新潮文庫。「孤高の人」新田次郎作。
間もなく上巻を終える。
前にも書いたが
高校入学して間もない頃の初読以来30余年ぶりの
再読である。山岳部のエースであった?オイラは
これを読んだからというわけではないが、少なからず
触発され、高校3年間を山を登るという行為に没頭
したもんだ。
主人公「加藤文太郎」は大正から明治初期にかけて
実在した人物で、神戸の地で山登りを始め、最終目標を
漠然とではあるが、ヒマラヤと定め、目標到達の
プロセスとして北アルプスを夏、そして冬と攻めに
攻め、ついに・・・・その先は読んでくださいな。
彼はどこへ登るのも一人。登山特に冬山登山は数名の
パーティーを組んで仕組むのが常識だったにもかかわらず
いつも孤独感と葛藤しながらなぜ山に登るのか、自問
自答しながら一人で挑み続けた。そこらが高校入って
山登りを齧りだしたオイラにとっては共感はできず、
実践もできなかったが、「憧れ」であった。
あの頃抱いていた想いは、とうの昔に形を変え、
色を変え、物量を減らし、山は遠くにありにけり状態
となってしまったが、この再読で何か思い出せるだろうか?
楽しみである。
明日は、オイラの山男としての原点だった藤原岳の
麓にある聖宝寺へ紅葉でも愛でに行って来ようか?
秋の夜長・・・みんなも読んでみ?
新田君の長編山岳小説。読み応えは十分すぎるほどあるよ。