あべちゃんの写楽生活

撮ることが楽しいのか、楽しいから撮るのか

親父もだまされてたね

2015年02月26日 00時58分40秒 | 写真

 

死んだ親父の自慢の品、それはカルティエのライター。

香港に旅行に行った際、買った物だ。

当時の金額で10万円したそうだ。

今はそうではないが、当時香港には偽物がいっぱいあって、

日本人観光客がけっこうだまされていた。

親父には、だまされないという自信があった。

いっしょに旅行に行った友人に時計商がいたのだ。

彼は商売道具のルーペ持参で色々アドバイスしていたようだ。

親父は、

「みんな店先に並んでいる安物ばっか買うけどよ、いいもんは店の奥に隠してあるんだよ」

と言い、店主とのやり取りでいかに自分が賢く振る舞ったか自慢していた。

 

そんな親父が死んだ今、

「これって、本当はどれくらいの価値があるの?」

「高かったら、とっとと売ってうまいもんでも食うべ!」

と思った。

さいわい現代はインターネットというすごいツールがある。

さっそくググってみた。

 

あった、あった。

色も形も製造型番もピッタリ。

ギャランティーカードもあるし、まさしく本物。

しかし、親父の思惑と一つだけ違う所があった。

それは

「本物も金メッキ仕上げ」

だったこと。

笑った、笑った。

偽物だから金メッキ=これ、いつものパターンね。

本物だけど金メッキ=今、これ。

 

「これはなぁ、金ムクなんだぞ、持ってみろ、重いだろ」

親父はすべて金でできていると思っていたようだ。

当時の私も、

「重い、さすが金ムク」

と本気で思っていた。

しかし大人になった今、冷静に考えれば、たとえ純金ではなく18金でも

金の延べ板を加工してこのライターを作れば、材料費

だけでも10万円以上してしまう。

なぜ、この時は気がつかなかったのだろう。

それでも、「買い取り専門ザ・ゴールド」で恥ずかしい思いをしなくて済んだ。

あぶない、あぶない。