ABE GUITARS

ギター・ウクレレ制作
フレット楽器全般 修理調整

#008 ARTISAN OM

2009年02月28日 | 作品
2005年に完成したOMが修理のため戻ってきました。
 



落としてしまって、ネックにヒビが入ってしまったということですが、幸い木部までヒビは入っておらず、ペーパーを当てて塗装で対処することになります。


このギターは、大学時代に大変お世話になった方からオーダーして頂いて制作しました。かなりの思い入れがあります。ヘッド裏面にはご本人の希望でネーム入れを施してあります。


いい感じのクラッキングが入っています。塗装が乾いてきている証拠です。


かなり激しく弾いている様子が窺えます。まさに「弾き倒し」ている、という感じです。ここまで弾いてもらえて、作り手としてありがたいことだと思います。


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L-00 修理完了!

2009年02月27日 | ナット・サドル作成・調整
フレットすり合わせを完了していたL-00、ナット作成です。
1・6弦の位置を決めて


各弦の溝を切り込み、高さを調整して


磨いて作成完了。


サドル調整をして、PUを取り付けて、修理完了です。

怒涛のフレット交換、ようやく1本完了しました…。

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ストラト カラーリング後

2009年02月27日 | ネック関連
ストラトの指板塗装はカラーリング後、クリアコートを重ねています。


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カラーリング 試行錯誤続行中!

2009年02月26日 | ネック関連
ストラト指板面のカラーリングは、その後2度ほどのやり直しを経て、ようやく納得のいく色合いとなりました。が、フレットきわ部分に色ムラが生じ、補色も難しいので、思い切って木地着色へ変更することにしました。
木地着色の一番の利点は、工程的に楽な事です。着色後はラッカーを重ねていくだけだからです。欠点は、木地によっては色ムラが激しくなってしまうことがあり、狙った色を出せるとは限らないところです。
スプレー吹きの長所は、木地の状態に左右されずに均一な色合いが出せる事。短所は塗膜が木地着色に比べて若干厚くなってしまうことです。
木地着色は端材などでテストをしてから行うのが普通です。今回は同じような色肌のメイプル材が手元になくテストが行えず、木地着色を選択した場合は一発勝負になる恐れがありました。このような条件を勘案した結果、フレットきわの処理の難しさがあるとはいえ、敢えてスプレー吹きを選択したのでした。が、思ったよりも色ムラが生じたため、時間的な制約等を考えて木地着色への切り替えを決断したわけなのです。



色ムラは思ったよりもありませんでした。しかし、色の均一性となると、スプレー吹きには若干劣ります。が、何事も完璧は無理なので、決断して取捨選択し、次のステップへ駒を進めます。

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ストラト指板面カラーリング 試行錯誤中

2009年02月25日 | ネック関連
フレットすり合わせ続行中ですが、平行してストラトの指板面塗装を進めています。ウッドシラー後、サンディングシーラーを4コートほど吹き付けてカラーリングに進んだのですが、色合わせがいま一つ納得いかず、敢え無くやり直しとなりました。
ネック厚み調整の項でも触れましたが、カラーリングには「色の因数分解」が必要で、同時に木地の色を考慮する必要があるため、オリジナルカラーに近づけることは至難の業です。今回はヴィンテージアンバーを吹いた後、薄い赤系で補色すればOKと思ったのですが、黄色が強すぎ、そのまま他の色を重ねても目指す色合いは出せない、と判断しました。そのままトップコートを重ね、層ができてしまってからのやり直しの判断では時間のロスになるため、納得いかなければ早めの決断が得策なのです。
カラー拭き取りにはラッカーシンナーを使用。ウッドシーラーの層を残すことができ、再度のカラーリングが楽になるからです。因みに、アセトンでは溶解力が大きいため下地まで落ちてしまい、ネック側の塗装にも影響が出る恐れがあるため、こういった場合には適しません。
拭き取った後の指板面は、カラーリング前の状態よりも平面が綺麗に出ていました。サンディングシーラー吹付後にペーパーをしても平面をうまく出せなかったので、正直なところ、これでよかったと思ってしまいました。怪我の功名というか、皮肉とでもいうか…。また一つ「経験を積んだ」ことになりますが、経験というものには本当に時間がかかり、本当に忍耐を要するものだと、切に思います。

