野に咲く花の代表種と言えば「タンポポ(蒲公英)」を思い浮かべる人もいると思います。
別名「ツヅミグサ(鼓草)」、英語名「ダンディライオン(Dandelion)」といい、非常に強健で至る所に自生しています。
タンポポの花は一見すると一つの花のように見えますが、数10~約200個の小花(しょうか)の集合体「頭花」です。
’050410「セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)」
「タンポポ」は、日本中で自生するキク科タンポポ属の総称。
’060430「カントウタンポポ(関東蒲公英)」
在来種は関東地方のカントウタンポポ、 中部地方から北に分布するエゾタンポポ、近畿以西に多いカンサイタンポポなど。
外来種にはセイヨウタンポポ、アカミタンポポがあります。
’050410「カントウタンポポ」
明治時代に外来種のセイヨウタンポポが侵入し、都市部を中心に在来種を駆逐して分布域を拡大
都市部では在来種は殆ど見かけなくなりました。
’050410「セイヨウタンポポ」
外来種の種子の重さは在来種のタンポポの半分程度で、タンポポ属の中では最も遠くに種子を飛ばすことができるため、その繁栄に大きく影響しているそうです。
’050416「セイヨウタンポポ」(撮影:)
外来種のタンポポは通年咲いていますが、在来種のタンポポは春の短い期間(3~4月:1週間程度)だけ咲きます。
’060430「カントウタンポポ」(総苞片が反り返らない)
これまで、花の下にある萼片の部分を「総苞片」と呼び、その部分が反り返っているの種が外来種、反り返っていないのが在来種のタンポポと同定していました。
’060430 「カントウタンポポ」(この株は日当たりが悪いので葉の枚数が少なく、切れ込みが浅い)
しかし、1997年にそれまでセイヨウタンポポと同定されていた個体のうち8割以上は、日本産タンポポとの交配による雑種であることが明らかになり、非常にややこしい状態になっているそうです。
’060430 タンポポといったら黄色い花というイメージですが、「シロバナタンポポ」など、花の色が黄色ではないタンポポもあります。
四国、九州には白花タンポポしかないところもあります。
’070415 西日本の人家の近くに普通に生えています。開花期:4~5月
'070422 タンポポによく似た花姿をしている「モモイロタンポポ」(Crepis rubra)(別名:クレピス、センボンタンポポ)
タンポポの近縁種で秋まき一年草。草丈は30~50cmほど。
分類ではクレピス属(フタマタタンポポ属) でタンポポとは属が異なり、同じ仲間ではありません。
'060423 茎を傷つけると乳白色の液が出ることもタンポポと似ています。
開花期は5~7月で、花色は淡いピンクですが、白花の品種も流通しています。
タンポポとは異なり、丈夫で長い茎を持っていて切り花にも使えます。
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