なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

雰囲気

2007-02-21 03:14:30 | Weblog
 先日久しぶりにコミュニティに寄って感じたことなどです
 日曜日の午後なので囲碁も将棋も盛況ですが2面ほど開いていたので、そこに座って横の対局を観戦し始めた。
  ここは座敷に足付き碁盤を並べて、座布団に座って対局するスタイルなので、私は立って上から覗くのが何だか気が引ける。
 特に嫌がられる分けでもないのですが、自分が座って打っている時に立っている人に見られるのはなんとなく落ち着かないから好きでは無い。
  そういうことを気にする人と、しない人がいるらしく立ってあちこち観戦して歩く人と、座って観戦する人の2種類あるようです。

さて、座って観戦していると世話好きのYさんがやって来て、立って見ている年配の人と私を対局するように勧めた。
 「この人は強いですよ、○段で同じくらいでしょう」と紹介してくれました。
私は自分がさして強くないと思っていますが、紹介してくれたYさんには向こう3子だから、彼よりは強いことは確かではある。
 しかし○段というのはここでのリーダー的な人と同じ段ということになる
 私はこの師匠には2子で幸いに2連勝しているけれど、善くてもせいぜい”先”だろうと思っているから・・・○段が本当なら相当強いかも知れない。
 ”知れない”といったのは、Yさんの評価に若干の疑いを抱いているからでもあり、段は何処そこの段かでかなりの差があると思っているからでもある。
  それでも○段というからにはそれなりの敬意を表す必要がある!?
 Yさんが横から「握り」と言っていましたが、私はかまわず「とりあえず私が先で」と断って黒の碁笥を手元に取りました。
 「宜しくお願いします」といつもの形で右上の星、白すかさず左下の小目、黒右下星、白左上小目・・・相手の着手が何だか異常に早い気がする。
 黒左下小ケイマかかり、白すかさず小ケイマ受け・・・
  こういう進行は何百局と打っているだろうから、何も考えることは無いのかも知れない・・・しかし初対面の相手との対局でもそうだろうか?
 少しナメられている感じがしないでも無いけれど、顔を見るとそういう性格でも無さそう。
 恐らくこれが彼のペースに違いない・・・のだけれど
  こういう打ち方の人で強い人は見たことが無い・・・
 いや、あのゼイ・ノイさんなどはアマ相手にはもっと早いけれど雰囲気が違う
あの先生はプロ中のプロ、この方はただ早いだけ?
そう10手も進行するうちには、私が相手を「○段は無いでしょう」と考えるようになった。
 勿論口には出しません、そう思っても負けてはサマにならないから、寧ろ気合が入る。
  Yさんの紹介ということは、彼はコミュニティや生き生きプラザなどに顔が広いから、どこかそういうところで知り合ったのでしょう。
 一般にそういうところは、上の段を言いたがる人が多いので、段級が上にスライドしていることが多いようだから・・・
 例外的には、彼はシャイな性格で初対面の私にいつもの力を出せないでいる・・・ということも無いではないが、私の方にそういう風に相手に気を使わせるような空気はまとっていない筈なんだけれど。
 段などはさして問題でもないから、彼を非難しているのではなくて、要するに「○段が持っている雰囲気」みたいなものを感じなかったのです。
  本当にそういうものがあると断言は出来ないのですが、やはり打っていると雰囲気というか”重み”を感じるのです。
 私のお師匠さんのK畑さん初めそのクラスの方々には何か雰囲気を感じます。
  強いのを知っているから感じるのか、そういう空気を持っている人が強いということなのか・・・
 ここで発想がジャンプします。
例えばプロ棋士の先生たち・・・皆さん個性的で同じに顔には到底見えません。
 それで、もし囲碁を知らない人・プロ棋士の顔に今まで興味を持って見たことが無い人が顔写真を見たら何か感じるだろうか?
   プロ棋士と、囲碁も他の勝負事やプロスポーツなどと縁の無い人の顔写真を10枚ずつカードにして、プロを当てるクイズをしたら・・・
  あまり面白くないかな?
   発想としては「笑っていとも」的です
 確率では50%ですが、何か雰囲気とか「オーラ」が感じられれば60から70%くらいの正解率があると想像するのです。
  もっとも”生”と”カード”の差があるからダメかも知れない?

偶々かもしれないが、あの彼には雰囲気を感じなかったのです。
 本当は自分に人を見分ける目があるかどうか疑わしいのですが。
  でも「これは違う」と感じたのです。
 彼は「○段」と紹介されて、いちいち否定するのが面倒なだけだったのでしょう