出会ってから30年以上もファンを続けているもの。
それはシャネルNo.19。
しかも琥珀色の香水ではなく、緑色のオー・ド・トワレ。
ではシャネルNo.19とは。
もともとNo.19はシャネル自身が使うプライベート香水として
製品化されていなかったのです。
それを1970年に商品として売りだそう、ということになったのです。
19という数字は彼女の誕生日です。
No.19が発売されてから数ヶ月後に彼女は亡くなってしまいました。
このNo.19というのはグリーンノートの傑作で、
私自身これよりすぐれている、と感じている物はいまだにありません。
それも香水ではなく、トワレ。
トワレです、お間違えなきように。
しかも困ったことに、人がつけているのではなく、瓶から立ち上がる
うわ立ち(トップノート)が好きなんだなあ。
これはすごい、まさに傑作。
しかもお手軽、瓶を嗅ぐだけていい(笑)。
「香水とトワレって同じじゃね?濃いか薄いかだけで。」
たしかにそうですが、トワレはアルコールの含有率が高く、すぐに香りが
拡散しますが、せいぜい2~3時間で消えてしまいます。
香水は濃いため長く香りが持続しますが、香る範囲は狭くなります。
両者の違いは濃さだけのはずなのですが、いろいろ難しい作用
が働いてニュアンスの違うものになっているのではないでしょうか。
そこまでしか私にはよくわかりません。
とにかく違うの!違うものなの。
香水の統合されたオーケストラの香りより、アルコールによって拡散
されたイントロのピアノソロが私は好きなのかもしれません。
ちなみにこれはシャネルNo.19 オー・ド・パルファム。
香水とオー・ド・トワレの間の濃度です。
どうだろ?うーん微妙に違う。これじゃぁ・・・ない。
25年前のシャネルNo.19 オー・ド・トワレ。
今はもう発売されていない通常ボトルです。
使ってなくとも85°のアルコールなので、減ってしまいます。
でも、まだこれだけ残ってます。
香りは?・・・完璧。
おまけ
オー・ド・トワレ、オー・デ・コロンはアルコール度数が高ければ高い方が
良いとされています。
日本で発売されている、いわゆる「高級品」と称されるものは
ほとんどアルコール度数80°以上です。