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なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

冷たい熱帯魚

2011-09-11 | 授業
はじめはブルーレイを買おうと思っていたけど、これを持っているのってどうなの?と思って止めてレンタルにしました。結果的には正解だったのかと。


『冷たい熱帯魚』(映画公式)
リトルランボーズ


深夜と言うか、明け方に寝ぼけ眼で観ましたが、エログロの嵐。ぼくはやっぱり社本にしか感情移入できなかった。でもとりあえず、巨乳好きではなかったぼくが巨乳好きになった映画でした。とにかく、冒頭から過剰に性的なイメージ。中盤からセックスの嵐。胸をもんだり、股間をまさぐったり。そして村田や筒井たちといった映画の中の強者、野獣たちがセックスをするのは愛子や妙子。二人とも巨乳。

一方で主人公であろう社本は若い後妻の妙子とセックスもさせてもらえなくなっていた。見た目はさえなく、服装も髪型もまったくさえない。とあるきっかけから巨大な熱帯魚店を経営する村田と知り合って、村田のペースに巻き込まれ、村田の仲間にされてしまう。主体性があれば、拒否できたかもしれない展開も拒否出来ない。流されるままのぼくには非常に共感できる人物像だった。要は糞みたいな主人公。


ぶっちゃけよく分からんかったです。いや、ヴァイオレンス映画として面白いは、面白かったですが。いや、分からないこともないか。ラスト社本は村田に反旗を翻し、村田になる。そして娘を叱り飛ばし、娘の彼氏?をぼこぼこにし、妙子と無理やりセックスをし、すべてを清算する。いや、でもこういうやり方しか社本には残されてなかったのかなと悲しくなります。


興味深かったのは『愛のむきだし』との共通性。『愛のむきだし』の主人公たちに見られた家族関係と社本の家庭の関係性がまったく同じ。前妻が死んだ後、直ぐに若い巨乳の後妻を迎え入れたことで家庭関係は崩壊。娘への愛情は若い巨乳の奥さんへの欲情に摩り替わってしまったようで、娘は家庭内暴力を繰り返し、夜遊びをはじめ、万引きをし、村田との接点を作ってしまうことになる。親の愛の不在と言う点で類型だなと。

あと村田が「歩デイを透明にする」山小屋。山小屋の屋根には十字架が掲げられ、室内にはマリア像などキリスト教的モチーフがいたるところにちりばめられている。殺した人間を小さく、細かく解体し、透明にする場所にそういうものがある。死体を細切れにすることに悪びれるようでも、悪びれた様子も無く笑顔で解体していたのに、そういうものがあるところに”怪物”に最後の部分で成り切れない村田がいるような気がしました。



それにしても同じモチーフ。園子温監督にその辺で何かあるんでしょうか。にしても、『ヒミズ』。主演女優は二階堂ふみなんだ。二階堂ふみは映画でもっと観たいですよ。『恋の罪』も観たい!

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