NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

イングマール・ベルイマンへのオマージュ溢れる飛躍、犯す女~愚者の群れ~

2020-07-17 | 備忘録
-『犯す女~愚者の群れ~』(公式)
犯す女愚者の群れ



城定秀夫監督の作品はピンク映画だけれども、だからこそかもしれないけれど自立的な女性が多い。そしてとても映画的な映画が多い。そして映画的な”飛躍"が多い。そしてシネフィル的な引用がとても多い監督だと思う。



本作も所謂ピンク映画。主人公は浜崎真緒さん演じる主婦。夫が愛人と性行為をしているところを愛人ともども殺害し、逃走。逃走中に車に轢かれて、彼女を轢いた犯人となんだかんだで一緒に暮らすことになるというおかしな設定も何故か城定監督が撮ると不思議と受け入れられてしまう。しかもほのぼのトーンになってしまう。そこからラストの大どんでん返し。どんでん返しと言うか、映画的な飛躍が心地良い。「愚者の群れ」と言うサブタイトルを考えると、ラストの飛躍はフェリーニではなく、ベルイマンの『第七の封印』だろう。

古い映画を観ていると今の映画を観た時にこんなに感動するのだと。ゴダールやジャック・タチの引用と言うかパクリを繰り出す北野武より私は城定監督の引用が大変心地良くて大好きです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