先だって、南房総市にある「千葉県 酪農のさと」へ行って来ました。
「酪農のさと」は、千葉県畜産総合研究センター嶺岡乳牛研究所のそばにあり、一般に開放されています。
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ここ嶺岡一帯では、平安時代から馬を放し飼いにして育て、朝廷に納めてきたのです。
鎌倉時代、戦国時代には安房国を里見氏が治め、軍馬を生産していたのですが、江戸時代になって「嶺岡牧」と呼ばれる幕府直轄の馬の放牧場となったのです。
8代将軍・吉宗は享保13年(1728年)にインド産といわれる白牛(乳牛)3頭を輸入して、この嶺岡牧で飼育し、これを基に頭数を増やし改良を進めました。
そして、牛乳を原料として、“白牛酪”という乳製品や、傷薬として使った“御生薬”の製造を行ったのです。
吉宗公が牛乳を使って乳製品を作ったのが、日本の酪農の始まりとされています。
千葉県は昭和38年5月に嶺岡乳牛研究所を“日本酪農発祥の地”に指定しました。
今でも千葉県は、北海道、栃木県に次ぐ酪農王国なのです。
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山の斜面の牧場には、ヤギがのんびり放たれていて、散歩道では、いっしょに遊ぶことも出来ます。
また、ホルスタイン種の乳牛も放牧されていて、のんびり散歩しているのを身近に見ることが出来ます。
吉宗の輸入した、歴史の産物である白牛の子孫たちは、「酪農のさと」の人気者です。
背中の肩のところに、ラクダのようなコブがあるのが特徴で、真っ白な珍しい牛です。
小高い丘の牛舎で、互いの身体を仲良くくっつけ合って寝ころんでいました。
澄み切った青い空に白い雲が流れ、山の美味しい空気を胸いっぱいに吸い込んで・・・
アルプスの少女「ハイジ」の気分に浸れます。
牧場の麓の資料館には、酪農の歴史や乳製品の作り方などについて判り易い説明と展示がなされ、人と牛の関わりを楽しく学ぶことが出来ます。
資料館の奥が嶺岡乳牛研究所で、玄関先には“日本酪農発祥の地”の大きな石の記念碑が立っています。
その隣が採種場で、今では、牛の交配は人工授精が一般的になっているそうですが、昭和5年に日本で最初の“人工授精牛”が誕生したのも、ここなのだそうです。
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更に、その奥には牛舎が何棟も並んでいました。
牛舎の中は、普通見かけるよりも少し広めに柵で区切られた区画に、牛が一頭づつ入れられていました。云わば、牛の独身寮です。
恋を語ることも、互いの身体を触れ合うことも無く、ただじっと、つぶらな瞳でこちらを見つめているばかりでした。
オス牛たちは“人工授精など、人間どもは余計なことをしてくれた!”と、怒っていましたよっ!
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