名前は聞いたことあるけれど、観たことがない映画を観るブーム。原題は『BONNIE & CLYDE』なのに邦題が『俺たちに明日はない』って凄い良いセンスだ。昔の邦題はセンスに溢れてる。
クライド役のウォーレン・ベイティはともかくボニー役のフェイ・ダナウェイの肢体が綺麗で格好良すぎる。やっぱ背が高い女の子は得だわ。
田舎町のトラックドライバーがたむろするレストランのウエイトレスがチンピラに魅せられる。で付いていく。『愛と青春の旅立ち』のヒロインたちもそうだったけれど、アメリカの作品には閉鎖的な田舎町で適当な男との付き合いやその延長での結婚しかない田舎の女の子の現実が絶望として描かれる。日本の映画とかだと田舎はノスタルジーでしかない。『おんなのこ物語』とかは田舎の絶望を描いてるっぽい。
大した仕事もないから大したお金も得られない。大したチャンスも得られない。あるのは適当な男との出会いだけ。そこで高校を卒業したら、工場に勤めるか、良くてパチンコホールくらいしか選択肢しかなく、適当なところで出来ちゃって結婚する。ユニクロやしまむらで買い物をして、レジャーはジャスコやイトーヨーカドーなどの大手のスーパー。若しくはパチンコとラブホテル。ムーブをローンで買って乗り回す。そんな感じ。
ボニーもご他聞に漏れず、そういう現実からの逃避を求めてそこから連れ出してくれるクライドに付いていく。非日常を実現してくれるクライドにしたがって次々と銀行強盗までやってしまう。銀行から奪った金での逃避行は確かに非日常であり、退屈とはかけ離れたものだった。けれどもやってることはただの犯罪。強盗の中で何人もの銀行員や警官を射殺してる。正当性は無いので終局的には悲劇しかありえない。
銀行強盗を盛んにやっている前半では、ボニーは初めてクライドに出会ってから一目惚れでぞっこんで、クライドもまんざらでもないのにクライドがEDでセックスが出来ない。この時点では銀行強盗ゆえ永久に逃げ続けなくてはと怯えていた。けれども警察に銃撃され負傷した後半、銀行強盗も出来ずに隠遁していたときに初めて二人がセックスできる。この隠遁期のシークエンスではしきりに逃亡後の平和な暮らしが語られる。
ロクでもない犯罪者の映画であるので終局的に悲劇でしか終わらないのは当然なのだけれど、一瞬無軌道で自分勝手に見える彼らの行動も根本では二人の状況や生い立ちに起因しているようにも描かれる。また彼らのいた時代は恐慌時。映画の中でも彼らの単なる犯罪を英雄視して描く部分もある。銀行からは巻き上げるが、庶民からは奪わない。ピカレスクロマン的であり、義賊的な側面からも破壊とカタルシスが得られる。そして退廃も。
ラストシーンのあっけなさが犯罪者の単純な末路でありつつも、悪漢どもの末路としてはこれ以上ないくらいな華のある幕引きになっている。警官による強烈な銃撃を受けて絶命していく二人の姿はとっても美しい。主人公が死んだにもかかわらず悲しさはなく、かといって処罰感情が満たされたというようなそういったものでもなく、これもまた青春映画的な爽快さをもって映画を見終わることができる。「THE END」がこれほどまでにピンと来るのも珍しい。
クライド役のウォーレン・ベイティはともかくボニー役のフェイ・ダナウェイの肢体が綺麗で格好良すぎる。やっぱ背が高い女の子は得だわ。
田舎町のトラックドライバーがたむろするレストランのウエイトレスがチンピラに魅せられる。で付いていく。『愛と青春の旅立ち』のヒロインたちもそうだったけれど、アメリカの作品には閉鎖的な田舎町で適当な男との付き合いやその延長での結婚しかない田舎の女の子の現実が絶望として描かれる。日本の映画とかだと田舎はノスタルジーでしかない。『おんなのこ物語』とかは田舎の絶望を描いてるっぽい。
大した仕事もないから大したお金も得られない。大したチャンスも得られない。あるのは適当な男との出会いだけ。そこで高校を卒業したら、工場に勤めるか、良くてパチンコホールくらいしか選択肢しかなく、適当なところで出来ちゃって結婚する。ユニクロやしまむらで買い物をして、レジャーはジャスコやイトーヨーカドーなどの大手のスーパー。若しくはパチンコとラブホテル。ムーブをローンで買って乗り回す。そんな感じ。
ボニーもご他聞に漏れず、そういう現実からの逃避を求めてそこから連れ出してくれるクライドに付いていく。非日常を実現してくれるクライドにしたがって次々と銀行強盗までやってしまう。銀行から奪った金での逃避行は確かに非日常であり、退屈とはかけ離れたものだった。けれどもやってることはただの犯罪。強盗の中で何人もの銀行員や警官を射殺してる。正当性は無いので終局的には悲劇しかありえない。
銀行強盗を盛んにやっている前半では、ボニーは初めてクライドに出会ってから一目惚れでぞっこんで、クライドもまんざらでもないのにクライドがEDでセックスが出来ない。この時点では銀行強盗ゆえ永久に逃げ続けなくてはと怯えていた。けれども警察に銃撃され負傷した後半、銀行強盗も出来ずに隠遁していたときに初めて二人がセックスできる。この隠遁期のシークエンスではしきりに逃亡後の平和な暮らしが語られる。
ロクでもない犯罪者の映画であるので終局的に悲劇でしか終わらないのは当然なのだけれど、一瞬無軌道で自分勝手に見える彼らの行動も根本では二人の状況や生い立ちに起因しているようにも描かれる。また彼らのいた時代は恐慌時。映画の中でも彼らの単なる犯罪を英雄視して描く部分もある。銀行からは巻き上げるが、庶民からは奪わない。ピカレスクロマン的であり、義賊的な側面からも破壊とカタルシスが得られる。そして退廃も。
ラストシーンのあっけなさが犯罪者の単純な末路でありつつも、悪漢どもの末路としてはこれ以上ないくらいな華のある幕引きになっている。警官による強烈な銃撃を受けて絶命していく二人の姿はとっても美しい。主人公が死んだにもかかわらず悲しさはなく、かといって処罰感情が満たされたというようなそういったものでもなく、これもまた青春映画的な爽快さをもって映画を見終わることができる。「THE END」がこれほどまでにピンと来るのも珍しい。