ABE GUITARS

ギター・ウクレレ制作
フレット楽器全般 修理調整

デザイン全史

2018年03月01日 | その他
昨年購入した本の中での一押しは、何といっても「デザイン全史」。広告で、ギターも載っている事を知り、デザインという観点で他の分野とも比較しながらギターを捉え直したいと常々考えているので、これは入手しなければ、と思ったわけです。


デザインの基本から解きほぐし、多岐に渡る分野を横断的に紹介しています。


ギターのページは、専門書ではないのでザックリとした内容ですが、とりあえずコンパクトにうまくまとめてあるなと感じます。


手に入れるまでには紆余曲折ありました。広告を見たその日にネット書店でチェックしたら、すでに売り切れ。増刷があるかどうかもわからず、さらには倍くらいの価格で転売されていたため怒り心頭に発し、出版社に問い合わせたところ「ただいま、増刷中ではございますが、国際共同印刷方式をとっておりますため数カ国版まとめて海外で印刷するなかで日本語版も増刷する、という手順を踏んでおり…お近くの書店でご予約頂ければ出荷再開直後にご入手いただくことも可能です」との丁寧な返答。ならばと注文するために近くの書店に行き、無いだろうなと思いつつも一応美術コーナーを見たら、1冊あるではないですか。迷わず即買いしたのは言うまでもありません。

パラパラとめくっているだけで楽しい本ですが、さらっと書かれている一節に、今後の指針を得た思いです。

「…多くのデザイナーは、『良いデザイン』について論じ、その評価基準は、人によって微妙に違うとは言え、機能的で使い勝手に優れ、見た目も申し分なく、かつ値段に見合うもの、という点ではおおむね一致している。そしてまた、革新的かつ年代を超えた実用性が、『良いデザイン』の条件として挙げられる」(p13)

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スタジオ撮影

2017年12月13日 | その他


諸般の事情で、これまできちんと撮影できなかったギターを、オーナーにお願いしてお借りし、先日、某写真スタジオにて撮影を行いました。

撮影のたびに思うのは、計算して狙ったような効果を得ることは、かなり難しい、という事です。光の加減、被写体の素材・色、配置による印象の違い…写真を構成する要素を考えるとキリがないので、そこはカメラマンの経験から来る「勘所」に頼らざるを得ないわけですが、それでも単に「お任せ」するわけにはいかず、自身の狙いを的確に伝える事が一番大事なポイントで、いわばディレクター的な要素が必要になってきます。その「ディレクション」を基にしてやり取りしながら、最終的な落としどころを探っていくわけです。これはある意味、どんな仕事にも共通する事だと思うので、自身の仕事にフィードバックさせることも考えつつ、撮影に立ち会っています。

ホームページには、年明けにアップする予定です。

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テツ and トモ 再び!

2014年10月18日 | その他
テツ and トモの再来です。山形での仕事の合間に寄ってくれました。


ワーナーから新曲「ほろ酔いブルース」を出したので、そのキャンペーンの話を聞いたり、昔話をしたりして、楽しい時間となりました。

サイン入りのポスターもらっちゃいました。プレミアつくかも?


作詞作曲は、大御所です。


10月21日(火)、NHKの歌謡コンサートに出演するそうなので、皆さん、是非見てください!私は普段、あまりテレビを見ませんが、早速スケジュールに入れました。竹馬の友の活躍を応援したいと思っています。

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テツ and トモ 現る!

2014年03月16日 | その他
先日、テツ and トモが現れました。



記念写真を撮るという習慣が私には基本的にはないのですが、今回はせっかくなので、撮ることに。しかし、周りにはシャッターを押してくれる人が誰もいなかったので、トモがシャッター押してます。

トモが竹馬の友であることは以前立ち寄ってくれた時の記事でお伝えしました。今回は山形でのいろいろな番組収録の合間を縫って立ち寄ってくれました。

実は今月初め、NHK山形放送局の番組今夜はなまらナイトの公開放送があり、応募したところ当選してしまったので、観覧に行ったのでした。人気番組なので「コアなファンが早くから並ぶに違いない」と思って結構早めに行ったら3番目くらいでした。つまり、コアなファンとは私だった、ということになるのですが…。おかげで最前列でした。本人には行くと連絡していたものの、さすがに最前列だとは思っていなかったようで、ということは早い時間から来た証なので、その辺に恩義を感じたのかわかりませんが、「来てくれてありがとう!」と律儀に挨拶に来てくれたのでした。持つべきものは「トモ」ですな。

彼らは最近、ワーナーから桜前線という曲をリリースしました。「狩人」っぽくて、私は気に入りました。

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テスト塗装中

2013年05月21日 | その他
端材を使って、テスト塗装をやっています


#16の時に失敗し3度もやり直しをしてしまったので、同じ過ちを犯したくない!という一心でやっています。改めて勉強しました。

日本語で読める、それなりの解説がなされている本は、私の知っている限りでは、とりあえず2冊、しかも、個人レベルから大規模な工場レベルまでを網羅して、幅広く概説している本なので、本当に知りたいところは詳しく書かれていません。


