俺はワルポンだっ!

ちょいワルおやじを卒業したワルポンの斜め下から見た現代社会

『熟し柿』

2008-12-27 22:31:46 | Weblog
今年は柿の当たり年でした。いろいろの柿を頂戴したのです。

11月のはじめに甘柿を頂きました。木に生(な)ったまま甘くなるあの柿です。
子供の頃、学校帰りのカバンを投げ捨てて、お腹を空かせて木によじ登り、取っては食べ食べては取ったあの柿です。

「カリッ」と、かじりとり、おもむろに噛み砕いてゆくと、いつまでも「カリコリ」音がして、やがて砕けてほんのりとした甘さが口いっぱいに広がります。

「娘(鬼も)十八番茶も出花」とも言われますし、森高千里さんが「女盛りは19歳よ」と云われたのがきっかけで、歌謡曲「私がオバさんになっても」を作詞したそうですけれど、はたち前の女性のキリッとしたけがれの無いさわやかさにも似た甘柿でした。

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又、11月の上旬には焼酎でさわした庄内柿を一箱頂戴致しました。
庄内柿は、枡酒の一合枡の高さを八割くらいに見て、隅と角に丸みをつけたような形をしています。大きさもちょうどそのくらいです。
頂いてから、渋が抜けるまでの一週間ほど置いてから食べたのです。

皮をむいた柿の実は、お酒に弱い色白美人の柔肌がおちょこ一杯頂いて、ほんのりと紅を注(さ)したように恥らうような色っぽさ、滑らかな人肌のような口ざわりです。
箱を開けたばかりの柿の実は「カリコロカリコロ」口の中ではじけます。食べるごと、日を追うごとに甘味が増してやわらかに赤く熟れて行きます。
上品な甘さが柿好きには堪りません。

年増(としま)とは、その昔には20歳前後でしたけれど、最近ではアラサー、アラフォーと呼ばれる30、40歳代の女盛りを云うらしいですねぇ。
さわした柿は年増女、いえ、ほんに上品な貴婦人のよう・・・。

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ご近所の庭に生った熟し柿を12月の下旬に頂戴いたしました。写真の赤く熟れた熟し柿です。「触れなば落ちむ」状態の柿の「へた」を抜いて、そこから小さめのスプーンですくって食べました。
真っ赤に熟した実を口中に入れるとねっとりと舌にまとわりつきます。

「10年経ったら竹下さん」と歌った故竹下元首相は角さんから派閥を引き継ぐために、熟し柿が木から落ちるのを待つように雑巾がけに徹して忍従したといわれています。(ロッキード事件で角さんが失脚した後は、決別して経世会を創設し竹下派を作りました)

「30させ頃、40し盛り、50ござむしり、60過ぎたら後は灰になるまで・・・」と云うじゃありませんか。
熟し柿は大年増の「ござむしり」かも・・・

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11月の中旬に皮をむいて軒下に吊るして置いた干し柿が、一ケ月ほど経ったら写真のような干し柿になりました。どこぞの婆さんみたいに、しわしわ真っ黒で10分の1くらいの大きさに縮んでしまいました。
柿の実から滲み出た甘い汁が乾燥して白い粉が表面に付き始めました。

日が経った固めの練り羊羹のような舌触りで、甘さは濃縮されてより強くなりました。
噛めば噛むほど味が出て、濃く入れた渋めのお茶がよく合います。
ほんとうに上品な品の良い味です。

年とともに品格のある女性も沢山おられます。
瀬戸内寂聴さんや草笛光子さん、野際陽子さん・・・は年令を感じさせません。干し柿に例えては怒られますけど、いい仕事してますねェ。

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本当に今年は様々の柿を、こころゆくまで味わい堪能させて頂きました。

でもでも、女性に関しては、大昔、悪友やワルの先輩から聞いた話の耳学問です。後は想像と空想、妄想の世界ですから、けっしてワルポンが今年経験したわけではございません。

お間違え、勘違いなさらないで下さいねッ!