺しシホは必死に操縦桿を押さえ落ち着かせるように努力した。
ゼン「これでとどめだ!」
ゼンはシホにとどめを刺すようにする。
この位置から狙えば脱出し生還する保障はない。
トリガーを引こうとするが・・・・・・・・・・
ガシッ
ゼン「サン・・・・・なぜ前に立つ?」
サン「もう手負いだ、意味はあるまい。」
サンはシホにとどめを刺そうとするゼンを止める。
シホは好機と捉え機体を動かし、艦隊の方へ離脱を開始した。
「隊長、大丈夫ですか?」
シホ「右翼をやられた・・・・・・・・・速度が低下だ・・・・・・・・牽引してくれ・・・・」
「了解しました。」
部下にレーダー牽引をしてもらい、戦闘空域から離脱する。
ゼンは悔しそうに見ていたが、サンは淡々とした目で見る。
新統合軍ホリップ駐留艦隊は損害率72.1%の損害を受け、惑星エクセリオンへ退却した。
開戦初日でブルクッリン共和国.ワイバーン.ホリップ.モルケーノをシェルバン共和国によって占領され新統合政府側に多大な損害と衝撃を与えることになった。