なので、読むのは専ら英語の本です。特に"GUITAR FINISHING STEP-BY-STEP"は、ギターに特化しているので、詳しく解説されています(当たり前、ですけど)。


以前も読んでわかっていたつもりだったのに、誤解しているところもあって、前回の失敗の理由も自ずからわかり、己の不勉強を嘆きました(とはいえ、「本を読む」という意味で不勉強だったからこそ、失敗することにより、本には書いていないことを学ぶことができたわけで、そこには逆説的な構造が存在します)。

塗装というのは、単純に塗料を塗布する、ということではありません。特に今回はテストなので、材料・目止めの種類・着色の有無・ツヤ消しかツヤ出しか…そのバリエーションと工程を考えるだけで数時間を要しました。更に、工程通りにやればいいというものではなく、やっている途中でも「何回塗布すべきなのか」「適切なインターバルの時間はどうなのか」「どこでペーパーを挟むべきなのか」「挟むとしたら、しっかり当てるべきなのか、軽くやる方がいいのか」etc...試行錯誤の連続で、考えている時間の方が圧倒的に多いくらいです。考え出すと、考え得る全てのバリエーションをテストすることは、絶対に、とは言わないまでも、一生塗装で生きていくのならともかく、与えられた時間内で試すことは不可能、ということに気づき、適度なところでの妥協を余儀無くされます。しかしそれでも、相当緻密に計画しないと、良い結果は生まれません。製作全般に言える事ですが、特に塗装は、その費やした時間と、結果の満足度が単純な比例関係には無いことが、嘆かわしいところなのです。

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マスキングテープ

2013年04月20日 | その他
今月初め、仙台で塗装・塗料関係の催しがあったので行ってきました。いきなり行って入れるものではなく、塗料を扱っている業者のみが、取次店経由で参加できるという仕組みです。一応、そういう業者に認められているわけです。

といっても、展示ブースは建築・自動車関係が大半で、ギターの塗料・塗装そのものを扱っているわけではありません。なので、とりあえず勉強になる、程度の内容なのですが、意外な製品との出会いがあったりもするので、業種は違えど侮れません。

実は、一番の目的は「サンプルのマスキングテープをもらうこと」です。テープメーカーがかなり出展しているので、会場をぐるぐる回って、何度も「初めて来ました」みたいな顔をして、ちょっと質問して「なるほど」と頷きながら、一杯もらってきました。これで半年くらいは持ちそうです。



マスキングテープの選択は、実は生死を分ける程の、というと大袈裟ですが、かなり重要なポイントなのです。これまで何度泣かされた事か…よくあるのは、フレットすり合わせの時に指板をマスキングし、終わってテープを剥がす時に指板サイドの塗装が一緒に剥がれてしまう、というものです。或いは、テープを貼った部分の塗装が、剥がれないまでも、テープの糊によって塗膜面に悪影響が生じ、バフがけや最悪の場合再塗装を強いられる、ということもあるのです。

なので、選択の際の一番重要なポイントは「粘着力が弱いこと」です。そしてもう一つは「切れやすさ」、力を入れずともササッと切れてくれないと、作業性が悪くて困ります。

今回もらったサンプルで、結構いい感じだったのは

カモイ ミント


これは一番粘着力が弱い。しかし、弱すぎて剥がれてくることもあるのが残念。

ニチバン 2541


カモイに比べると、適度な粘着力で気に入りました。しかし、惜しいことに、切れ味が悪く、作業性は劣ります。

結局、いつも使っている
ニットー 7286


これに落ち着きますね。粘着力と切れやすさが両立している、稀有なテープです。ニットーさんのブースで、ベタ褒めしてきました。

今後も、マスキングテープの探求は続きます。
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ASIA&GAL

2011年07月02日 | その他
ここ数年、特に昨年後半くらいから、己の技量・知識・経験の無さと至らなさを痛切に実感し、もっと研鑽に励まなければ…という思いが募っています。ローマは一日にして成らず、一朝一夕に身につく類のものではないことはわかっていても、何か新しい展開の必要性を感じ、昨年末、ASIA(Association of Stringed Instrument Artisans)とGAL(Guild of American Lutherie)にメンバー登録しました(正確な日本語訳は困難ですが、字義に忠実に訳すとすれば前者は「弦楽器職人協会」後者は「アメリカ弦楽器製作家協同組合」とでもなるでしょうか)。リベッキー工房にいた時にも登録していたのですが、帰国後、更新せぬまま時が過ぎてしまい、改めての登録となりました。

メンバー登録自体は、技量の向上を保証してくれるものではありません。結局は己自身の努力によってでしか向上はありえませんが、双方の定期刊行物には楽器制作上の技術的に有益な情報が盛り込まれているので、大いに意欲を喚起されます。メンバーであることは「努力と意欲の促進剤」を補給してもらっているようなもの、と考えています。

