奈良県の建築家が日々思う設計事務所の家づくり日記、住まいの設計や住宅設計、注文住宅、注文建築、暮らしの事、収納の事

住宅の設計・リフォーム、暮らしのデザイン提案を家具や生活習慣まで丁寧に考えています。

ホテルライクな暮らしを現実的に設計する考え方を整理整頓する際にイメージする事、間取りだけではなくて暮らし全般の過ごし方のイメージとインテリア、照明器具、採光等と連動した空間構成を丁寧に。

2024年09月07日 | 家 住まい 間取り プラン

ホテルライクな住宅とは?。

※住まいのプラン提案事例・内観LDKイメージ

 

住宅のご要望を

お伺いする中で

よく「ホテルライクな住宅にしたい」という

お話を聞きます。

 

それぞれに異なる

「ホテルライク」があると思います。

 

その具体的な意味は

住まい手さんにより

勿論大きく異なりますが、

おしゃれなインテリア、

生活感がない、非日常的、

といったイメージを

思い浮かべる方が

多いのではないでしょうか?。

 

ホテルライクな住宅を

実現する上で大切なポイント

このブログでも

少し書いてみたいと思います。

 

整理された動線

ホテル=居心地が良いと感じる

最大のポイントは、

空間がいつも綺麗に

片付けられ整っている点。

デザインや仕様を

どれだけホテルっぽくしても、

片付いていない部屋では

心地よさは得られません。

 

だからと言って、

片付けや整理ばかりに

時間を取られては、

ますますリラックスからは

遠のいてしまいます。

 

重要なのは、

いつも綺麗に整っている空間を

いかに無理せずに

キープできるかということだと考えます。

 

忙しい日常の中では

なかなか難しいことですが、

この実現のためには、

整理された設計動線 が

ポイントになってきます。

※動線とは人の動き・移動を示すもの

 

自分の生活リズムや

行動パターンに合った動線を知り

整理することができれば

余計な動作や負担を軽減し、

無理なく片付く空間づくりが

実現できます。

 

住まい手さんそれぞれの

価値基準や暮らしの文化

そしてまだ見えていない未来に関して

対話の中でそれぞれにあった

動線を見つけ出し、

無理せず片付く空間づくりの

お手伝いが出来ればと思います。

 

少しのゆとり寸法

住宅を計画する際、

それぞれの空間は

必要性に応じた寸法で

計画されることが多いかと思います。

 

でもこれに

少しのゆとり寸法を

プラスすることで、

よりホテルライクな印象に

近づけることが出来ます。

 

例えば廊下。

少しのゆとり寸法をプラスして

幅にゆとりを持たせます。

 

壁にアートを飾り

間接照明を設ける計画、

ただの通路だった廊下が

部屋と部屋をつなぐ

ギャラリースペースへと変わります。

 

もちろんご予算、

土地も含めたスペース的な問題も

状況によっては存在しますので、

何を優先し大切にするのか、

バランスをとる必要がありますが、

一見すると

無駄に思えるようなスペースが

空間に広がりと余裕を与え、

“贅沢感” を得る上で

想像以上の効果を発揮します。

 

そしてそのように感じる空間構成を

考える事が重要です。

 

あるはずのものがない

ホテルのように

スッキリと洗練された

印象の空間を目指すには、

(住宅には必ず)あるはずのものがない事が

効果的です。

 

例えば、冷蔵庫、レンジフード、

洗濯機、エアコン、

天井照明器具など。

 

これらの設置方法を工夫するだけで、

一気に生活感を感じさせない

ホテルライクな空間に

近づけることができます。

 

もちろん使いにくければ

意味がないので、

実用性も兼ね備えた

プランであることが重要です。

 

例えば、

洗面脱衣室から

洗濯機の存在をなくし、

その分洗面カウンターを

広く取ることで

印象は大きく変わります。

 

洗濯機は物干し場に繋がるエリアに

洗濯室を設けることで、

動線も整理され、

家事の効率も良い意味で変化します。

※ホテルでいうバックヤードです

 

あるはずのものがないは、

コストをさほどかけずに

ホテルライクな空間に

近づけることが出来る事も多いので、

僕もよくホテルライクな

イメージが暮らしに必要な際には

そういった提案を

間取りや空間構成、

そしてプランの中で

適所に盛り込んでいます。

 

シーンに合わせた照明

ホテルや商業施設設計の際にも

そうなのですが、

住宅の場合も

計画する上で照明計画は

非常に重要です。

 

意匠的なデザイン以上に、

照明は過ごしやすさや

居心地良さに

影響を与えると考えます。

 

僕はその灯りの事を

二次的なデザインと呼んでいます。

外からの明るさ・影等もそうです。

 

ホテルでは時間帯や

過ごすシーンに合わせて

明るさや雰囲気を

切り替えられるよう、

一つの空間でも

数パターンの照明設定が

用意されていることが多いです。

 

照明の使い分けによって、

より非日常的な空間へと変化し、

リラックス感漂う雰囲気が

演出できます。

 

住宅でも照明に拘る方が

少しづつ増えてきましたが、

それでもまだ、

シーリングライトで

空間を全体的に照らす

全般照明が主流かと思います。

 

全般照明は明るくて

空間に安定感を与えてくれる一方、

どうしても単調で

面白みのない雰囲気に

なってしまいがちです。

勿論それが悪いという訳ではありません

照明を計画する際、

ホテルと同様に

時間帯やシーンに合わせた

照明計画までをご提案します。

 

また、

空間に合わせた照明器具

ペンダントライトや

スタンドライトなども

設計の際には

コーディネートいたしますので、

ODELIC(オーデリック株式会社)、

KOIZUMI(コイズミ照明株式会社)や

DAIKO(大光電気株式会社)

NEW LIGHT POTTERYといった

照明器具メーカーや

ショールームのご案内も

気軽にご相談ください。

 

プラスαな過ごし方

ホテルといっても様々ですが、

最近ではライフスタイルホテルのように、

宿泊+食事だけではない

様々な過ごし方を提案する

ホテルが増えています。

 

プラスαな過ごし方があるだけで、

日々に変化が現れ、

いつもとちょっと違う

特別な時間を

体験することが出来ます。

 

例えば、

リビングに薪ストーブや

暖炉を設けて

見た目も温まる計画にしたり

ロウリュウもできるサウナを

ご自宅にも導入して、

デッキテラスで「ととのう」事ができるなど。

 

LDKから続く

広々とした土間テラスでしたら、

ハンモックで外気浴、

夜にはお酒を飲みながら

ナイトシアターを楽しむなど、

様々な過ごし方が広がります。

 

自分らしいプラスαを

暮らしに取り入れることで、

ホテルライクな家時間を

ぜひ満喫してください。

 

ホテル企画設計ではありませんが、

生活の価値観に

密着した空間でありつつ

住まいが日常で生み出す

大切な時間のデザインであり

毎日が特別感で溢れるような、

そんな住宅づくりの

お手伝いができればと思っています。

 

まずは住まい手さんとの対話の中で、

目に見えない部分を

一つ一つ見出しながら

最善であり最適解の提案を

丁寧にと思います。

 

暮らしが人それぞれの

ゆとりと豊かさを生み出すように。

 

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■やまぐち建築設計室■
 建築家 山口哲央
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
https://www.y-kenchiku.jp/
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