90年代以降のハリウッドのビッグバジェットモノのコメディや感動系は駄目なのばっかりだなぁと思っているけど、これは。
![わたしのかなのあなた](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/14/0fd7d31d0048b38140f94ea67846a79c.jpg)
姉を救う為に遺伝子工学で人工的に生み出された妹が両親を親権一部停止を求めて訴える、という強すぎるギミックに惹かれたんだけど、実のところ内容はというと堅実な家族描写を誠実に行っているんだという驚き。堅実というのは、もちろん盛り上げる作りにはなっているんだけど、感動っぽい音楽を適当に当ててそれっぽく仕上げるなんていう邦画みたいな安っぽいことはせずに、感情を積み上げて感動を作り上げてる。
もっとも感心したのは白血病の姉、キャサリンの恋愛を描いている点。何度も悪口を言うのは何だけど邦画みたいな中途半端な恋愛描写じゃなくて、ちゃんとキスをしてセックスもする。もちろん直接的ではないけれど、何故恋愛をするのかという当事者二人の切実さを、当事者同士の独特のユーモアで描いているのが良いなぁと。単純に感動系なら恋愛は描くけど”性”は排除しそうなものだけど、ちゃんと描いてる。
しかもエピソードをそれぞれの回想として少しずつ交錯して描くので、単なる時系列を追うだけの構成だと単純に帰してしまいそうなところを巧妙に逃れていて、退屈しないしテンポもすごく良い。構成としてはある種の敵として、母であるサラが設定されているけど、決して悪人ではなく母親としての母性が肥大化しすぎた存在として描いているので、対立する存在として理解できるけど、そこにちゃんと見ている人の共感も挟み込める。親が子を思う気持ちという点でその行動も理解できて不快な敵じゃない。
ラストの妹、アナのモノローグが印象的で、「姉の死には意味なんて無かった、死はただの死だった。」といった一連のモノローグが少し言及しすぎな気もするけど、感動系作品の過剰な死の意味づけに対してメタ的でシニカルな視点から今作のラストを含めた全体の物語を構築しているのが良く分かる。感動できるけど、決して涙強盗のような強引な押し付けがましい感動映画じゃないところが非常に好感が持てる。
ギミックの回収やその真意もとても心地良い良い映画だと思う。何で妹がそういう非常手段に出なければ成らなかったのかという点も合点が行く合理的な説明が待っている。妹役のアビゲイル・プレスリンはもちろん登場シーンは少なめだけど、アレック・ボールドウィン演じる弁護士も良いキャラ(アレック・ボールドウィンは「30ROCK」から復活したのか?)。
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姉を救う為に遺伝子工学で人工的に生み出された妹が両親を親権一部停止を求めて訴える、という強すぎるギミックに惹かれたんだけど、実のところ内容はというと堅実な家族描写を誠実に行っているんだという驚き。堅実というのは、もちろん盛り上げる作りにはなっているんだけど、感動っぽい音楽を適当に当ててそれっぽく仕上げるなんていう邦画みたいな安っぽいことはせずに、感情を積み上げて感動を作り上げてる。
もっとも感心したのは白血病の姉、キャサリンの恋愛を描いている点。何度も悪口を言うのは何だけど邦画みたいな中途半端な恋愛描写じゃなくて、ちゃんとキスをしてセックスもする。もちろん直接的ではないけれど、何故恋愛をするのかという当事者二人の切実さを、当事者同士の独特のユーモアで描いているのが良いなぁと。単純に感動系なら恋愛は描くけど”性”は排除しそうなものだけど、ちゃんと描いてる。
しかもエピソードをそれぞれの回想として少しずつ交錯して描くので、単なる時系列を追うだけの構成だと単純に帰してしまいそうなところを巧妙に逃れていて、退屈しないしテンポもすごく良い。構成としてはある種の敵として、母であるサラが設定されているけど、決して悪人ではなく母親としての母性が肥大化しすぎた存在として描いているので、対立する存在として理解できるけど、そこにちゃんと見ている人の共感も挟み込める。親が子を思う気持ちという点でその行動も理解できて不快な敵じゃない。
ラストの妹、アナのモノローグが印象的で、「姉の死には意味なんて無かった、死はただの死だった。」といった一連のモノローグが少し言及しすぎな気もするけど、感動系作品の過剰な死の意味づけに対してメタ的でシニカルな視点から今作のラストを含めた全体の物語を構築しているのが良く分かる。感動できるけど、決して涙強盗のような強引な押し付けがましい感動映画じゃないところが非常に好感が持てる。
ギミックの回収やその真意もとても心地良い良い映画だと思う。何で妹がそういう非常手段に出なければ成らなかったのかという点も合点が行く合理的な説明が待っている。妹役のアビゲイル・プレスリンはもちろん登場シーンは少なめだけど、アレック・ボールドウィン演じる弁護士も良いキャラ(アレック・ボールドウィンは「30ROCK」から復活したのか?)。