(*)画像はありません。「試行錯誤」とは言え、やはりそれなりに動揺したので客観的に作業を捉えることができませんでした。そこをサッと切り替えて、自身を客観視できたら、修行も堂に入ったと言えるのでしょうが、そのレベルにはまだまだです。

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怒涛のフレットすり合わせ!その1

2009年02月23日 | ネック関連
フレットすり合わせはまとめて7本です。まずは、指板面塗装が必要なストラトから。


平面を出して


各種ファイルで成形していきます。



仕上げはペーパーとマイクロメッシュで


綺麗になりました。


ラッカーウッドシーラーを吹きます。今後サンディングシーラー・クリアコートを合計おおよそ15回くらい吹くことになります。


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怒涛のフレット交換 所感

2009年02月22日 | ネック関連
怒涛のフレット交換は、とりあえず一段落しました。これまでも多くのフレット交換を経験してわかってはいた事ですが、こうして複数をまとめてやってみて改めて、その難しさを知った、という思いでいます。作業の方法は同じであっても、ギターが違えば、全く同じようには進まない、というところが難しい。具体的に言うと、指板材・指板アール・スロットの状態・フレットの太さ…などが絡み合っているため、それぞれのギターの性格を把握しつつ進める必要がある、ということなのです。例えば、今回使ったフレットの太さ(クラウンの幅)は、チャキが0.090"(2.290mm)、他は0.080"(2.030mm)で、太いチャキの方が当然入れにくいと思っていたのですが、圧倒的にストラトの方が入れにくいと感じました。チャキはストライプド・エボニー指板、アールは7.25"-9.5"-10"という円錐指板(*)で、ストラトはメイプル1ピースネックでアールが7.25"の円柱指板(*)でした。おそらく「フレットの太さ」という要素よりは「指板材」と「指板アール」という要素の方が「フレットの入りやすさ」を左右した、ということなのだと思います。ハンマーで打ち込む時も、強く叩けばいいというものではなく、かといって弱くては入らないし、叩き加減も一様にはいきません。そのような条件下で、いかに均一に仕上げられるか、が技術者としての課題です。もっと経験を積まなければならない、と今回また改めて実感しました(もちろん、プレイヤーの立場からは何の問題もないレベルの仕事をしています。当然、修理前に比べれば圧倒的に弾きやすい状態です)。
(*)円錐指板と円柱指板に関しては、機会を改めて考察したいと思います。

