リフォームやリノベーションを
考えるケースと
建て替えに迷う事もあるかと思います。
※築約80年の古民家・リノベーションを施した事例
実際に現地の状態と
暮らし全体を含む
ライフプランからも、
迷った時の判断基準にも
色々な考え方があります。
※築約80年の古民家・リノベーションを施した事例
住宅を建ててから数年、
数十年と年月が経過していくと、
多くの方が
建物の維持管理の
悩みに直面いたします。
はじめのうちは
小規模なメンテナンスや
部分的なリフォームで
対応できることも多いですが、
30年を経過する頃には
ライフスタイルの変化もあって、
大規模なリフォームや
建物自体の
建て替えを検討される方も
出てこられます。
勿論実家を再活用して
Uターンを考えるケースも
あるかと思います。
よく相談をいただくのは
リフォーム(リノベーション)と
建て替えのどちらを
選択すべきか?。
というお悩みです。
実際に問合せも
多い内容なので
リフォームと建て替えの選択に
迷ったときの判断基準、
築年数による選択肢の違いも
少し書いてみようかと思います。
リフォームと建て替えの違い
住まいの建て替えと
リフォームは
既存の住宅を改善するための
代表的な選択肢ですが、
その違いについて。
住まいのリフォーム
リノベーションとは、
老朽化した建物を
新築に近い状態に戻したり、
現状に修繕や改修を行って、
建物の機能や
美観を向上させることを指します。
老朽化した外装の修繕、
使い勝手や
ライフスタイルの
変化に合わせた
間取りや設備の改修、
古くなった内装の改善等が
主な項目です。
大規模な改修を行って
建物の機能性やデザインを
根本的に見直し、
用途や価値を向上させる、
リノベーションは
住みやすさを向上させるという
意味合いが強いです。
建て替えとは、
既存の建物を
完全に解体して更地にした後、
新しい住宅を
建築することを指します。
基礎や柱などの
構造躯体を含めて
家全体を解体し、
更地にしてから
全く新しい建物を
建てることになります。
ゼロから全く新しい建物を
自由に設計することが
可能ですが、
法律上の制約や法の改正により、
新たな基準に従うと
以前よりも狭い建物しか
建てられなかったり、
建物の配置を見直す必要が出てきたり、
最悪の場合は
建て替え自体ができない場合も
ありますので注意が必要です。
建て替えと比較して、
ある意味では
費用を抑えながら
住まいを改装できる点が
リフォームのメリットです。
建築躯体(骨組)や基礎は
基本的に残したままの
工事となるため、
状態によっては
駆体や基礎も活かして
工事を行うことができます。
愛着のある家を活かせる
長年住み続けてきた家には
少なからず
思い出や愛着があるかと思います。
リフォーム・リノベーションを
選択することで、
外観や雰囲気を
維持したまま
現代的な機能や
要望を追加できるという
融合のデザインも
考えることが出来ます。
過去と未来の調和を
実現したいとお考えの場合は
メリットとなる可能性も
高い選択肢です。
リフォーム・リノベ-ションは
基本的に
躯体(骨組み)や基礎を
活かして行うことになるため、
計画の内容によっては
間取りの変更や
デザインに限界があります。
家を支える柱や壁の
存在している状況によっては
取り壊すことができないため、
思い通りの間取りや
広さを実現できない
場合があります。
大規模な間取り変更や
自由な設計を求める場合は、
それなりの費用も必要ですし
対応が難しく、
建て替えが必要になることがあります。
根本的な解決について、
建物が老朽化していたり、
構造的な問題がある場合、
リフォームやリノベーションでは
完全な解決ができない
というケースもあります。
例えば、
基礎や耐震性に
問題がある建物は、
部分的な改修では
十分な安全性を
確保できないことがあります。
問題によっては
大規模リフォームを行うよりも、
建て替えた方が
結果的に安価で
長持ちする場合もあります。
予期せぬ追加費用が
発生するという事。
リフォーム・リノベーションでは、
工事中に予期せぬ問題が
発覚することがあります。
勿論、事前にどこまで解体して
調査を行うことが出来るのか?
