終幕。そして・・・。

桶金浴槽店は、昭和初期に碧海郡刈谷町大字中町にて開業しました。
長い歴史を経て平成２７年３月３日に幕を閉じました。

２月２１日から３月３日までの１１日間は、桶金ギャラリーとして多くの方々が店を訪れていただきました。

そして４日から後片付け。解体業者から３月８日までには空の状態にしてほしいと言われています。
昨日と今日は、３人から４人の友人・知人がお手伝いに来てくれました。

同じ町内に住む知人の知り合いが、５月ごろに安城市内で古民家風の雑貨店を開業するから建具などがほしいと言われました。
桶金の建物は開業する前からあったそうですから築１００年は経っています。
解体されてごみになるなら、欲しい人に差し上げたほうがいい。と、言うことから建具などを外し渡しました。
誰かが他のことに再生してくれることはとてもうれしいことでもあり、幸せなことでもあります。

雑貨店を開業するＳさん（女性）。古民具など興味のある方で古い戸棚なども差し上げました。

開業準備に忙しいＳさん。お礼のメールを読んでいると新しく開業する雑貨店を応援したくなりました。
雑貨店がオープンする日を心待ちにしております。

展示品はどうするの？

ギャラリーをやっていてよく質問されたことが、「展示している品物はどうするの？」です。
一部の物は、先日刈谷市郷土資料館に寄贈しました。

現在残っている物は倉庫に保管します。資料価値の高い物もあることから近隣文化施設関係の方々から大切に保管してほしいと言われています。
「企画展などを行うときに、意図にあうものがあれば貸していただきたい」とも言われています。

再開発で新しい街が、数年後生まれ変わります。このオープンの時に、昔の銀座を認識していただくために再度ギャラりーみたいなことをしたいと思っています。
後世に昔の銀座の面影を少しでも残したいという気持ちがあります。また展示した物すべてに「想い」や「魂」が入っています。
だから処分していくことはしません。

外に桶などを並べてました。「これ、持ってていい」と聞かれました。「ごめんなさい、展示品です」と答えたら「こんな汚い物が展示品か！」と怒鳴ったおばさんがいました。
ものすごく悲しくなりました。

譲ってほしいという方は何人かいました。でもすべてお断りさせていただきました。

よくわからない人

桶金ギャラリーには、いろんな問い合わせもありました。そして常識では考えれないような人もみえました。

中日新聞に掲載された時、写真が載りましたがそこに箪笥が写っていました。箪笥が写っていたからでしょうか「食器棚はありますか」と電話で問い合わせがありました。
また「米びつ売っていますか」という電話がもありました。「桶屋だから・・・。売っておりません」と答えましたが、このような問い合わせがあったことがいまだによくわかりません。

来場者の方用としてごはんのしゃもじを「ご自由にお取りください」と段ボールの中にいれて渡しました。こちらが見ていないと思ってどっさりと持っていく人が何人かいました。
２日目と３日目は神棚に置く陶器類や箱寿司用の板、昔のカンナなども欲しい人に差し上げました。３日間どっさりと持っていく人がいました。
いったいこの人たちはこんなにも持って何に使うのだろうか・・・。よくわからない。

チラシなど案内にはいっさい販売することは表記しませんでした。あくまでもギャラリーとして皆さま方に見ていただくことが目的でした。
「在庫一掃セール」と勘違いしてくる人たちが何人もいました。「商売っ気がないね」といやみをいう人もいました。

また「処分するんだから、ただでもらえるものはないかね」とわけのわからんことを平気で言う人もいました。

まだまだとんでもない事を言った人もいます。とてもブログ上では書けれない人も来ました。
常識では考えれない人たちがいっぱいいることを知りました。

ありがとう、銀座を愛した人たち

桶金ギャラりー「風の時代」も昨日で幕を閉じました。
たくさんの方が来てくださいました。狭い店内で昔話もされている人もいました。
アーケードがあった頃の写真をじっくりと見ている人もいました。
桶金にまつわるいろんなお話もお聞きしました。
亀城小学校３年生のみなさんも社会見学で来ていただきました。

昔、銀座に買い物に来た人、近くに住んでいた人、さまざまな人たちがそれぞれの想い出をもって来ていただきました。
温かいお言葉もいただきました。皆さま方ほんとうにありがとうございました。

チラシにこんなことを書きました。

変わりゆく時代の中で消えていくものもあれば、
生まれてくるものもあります。
長年ここ銀座で店を構えていましたが、
再開発によって数年後には新しいものが完成します。
少しでも人々の記憶の中に留めていただきたく
開催する運びと相成りました。

来ていただいた方が少しでも「銀座に桶屋があった。」ということをいつまでも心の記憶として残していただければ幸いです。

写真の４店舗が取り壊されていきます。すでに工事は始まりました。
桶金以外にももめんやさん、中本陶器店さん、インテリアことぶきさんも記憶の中に留めていてください。

『風の時代』千秋楽

先日の土曜日ぐらいから、リピーターの方が増えてきました。
携帯で写真を撮るよりもカメラで撮りたい、と再度訪れてくれた人。
友だちを誘ってきてくれた人、おじいちゃん、おばあちゃんを連れてきてくれた人。
また友人の口コミから来た人も多数います。

昨日は昼ぐらい前からお客さまが続々とお越しになり、一時は狭い店内がごった返しでした。
十分に対応できなかったお客様申し訳ございませんでした。

今日が最終日になります。
期間延長はできないのです。明日から店舗一部工事が入ってきます。３月８日には空の状態にしてほしいと言われています。

もし今日お時間のある方でご関心のある方、ぜひお立ち寄りください。

ソノシートを懐かしむ人が多いのにビックリしました。

【桶金ギャラリー　風の時代　終幕～ありがとう銀座中町】
　開催日：３月３日（火）まで　午前１０時～午後３時　
　会場：刈谷市銀座４－２３　三菱東京ＵＦＪ銀行刈谷支店東側
　アクセス：刈谷市公共バス「銀座４丁目」徒歩１分
　　　　　　　名鉄刈谷市駅北へ徒歩５分