年頭に送られてきたASIAの冊子"guitarmaker"のバックナンバー


近年はカラーで写真主体になっていますが


10年前はモノクロ且つ文章中心、という感じです。

これはトム・リベッキーの寄稿文↑

こちらはGALの今年度春号


同じく、10年前のものはモノクロ


これはリベッキー流アーチトップ製作の記事です↓


意欲を喚起されたら早く作れ、という声が聞こえてきそうですが…精進します。

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#014 ARTISAN OM-C 納品となりました

2011年06月18日 | その他
#014が本日納品となりました。世の中に数多あるギターの中から、選んでいただけたというのは大変ありがたいことです。

ギターを納品する時は嬉しくもあり寂しくもあり、二律背反的な感情が常につきまといます。とはいえ、感傷に浸っているわけにはいかず、唯一手元にあったギターを納品したということは「在庫が無い」ということであり、それは経理的には良き事ですが営業活動には支障をきたすことでもあるので、早急に試奏用を作らなければなりません。と同時に修理もあり注文品もあり、多忙な日々は尚続く…。

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怪我をしまして

2011年03月07日 | その他
ナイフを使っている時に滑ってしまい、左手人差し指を切って結構な出血。これは縫った方がいいかも…と思ったくらいに深い感じでしたが、しばらく止血してカットバンを数枚貼ったら何とかなりました。しかし、作業性は当然悪くなって、ただでさえ遅い作業が更に遅くなり、予定していた作業は全部はこなせませんでした、残念…。

病院に行くほどの怪我に遭遇したのは過去2回。ヤイリギターに入社したての頃にベルトサンダーに指を取られて左手小指の爪が飛び、現在も歪な爪しか生えません。昨年秋には、バンドソーのスイッチを切った後、回っている歯が止まる寸前に切削物を取ろうとしたところ、右手親指が歯に触れて切れてしまい、かなり深くて三針くらい縫いました。このくらいで済んでよかったと思える程度だったのは幸いですが、同じようなシチュエーションで、いわゆる「ヒヤリ・ハット」の経験は山ほどです。「気をつけよう」としか言い様がありませんが、怪我を防ぐ抜本的な対策はないものでしょうか。
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トモ有リ遠方ヨリ来タル、亦タ楽シカラズ乎

2009年12月04日 | その他
先日、突然テツandトモのトモの来襲を受けました。

 

彼とは小学校の時からの、いわば「竹馬の友」で、一緒に遊んだ仲なのです。高校卒業後、それぞれ県外に出て以降は、お互いの消息がわかる程度の繋がりで、ましてや「何でだろう」ブレイクの後ではすっかり「ブラウン管の向こう側の人」になっていたので、立ち寄ってくれるとは思いもよらず、唐突の訪問は嬉しいハプニングでありました。

彼はモーリスを愛器として弾いていますが、不具合が生じたということで見せてもらったところ、ブリッジとトップのブレイシングに剥れがあるため、ブリッジ前側のトップにへこみが生じていました。「これは緊急に直した方がいいよ」と伝えると「仕事の都合ですぐには預けられない」との返答。レギュラー出演している、NHK山形放送局製作の今夜はなまらナイトのため来月も山形に来る予定なのでまたその時にでも、ということで、改めて検討してもらうことになりました。

蛇足ですが、山形弁だけで成り立っているこの番組、実は私も密かに見て(聞いて)います。ちなみに前出の会話を山形弁に変換すると「こいずはすぐ直した方がいいのんねべが」「しごどの都合あっから、すぐはあずげらんねんだず」ってな感じです。

*写真は本人の了承を得て掲載しております。
*テツandトモのコラム(12月21日付)でも紹介されています。

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#010 ARTISAN OM お嫁入り

2009年02月01日 | その他
2006年12月にサンプル用として作ったARTISAN OMが、先日とうとうお嫁入りしました。昨年の5月頃からラブコールを頂いていたのですが、営業用・試奏用として手元にあるサンプルはこれ1本だったため、当方の都合で納品を延ばしてもらっておりました。
2005年9月、仙台での展示会を企画した折、事前にライブハウス・スタジオ・ジャズ喫茶等に赴きチラシを置いてもらうなど、営業活動に勤しみました。展示会の趣旨などを説明しても「?」で、単純にチラシを置いてもらうだけのお店も多かったのですが、泉中央にあるcafe B.B.というお店では、マスターと直々にお話をし、趣旨を深く理解して頂いた上でチラシを置いてもらったのでした。
展示会終了後は何かと忙しくなってしまい、なかなかB.B.さんには伺えなかったのですが、ある時たまたまお会いした方が展示会に来て下さった方で、B.B.さんの常連さんだったことが判明、それを口実?に久しぶりにお店に伺ったのは一昨年の11月。そこでギターの修理を承り、完了後納めに行ったのが昨年の3月。その時たまたまお店にいらっしゃった常連の方にこのOMを弾いてもらったところ気に入っていただき(その場で即、ということではありませんが)今回の納品となったのです。「納品」という一言にも、このように長いストーリーがあり、楽器店に置いて売ってもらうという方法と一味も二味も違うところが、個人で営んでいる醍醐味なのかもしれません。
それにしても、人の縁とは不思議なもので、いろいろなところでつながっていることを改めて実感します。そういう縁の中で仕事をさせてもらっていることを忘れずに、これからも精進したいと思います。
ちなみに、岡崎倫典さんに弾いてもらったギターは、このOMです。キズもついていますが箔もついてます。

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