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怒濤のフレット入れ!その2

2009年02月21日 | ネック関連
やり残した2本、フレット入れです。
ヤマキはバインディングがあるので、少々勝手が違います。




チャキは若干アールがきついので、少し入れにくい感はあります。


これでようやく4本のフレット交換+2本のフレット入れ直しが完了しました。今後はエッジの面取り→フレットすり合わせへと進みます。

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怒涛のフレット入れ!その1

2009年02月20日 | ネック関連
いよいよフレット入れです。色々なやり方がありますが、私はハンマーで入れる方法を採用しています。

↓愛用のバンマーと、フレットの端をほんの少し曲げるための特殊なニッパ


フレットのエッジに隙間がないかを確認しながら入れていきます。


L-00


D-28   これは12フレット以降で、交換ではなく、元のフレットの入れ直しです。

次の工程

ストラト メイプルはローズと比べると堅いので、若干入れにくい感じはあります。


フェンダー  これも入れ直し


ヤマキとチャキもやって、一気にフレット入れを完了させようと思っておりましたが、修理の新規受付等あり(またフレット交換です!)、明日以降に持ち越しとなりました。

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怒涛のフレット入れ!の準備

2009年02月19日 | ネック関連
いよいよフレット入れに入ります。サイズに合わせてフレットを切っていきます。


4本分+打ち直し分2本、合計6本分のフレットです。
早速打ち込み開始、という訳には行かず、その前に準備することが結構ありまして…


ヤマキの様にバインディングがある場合は、専用のニッパでタングの両端をバインディングの厚み分切らなければなりません。



そして、スロットのエッジのチッピングを避けるために、ヤスリで面取りをしておきます。


指板修正をしてスロットが浅くなったため、専用ノコで深さを調整。


ノコで端の方まで深くするのは限界があるので、両端はナイフを使います。


チャキその他も同様にスロットの深さなどを調整し、指板面をクリーニングして、ようやくフレット入れの準備完了です。ここまででも結構一苦労なのです。


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またまたフレット関連の修理追加です!

2009年02月18日 | ネック関連
1997年製MARTIN D-28をお預かりしました。やはりフレット関連のリペアで、すり合わせをすることになりました。
 

ネックは14フレットまでは良好なのですが、それ以降は持ち上がっていて、そのまますり合わせをするとハイポジションのフレットが薄くなってしまうため、12フレットからフレットを外して、


指板修正をし、


一連のフレット交換・すり合わせの修理と一緒に進めることにしました。


これで、フレット交換は4本、打ち直しは2本、すり合わせは7本になりました。ほんとに怒涛、です…。

次の工程はこちら

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Yamaki・Chaki インレイ加工

2009年02月17日 | ネック関連
ヤマキとチャキはフレット入れの前に、取り外してあるインレイを再び入れます。指板の修正で溝が浅くなっているため、ノミ等を使って深く加工します。


隙間はローズダストで埋めて瞬間接着剤で固めます。




チャキも同様に



結構根気の要る作業で、どっと疲れました…。

指板面を今一度クリーニングして、フレット入れに進みます。

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YAMAHA L-15 ヒーター修正

2009年02月16日 | ネック関連
ヤマハL-15はヒーター修正を行っています。



現在フレット交換進行中の5本のギターにフレットを打ち込んだ後、まとめてのすり合わせを予定しているので、そのスケジュールに組み込むための準備です。

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怒涛の指板修正!

2009年02月15日 | ネック関連
5本まとめての指板修正です。

まずはストラト。塗装があるのでちょっと手間がかかります。


続いてヤマキ


その次はL-00


そしてフェンダー


最後にChaki


ストレートエッジを使って直線性を確認しながら作業を進めるわけですが、それぞれ元の状態が違い、またそれぞれラディアス(アール)を考慮する必要があり、方法論としては共通ですが、十把一絡げというわけにはいかないのが難しいところです。


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インレイ加工に関する考察

2009年02月14日 | ネック関連
ヤマキ・チャキ共にインレイは薄くなっていました。特にチャキのインレイは、場合によっては交換が必要、くらいの薄さでした。
一般的にインレイ加工は
指板にインレイを入れる→指板をネックに接着→ラディアス(アール)加工
という工程を踏みます。状態によっては指板の削り幅が大きくなることもあり、その場合は同時にインレイも削られて、結果薄くなってしまう、という訳です。
指板修正にも耐えうるインレイの厚みを確保するためには、ラディアス加工後のインレイ埋込みが理想で、そうすればインレイの削り幅は最小限に抑えることができます。オリジナルのギターを製作する時は、私はそのようにしています。
「修理調整が永遠に不必要」というギターは存在し得ない以上、「後々の修理のことを考えて製作されるべきだ」と、このような修理をするたびに思うのですが、特に量産のギターはそういう訳にもいかない、という事情もわかるので、とりあえずは対処療法的に修理をしていく他はありません。
メーカー側としては効率的な生産が必要なので仕方がありませんが、それでも、できるだけユーザーに負担をかけない構造にして欲しいものです。しかし、そういう構造だからこそリペアの仕事が成り立つとも言え、ギターの構造と修理との関係は大きな矛盾とパラドックスとを抱えている、と感じます。

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