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初めての競馬場  岩崎邦子の「日々悠々」(58)  

2019-11-22 04:28:15 | 【連載エッセー】岩崎邦子の「日々悠々」

【連載エッセー】岩崎邦子の「日々悠々」(58)  

初めての競馬場                    

 

    府中競馬場(東京競馬)の見学案内のメールが届いた。「生涯大学」のウォーキング会からのお誘いメールである。即刻に参加の返事を出した。競馬のことはまるで知識もないが、久しぶりに友人たちに会える楽しみが大きかった。メールには利用する武蔵野線の各乗車駅の時刻と乗る車両番号の案内も。なにしろ、この会ではすべてを取り仕切ってくれる幹事さんがいるので安心だ。

   そして11月17日、秋晴れの日曜日である。東松戸から乗る私が一番遠いことになるが、沿線の新八柱・新松戸・南流山などの各駅から乗り込んで来る友人たちと合流。10人が参加人員となった。終点の府中本町で下車すると、すでにそこは「ディープインパクト追悼」のポスターが。競馬色満載といったところだ。

   駅から競馬場へ続く広い遊歩道を通って行くが、窓からは雪を被った富士山が眺められた。昔はこの下の道路には飲み屋さんがあったりして、競馬帰りの人たちのオケラ街道とも言われていたそうだ。週末の24日には「ジャパンカップ」があるらしい。その時にはものすごい人出が予想されるので、競馬場の初心者たちは迷子になるか、競馬通の人たちに迷惑にもなるので、17日の日曜日が選ばれたという。

 競馬場の西門入り口から中に入るが、あまりの広大さに驚かされた。楕円形の場内の外の方を馬が走る造りだ。真ん中には芝の広場があり、家族連れらしい人たちがいる。馬場の向こうの方を駆けている何レース目かの馬たちが見えた。

   幹事さんの説明によると、全国で10か所あるほとんどの競馬場では右回りに走るが、ここ府中では左回り。「馬にもきっと得手不得手があるようだ」と説明された。ゴール地点の特別ステージの前に、これまた大きな映像スクリーンが、その疾走ぶりを映している。

   やがて着順の番号がアナウンスされた。この日は福島競馬と京都競馬もあるので、そこのレースの順番も掲示されていた。走る馬を観戦するため、ビュースタンドやゴール前特設ステージがある。広い芝生の向こうにも家族連れや、若い女性たちで賑わっていた。

   振り返ると大きなビルがあり、ガラス張りの5・6階には特別席があるらしい。昔は無かったという新しい建物も出来ていているようだ。子供たちが来て遊べる遊具の数々があって、ちょっとした遊園地でもある。 

   まずはJRA競馬博物館を見学。大活躍したディープインパクトが今年亡くなったので、追悼するコーナーがある。多くの有名な馬の写真と共に調教師や騎手のことや、その華々しい経歴が書かれていた。私でも知っている騎手は、武豊とそのお父さんの武邦彦、福永洋一とその子の祐一。馬ではオグリキャップやハイセーコー、キタサンブラックくらいだ。馬の好きな人たちには、堪らないコーナーだろう。

   ところでJRAのただ一つの競馬学校は白井市にある。この学校では騎手や厩務員の候補生を育成するが、入学の競争率も非常に高いという。以前、競馬学校を散歩しているとき、ここの生徒に出会った。行儀が良くて気持ちの良い挨拶をしてくれたことを思い出す。有名な武豊も昨今話題の女性騎手の藤田菜七子もこの競馬学校の卒業生であることを、一緒に行った仲間に白井市民として、ちょっぴりの自慢話をしてみた。

   次いでパドックへ。レース前の馬たちが背に出走番号のゼッケンをつけて周回して歩く姿を見て、馬の調子を見るところだ。馬券を買う前に、毛艶・気合いを見て決めるのだという。投票カードを渡されたが、出走馬の調子はもちろん、書き方さえもさっぱり分からない。傍にいた係官が丁寧に教えてくれる。

 私には複雑すぎてさっぱり理解できないが、ま、なんでも経験しておこうということで、単・復というのにした。選んだ番号の出走馬が1位から3位の中に入っていれば、配当金が出るという、一番単純なものだ。投票カードをものすごい数ある機械の一つに入れて、馬券を購入する。

 ビュースタンドに行き、改めて競馬場全体を見渡すことになった。右手の奥の方に朝見た富士山よりは空が白っぽくなってはいるが、はっきり見える。その下の方に目をやると、これから出走する馬たちが間もなくゲート入りする段階のようだ。

 一斉に出走した様子でスクリーンの画像とアナウンスが流れだす。私の選んだ馬は、全く影も見えない。隣にいた幹事さんの選んだ馬も冴えないようだ。束の間の勝敗であったが、私の前にいた若い女性が「やったー!」と歓声を上げて、席を飛び出して行った。離れた席にいた仲間の誰もが勝ち馬を当てることが出来なかった。

 負け惜しみではないが、なまじ馬券が当たって競馬狂いになるよりは、わずかな掛け金で楽しめたことが何よりである。馬券を買うことはなくても、24日のジャパンカップや、中山競馬場で行われる有馬記念(12月22日)などにも、きっと今までよりは興味が沸くに違いない。好天で、しかもぽかぽかと暖かいし、風も穏やか。周りのケヤキの紅葉も見頃の府中競馬場の見学であった。


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