標高 2296.3m 長野県
2016年8月7日(日) 晴れ
メンバー 私単独
コースタイム 6:44仲仙寺駐車場(?)6:54--7:50四合目7:58--8:28五合目--8:53六合目9:00--七合目--9:55八合目10:05--九合目--10:48経ヶ岳山頂(昼食)11:15--12:19七合目12:25--13:09四合目13:14--14:00駐車場
夏に歩くには、ちと暑く、しかもロングコース。8合目の展望はいいけれど、急登ばかりで健脚者向きといった山だった。いまは5月にトレランの大会「バーティカル・リミテッド」も開催されていて、あまり二百名山に選ばれるような風情や楽しさはなかった。
まずこの山を調べて、おののいたのは、2008年版の昭文社山地図によれば、標準コースタイムがピストンで8時間40分もかかることだ。でも以前遠足登山をやっている映像を見た記憶があって、このコースタイムは間違っているというヘンな確信があった。ヤマレコでチェックすると、同コースは7時間10分になっていた。これなら、東京からの日帰りも可能だ。ヤマレコ・タイムをベースに計画を立てた。
左:仲仙寺の駐車場? 右:予定していた伊那市考古資料館の駐車場
本日の山行は、山の神が嵐のコンサートで長野に行くというので、単独行だ。気合いとともに早起きし、3:54自宅を出発。山の神といっしょのときは、朝食に必ず40分とっているが、車の中でパンをかじりながら移動し大幅短縮した。中央道の最終PA、辰野にコンビニがあって、ラッキーとばかりに昼食の買出しをし、伊那ICで下りた。
カーナビの指示に従い、たちまち目的地近くまで来た。6:44車を置こうと思っていた考古資料館にしては、建物の感じが違うなと思いつつも、1台停まっていた先着の車に横付けにした。山支度を始めると、すぐに軽自動車が1台隣に滑り込んでくる。トイレに寄って出発するときにまた1台やってきた。このコースは長いせいか、この時間でもう、このドライバーが本日の最後のトレッカーだということが、下山時に判明した。驚くことにこのコースは、ダムからの道はあるものの、こちらの仲仙寺から登って、ピストンが普通だから、嫌が応にも入山した全登山者と会うことになる。
歩き出してものの1分ほどで、伊那市考古資料館が出てきた。なんだこんなところにあったのかと、駐車スペースを覗くと、車は3台。意外に少ない。そのまま舗装された坂を上がり、どん詰まりの羽広観音前を道標に従って、右へ折れていく。
左:羽広観音 右:四合目
観音様から離れていくと、4駆なら走れそうな未舗装の林道になる。道標がしっかりついているので、まず道に迷うことはない。風がそよともしない薄暗い道が続き、汗がどんどん吹き出して、早くものどの渇きを覚える。やがてトレランで使用したのか、「ピット1」なる標示が出て来て、待ってましたとばかりに水分補給した。そのまま腰は下ろさず先へと進む。
少し明るい道に出ると、微風が頬をなで、暑さもやわらぐ。7:50には、ダムへ下る道との分岐、四合目に到着した。ザックを下ろして、お茶を飲む。先はまだ長い。
左:フシグロセンノウ 右:キオン
この辺りから、登山道をにぎわすように、そこここに花、花、花と壮観。オレンジ色の大きな花を咲かせているフシグロセンノウがまず目につく。こんなにたくさん咲いているのは初めて見た。そして黄色い花びらを細長く伸ばしたキオン。山の日のテレビ番組で紹介されていて、初めて名前を知ったタマガワホトトギスは群落をつくっていた。そしておなじみのシャジン。
左:タマガワホトトギス 右:シャジン
腰掛け用に丸太が置かれている5合目で水分補給して、先を急ぐ。しかし一向にペースは上がらず、むしろ足取りは重くなっていく。汗を大量にかいて、やたらと水分補給しているときは、バテる兆候だ。
左:見晴らしのいい七合目 右:八合目のヤナギラン群落(復路撮影)
8:53六合目に到着。年配夫婦が先に休憩していた。ほどなくして駐車場で私の車の隣に来たお兄さんが軽快な足取りで追いついてきた。この後彼とは、山頂まで抜きつ抜かれつで登ることになる。ただこのお兄さんは小刻みに休むので、そのたびに追い抜かざるをえず、その後また追いつかれて道を譲るという繰り返しだった。
七合目は通過。そこから横移動すると、すぐに急登になり、一所懸命登っていくと、樹木の切り払われた八合目に到着する(9:55)。暑さと疲労でだいぶヘトヘトだ。そのうち先ほど追い抜いたばかりの若者3人パーティが上がってきた。彼らはここが目的地だったようで、その後山頂で会うことも、すれ違うこともなく、なんと下山時に五合目で休憩している彼らを目撃することになった。たしかに八合目までの山歩きは手軽で、山をやっていない仲間とお弁当を食べに来るにはいいかもしれない。見晴らしは抜群で、伊那谷と南アルプスを一望でき、右手には、樹木の間から木曽駒も見える。
八合目は開けていて、展望抜群。南アルプス方面
八合目からの中央アルプスはちょうど真ん前に木が仁王立ち。この写真は、経ヶ岳山頂手前で撮影。宝剣がよく見えた
左:クガイソウ 右:マツムシソウ
八合目は、濃いピンク色のヤナギランの群落がある。ヤナギランといえば、8月後半というイメージだが、よく見ると、まだまだこれからという咲きっぷりで、花芽がどんどん伸びている。一方では、クガイソウやマツムシソウも花を付けていて、色とりどりなのがいい。
左:石仏もあった九合目 右:九合目からはだいぶ下ってがっくりくる
10:05八合目を後にする。九合目で山頂までもう少しだと思ったのもつかの間、なんとここから、道を間違ったかというくらい、したたか下る。そして下ったのちには、長い急登が待っている。まったくトレーニング・コースかというくらい意地悪だ。
左:経ヶ岳山頂 右:山頂にはアーティスティックな石仏も
10:48ヨレながらも、予定よりも早く経ヶ岳山頂に到着した。樹林帯の中ではあるけれども、木曽駒の方角が少し木がまばらになっていて、ちょっとだけ展望がある。写真を撮った後、やれやれと腰を下ろし、昼ごはんにした。朝食が早かったので、腹はすきまくっていた。おにぎりにかぶりついていると、不快なことにどんどん虫が寄ってくる。虫除けパッチをザックとキャップに貼り付けていたのだが、あまり効果はなかった。
さっさと食べて11:15下山開始する。復路は、基本ずっと下りなので、サクサクと進む。七合目手前で追い越した年配の夫婦が登ってきた。本日最後のサミッターのようだ。
七合目と四合目で短かめの休憩をとっただけで、暑いこともあり、早く下りたいとそれだけを念じて、足も速まったようだ。駐車場に到着したのは、14:00だった。予定より1時間も早い。これは渋滞も短く済みそうだと、内心ほくそ笑んでいたのだが、そうは問屋が卸さなかった。中央道に上がって快調だったのは一瞬で、双葉ジャンクションで事故渋滞、そしていつもの勝沼あたりからの渋滞、小仏トンネルからの渋滞、八王子からの渋滞などで、なんとプラス2時間半。自宅に着いたのは、優に19時を回っていた。