という事にもよりますが、
壁を取り壊した際に
シロアリ被害や腐食が見つかることや、
配管や配線が
想定以上に老朽化している場合、
事前の調査段階で確認できない範囲で
修繕が必要となり、
当初の見積もりよりも
コストが増加するリスクがあります。
工事が進むにつれて発生する
予期せぬ追加費用は、
予算を超えてしまう原因となり得ます。
※事前に予備費を計算しておくことがポイントです。
計画の内容によりますが、
現在の間取りに大きな不満がなく、
大規模な変更を必要としない方。
予算に限りがあり、
少しでも予算を抑えたい方。
現在の家に愛着があり、
昔ながらの雰囲気を大切にしたい方。
それぞれにあるリノベーションや
リフォームの理由はどうですか?。
建て替えのメリット・デメリット
住まいを建て替えされる場合の
メリットとデメリット。
ゼロから住宅を設計・建築できる
建て替えでは
既存建物の配置や
間取りに制約されることがなく、
白紙の状態から
間取りやデザイン、
素材選びができることが
大きなメリットです。
もともと住んでいた土地での
建て替えなので、
既存建物での問題を
考慮しながら
周辺環境や生活スタイルに
最適なプランを考える事になります。
選択によっては
最新の耐震・断熱性能に対応できる
建て替えにより
最新の耐震基準に準拠した
住宅を建てることができるため、
地震災害に対する
安全性が高まります。
また、
近年では省エネや断熱性能の向上が
重要視されており、
新築では特に最新の状態を取り入れた
居住環境を実現することが可能です。
将来的なメンテナンスの減少も
建て替え(新築)の際には有効な内容です。
建て替えのデメリット。
建て替えは、
基礎を含む家全体での
解体費用と
新築費用が必要となるため、
リフォームよりも
高額になるのが一般的です。
※費用については状況により逆転現象もあります。
家の解体費用も少し前と比較して
値上がりしています。
新築費用に加えてこの解体費用が
リフォーム・リノベーションよりも
多く必要になってきます。
※アスベスト調査や産業廃棄物処分場への費用を含む
建て替えは、
解体作業から始まり、
設計・申請・施工・検査までの
プロセスが、
リフォーム・リノベーションに比べて
長くなり、
早くて半年から1年、
通常は1年~2年程度の期間がかかります。
※建物の構造や立地条件によっては3~4年
その間の仮住まいの
家賃が発生したり、
現在の住まいから仮住まい、
仮住まいから新居へと
2回分の引っ越し費用も必要です。
※大規模なリノベーションの場合も同様
マンスリー賃貸以外は
半年~1年程度の短期間の契約に
対応していない場合も多く、
仮住まい探しが難航するか、
通常よりも高い価格で仮住まいする事もあります。
法律上の制約
建築基準法や都市計画法の
規制が細かく適用されるため、
場合によっては
以前と同じ規模や配置で
建物を建てられないことがあります。
特に、
容積率や建ぺい率、
接道義務などの規制により、
以前よりも小さな建物しか
建てられなかったり、
最悪の場合は
建て替え自体が
不可能な場合もあります。
建物が老朽化して、
建物基礎や地盤から
耐震性や安全性に不安がある方。
ライフスタイルの変化などに伴い、
大幅な間取りの変更が必要な方。
建物の建っている土地に問題があり、
根本的な改善が必要な方。
家族構成が変化して、
多世帯住宅を検討されている方に関しては
建て替えのほうが良いかと思います。
築年数によるリフォームと建て替えの選び方
リフォームか建て替えかを判断する際、
特に重要なのが
築年数と耐震基準です。
築30年の場合
築30年以下の建物は
キチンと設計されていれば
建物の構造部分も
しっかりしている事が多いため、
構造的な問題がない場合は
リフォーム・リノベーションを
選択することが良いかと思います。
屋根や外壁、
雨樋など外回りの修繕も
併せて行うことが、
建物の寿命を伸ばす上で
有効的です。
また断熱性能に
不安がある場合は
断熱リフォームも
効果的だと考えられます。
リノベーションでも対応が難しい
状態の場合は、
建て替えを検討することも必要です。
築40年以上の建物は、
1981年以前の「旧耐震基準」で
建てられていることが多いため、
耐震性が不十分で
大地震における倒壊リスクが
高くなります。
また、
建物の老朽化も
だいぶ進んでいる可能性が
高い時期となるため、
よほどしっかりと
定期的にメンテナンスされた
住宅でない場合は、
大規模なリノベーションや
建て替えを
検討することが合理的です。
内容としては耐震リフォーム、
断熱リフォームに加えて
外回りの修繕や水回り設備の刷新も
欠かせないため、
ほぼ新築並みの費用を
考えた方が良いかと思います。
また2025年4月からの
法改正により手続きも変わりますから
早めの準備で
情報を正確に把握しておかないと
引っ越し時期や予算に関して
難しい判断をしないといけない事に
なるかもしれません。
既存の建物の新築時が
子育ての最中だった方の場合は
家族構成やライフスタイルも
大きく変化している事も
重なる時期になるため、
大幅な間取り変更が
必要な場合は
迷わず建て替えを
検討されることも大事かと思います。
築50年の場合
築50年以上経過している建物は、
ほとんどが旧耐震基準で
建てられているため、
過去に大規模なリフォームが
行われている場合や、
建物に歴史的な価値や
愛着がある場合を除いて、
建て替えを視野に入れる方が
よいかもしれません。
リフォーム・リノベーションを
行う場合は
維持管理やメンテナンス費用も
考慮しながら
慎重に検討されることを
おすすめいたします。
リフォームと建て替えの判断基準、
築年数に応じた考え方、
リフォームか建て替えかでお悩みの際は、
まずは「現状の建物の状態」を
把握する事が重要です。
自分たちの暮らしのイメージと
過ごし方に対して
どのような計画がよいのか?。
考える為の判断材料の
整理整頓は大切です。
住まいの新築・リフォーム
リノベーションのご相談・ご質問・ご依頼は
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建築家 山口哲央
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
https://www.y-kenchiku.jp/
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